【競馬予想Vol.181】第27回NHKマイルC

今回のテーマ

血統傾向はSS系優勢

過去10年、ロイヤルチャージャー系(サンデーサイレンス系)は【7・5・6・83】、単回値88・複回値82。ニアークティック系(ノーザンダンサー系)は【3・3・1・26】、単回値48・複回値103。これらに対しネイティヴダンサー系(キングマンボ系)は【0・2・2・31】、単回値0・複回値84。

ロイヤルチャージャー系は2020年にラウダシオン(父リアルインパクト)が9番人気で勝利、昨年もソングライン(父キズナ)が7番人気で僅差の2着に入るなど人気に関わらずバランス良く来ている。ニアークティック系は昨年シュネルマイスター(父Kingman)が勝利。ネイティヴダンサー系は2005年にラインクラフト(父エンドスウィープ)が勝ったのを最後に16年間未勝利。2017年にリエノテソーロ(父Speightstown)が13番人気で2着、2019年にケイデンスコール(父ロードカナロア)が14番人気で2着に入るなど人気薄がたまに2~3着に入っている。

早期デビュー馬が強い

過去10年の勝ち馬10頭のうち7頭は7月までにデビューしていた。近年はこの傾向が強く、2016年メジャーエンブレムから2020年ラウダシオンまで、6月の新馬戦に出走して勝っていた馬が5年連続で勝利していた。

昨年は9月デビューのシュネルマイスターが勝ったが、2着は6月デビューのソングライン、3着も7月デビューのグレナディアガーズが入った。早くにデビューして勝ち負けできるのも一種の才能。


トラックバイアス分析・展開予想

開催3週目に入ったが依然として内が伸びる。外差しも来れなくはないが、最短距離を立ち回ったほうが断然有利。中間の降雨はなく、クッション値も日を追う毎に良化して当日朝の時点で9.7(昨年同週は9.2)。ただ前日の時計は標準で、前が止まらないという感じではなかった。ここは他が行かない限りジャングロが仕掛け、スタートが速いキングエルメスとの先行争い。セリフォス、トウシンマカオ、タイセイディバイン、アルーリングウェイも連動しそうで、外枠の馬は相対的に後方からの競馬を強いられそう。基本は内ピタ先行。外差しは前が止まってくれない限り厳しい。


