【競馬予想Vol.307】第167回天皇賞・春

今回のテーマ

これといったものが見当たらなかったので省略。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週は周期的に天気が移り変わり、火曜から水曜にかけて合計29ミリ、土曜から日曜にかけて合計55ミリの雨を観測。週半ばの雨は木曜と金曜に晴れたことでリカバーしたが、日曜未明まで降り続いた雨は残ったまま。含水率は4コーナー11.5%、ゴール前12.3%。日曜朝時点のクッション値は8.1で重馬場スタート。空は曇ったままで良馬場は望めない状況。

  • 開催2週目で馬場状態は引き続き絶好だが、今回は雨降り直後の馬場。馬場傾向は実際にレースを見ないことには何とも言えない。排水設備が内側に設置されていることからしても、レースが行われる頃には内が使える馬場になっているのではないかと推測する。

  • ペース想定:平均(1,000M通過60~61秒)

  • 何が何でも行きたいアフリカンゴールドが痛恨の大外枠。それでも行くしかないのでスタートから押しまくってハナ。タイトルホルダーはスタートを決めてラチに寄せるだけで好位が確保できる絶好枠。アスクビクターモアもスタートを決めてこれに続く。ジャスティンパレスも最内枠を活かして今回も好位からの競馬。人気どころが総じて前ということで展開妙味は外差しだが、馬場が緩くなっている上に前も平均ペースで押し切ってくるので後ろからではなかなかしんどい。


全頭分析

【△】ジャスティンパレス

(+)阪神大賞典は直線詰まりかけながら突き抜け。前で速い脚使える。
(-)菊花賞はラスト根負け。GI級の先行馬がいるレースで劣勢否めず。

【-】ディープモンスター

(+)関門橋Sは厳しい流れで終い脚伸ばす。スタミナはそこそこある。
(-)重賞では脇役の域を出ない。内一杯を立ち回ったとしても苦しい。

【◎】タイトルホルダー

(+)阪神開催の昨年は7馬身差圧勝。前付けしてGI3勝は伊達ではない。
(-)捲りに弱い。3コーナー下りから押し寄せる展開だと若干不安。

【-】メロディーレーン

(+)京都の菊花賞で追い込んで5着。ここは内で脚を溜めて無欲差し。
(-)果敢にGIに挑み続けるも惨敗ばかり。付いて回るだけで精一杯。

【-】アイアンバローズ

(+)昨年のこのレースは3番人気で5着。京都の内枠先行で見せ場作る。
(-)今年は昨年以上に相手揃った印象。単純に着順を上げるのは困難。

【○】アスクビクターモア

(+)レコード&差し決着の菊花賞を押し切る。日経賞は出遅れが全て。
(-)同型のタイトルホルダーが厄介。湿った馬場だと速さが活きない。

【△】ディープボンド

(+)2年連続2着のスタミナお化け。阪神大賞典は上がり勝負で度外視。
(-)他路線からも強い同型集結。バテないが交わす脚が無いのが難点。

【-】トーセンカンビーナ

(+)京都施行の天皇賞春で5着あり。長距離戦の経験はトップクラス。
(-)スタート遅く真後ろからの競馬ばかり。展開嵌ってもしんどい。

【-】ヒュミドール

(+)ダイヤモンドSは途中でペース上がる乱戦で健闘。スタミナ十分。
(-)前走は内突きが嵌っただけ。GIで勝ち負けできるレベルには無い。

【-】サンレイポケット

(+)一昨年の天皇賞秋・JCと連続4着。強敵相手に追い縋る脚ある。
(-)基本的に着拾いしかできない。長距離も合っているとは言えない。

【-】ディアスティマ

(+)一昨年の松籟Sは3馬身差の逃げ切り。長距離逃げは一種の才能。
(-)今回は前付けで強い馬だらけ。ハナ奪えても直後のマーク厳しい。

【-】ブレークアップ

(+)阪神大賞典はゴール前強襲の3着。前が競り合えば漁夫の利差し。
(-)アル共杯も内前スローで恵まれた勝利。自力だけでは足りない。

【▲】ボルドグフーシュ

(+)どんな展開でもソツなくこなす。3コーナー下り使った捲り期待。
(-)いい脚使って届かずばかり。前の馬に完璧に運ばれると届かない。

【△】マテンロウレオ

(+)大阪杯は積極策で惜しい4着と健闘。ここは無欲の差し込み注意。
(-)長距離でこれまでと同じ脚使えるか疑問。付いて回るだけ懸念。

【-】エンドロール

(+)安房特別は58kgを背負って勝ち切る。ここ2戦上がり最速マーク。
(-)3勝クラスの身で重賞・GI初挑戦は無謀。人馬共に経験積みの場。

【-】シルヴァーソニック

(+)レーン騎手背に連勝中。3,000M以上では昨年の落馬以外着外無し。
(-)前々走は相手弱く前走は海外GIII。今年も枠が厳しく苦戦免れず。

【-】アフリカンゴールド

(+)阪神大賞典はスロー逃げに持ち込み見せ場作る。一発の魅力あり。
(-)痛恨のフルゲート大外枠。楽逃げには持ち込めそうになく厳しい。


結論

タイトルホルダーが勝った菊花賞は1,000M通過が60秒0、天皇賞春は60秒5、宝塚記念は57秒6。宝塚記念はパンサラッサが刻んだペースで中距離ということで考慮外(勝っているが)として、長距離戦でやや速めの逃げを打ってもタレるどころか後続を突き離して勝っている。今回は逃げ宣言を出しているアフリカンゴールドが大外で、無理して逃げても途中で失速が目に見えているし、緩い逃げなら早々に交わせば良いだけ。先頭に立ってからは途中で緩めつつ、3コーナーの下りで加速すれば物理的に抜かれることはない。

アスクビクターモアの菊花賞1,000M通過は58秒7、直線に向いて堂々先頭に立って押し切り勝ち。勝ち時計はタイトルホルダーより2秒2も速かった。ディープインパクト産駒にしては珍しく力でゴリ押すタイプでタイトルホルダーに似ている。今回も湿った馬場での競馬になるが、日経賞のようなベチャベチャ馬場よりはマシ。タイトルホルダーの逃げに対しどの位置で構えるのかが見どころ。

ボルドグフーシュは消耗戦の菊花賞でも瞬発力戦の阪神大賞典でも2着に来る万能型の差し馬。菊花賞はアスクビクターモアに並んだところがゴールで、実質勝ちに等しい内容だった。今回は消耗戦寄りのラップを刻みそうなだけにジャスティンパレスには先着できそう。事実、ジャスティンパレスには瞬発力戦寄りのGIIでは負けているが消耗戦寄りのGIでは先着している。タイトルホルダーらを喰えるとしたらジャスティンパレスではなくこの馬。

ジャスティンパレスは阪神大賞典が強い勝ち方だったが、1,000M通過が64秒9とかなり遅くてここで再現性に乏しいこと、渋った馬場で走ったことがないことがマイナス。最内枠もタイトルホルダーやアスクビクターモアから被される位置関係で必ずしも良いとは言えない。消耗戦寄りの菊花賞3着を評価して押さえまで。

ディープボンドは毎回4コーナーで手が動くズブ馬で、瞬発力戦は大の苦手。今年の阪神大賞典は流れが緩過ぎて終盤のペースアップに取り残される形で終了。昨年