全頭分析

【○】マテンロウオリオン

(+)NZTは賞金を持っているからこその試走。叩き2戦目のここ勝負。
(-)シンザン記念は内ポッカリの恵まれ勝ち。実績鵜呑みは少々危険。

【-】ソネットフレーズ

(+)デイリー杯2歳Sでセリフォス相手に接戦。能力の高さは疑いなし。
(-)脚部不安でここまで自重。半年振りでも前付けできるかどうか。

【▲】ソリタリオ

(+)スプリングSは控え過ぎで度外視可。シンザン記念位走れば通用。
(-)持ち時計は平凡。行き脚良い馬多いここで好位を取れるか不安。

【△】セリフォス

(+)朝日杯FSで初めて差されるも差は僅か。ここは内枠先行で手堅く。
(-)異例の年明けぶっつけローテ。息入らない流れで凡退あり得る。

【-】キングエルメス

(+)京王杯2歳Sは前付けから無難に勝利。スタート速く前付け容易。
(-)頭が高く踏ん張り切れない。前に行けても前走以上を望むのは酷。

【-】トウシンマカオ

(+)ファルコンSは酷い前詰まりで度外視。東京は前付けで2戦2連対。
(-)朝日杯FSはラストで脚が止まる。時計勝負になるとしんどい。

【-】タイセイディバイン

(+)ファルコンSは差し、アーリントンCは積極策。ここ2戦内容充実。
(-)好走したとはいえ善戦止まり。使い詰めでGIとなると余力が心配。

【◎】アルーリングウェイ

(+)前付けで安定して勝ち負け。ハイペース・速い時計共に適性あり。
(-)桜花賞は直線追い出し待った割に伸びイマイチ。東京替わり微妙。

【-】ダンテスヴュー

(+)皐月賞は相手強過ぎで歯が立たず。距離短縮が良いほうに出れば。
(-)東京スポーツ杯2歳Sは後方のまま凡退。速い時計への適性疑問。

【-】カワキタレブリー

(+)デイリー杯2歳Sは最内で粘って波乱演出。マイル勝ちあり侮れず。
(-)アーリントンCで速い時計に対応出来ず。ここも付いていくだけ。

【-】インダストリア

(+)弥生賞は距離も展開も向かず。ジュニアC完勝のマイルで見直し。
(-)ジュニアCで負かした相手が弱過ぎ。速い時計への適性も不明。

【-】セイクリッド

(+)前走後方から押し上げて直線突き抜け。差せるだけの脚力はある。
(-)スタート下手過ぎ。芝こなせても前が止まらない限り出番無し。

【-】ジャングロ

(+)NZTはマテンロウオリオンを差し返して勝利。渋太さは評価。
(-)前走マイペースで上手く行き過ぎ。今回ベゴニア賞完敗の東京。

【-】フォラブリューテ

(+)紅梅Sは内前馬場で後方から突き抜け。好位で脚が溜まれば脅威。
(-)桜花賞は外枠から付いて回っただけ。時計面に限界あり厳しい。

【-】オタルエバー

(+)ファルコンSは後方待機策で3着。レースの幅広がったのは評価。
(-)前走はハイペースが嵌った感。このメンバーに入ると埋没する。

【-】プルパレイ

(+)ファルコンSは前傾ラップを突き抜け。マイルの持ち時計も速い。
(-)前走内枠の利あり。18頭フルゲート外枠の今回は距離ロス懸念。

【-】ステルナティーア

(+)サウジアラビアRCは牡馬相手に善戦。輸送無しの今回試金石。
(-)前走負け過ぎ。ここ2戦時計を詰めての完敗で上積み感じない。

【△】ダノンスコーピオン

(+)アーリントンCは直線スムーズさを欠きながら完勝。力は上位。
(-)共同通信杯と同じ大外枠。ここで外を通らされると届かない。


結論

◎アルーリングウェイはスプリント戦でデビューして、千両賞も唯一前付けで踏み止まったように基礎スピードは申し分無し。桜花賞は馬群の中からレースを進め、時計を詰めてコンマ2秒差。内の出方を見ながら進める好枠を引いたここは狙い目。

○マテンロウオリオンはNZTで楽に逃げるジャングロ相手に4コーナーで大外をぶん回す荒い競馬。シンザン記念勝ちで賞金は足りていたが故の「舐めた騎乗」。直線の脚色は1頭だけ抜けていた。ここはシンザン記念のように内突きでの好走に期待。

▲ソリタリオはスプリングSで初めて圏外にぶっ飛んだが、内前行った行った決着で過剰に控えたのが原因とみて度外視。シンザン記念で内から抜け出したマテンロウオリオンに唯一追い縋ったレース内容を再評価。この内枠は反撃の手掛かりになる。

△セリフォスは6月デビューのダイワメジャー産駒、しかも内枠先行が叶いそうなここは買い一手のように思えるが、唯一負けた朝日杯FSはハイペース。デビューからの3連勝はいずれも上がりだけの競馬で、スタートから息が入らないペースになりやすいここは久々も相俟って伸びずに終わるかも。

△ダノンスコーピオンはアーリントンCで直線半ばまで前が開かず追い出しを待たされながら結局差し切り勝ち。朝日杯FSも直線外に出せないままで3着に差してきた。マイルで差す競馬自体には何ら不安はない。ただ今回は枠が外過ぎで届くかどうか微妙。

◎アルーリングウェイ
○マテンロウオリオン
▲ソリタリオ
△セリフォス、ダノンスコーピオン
馬複5頭ボックス(10点)

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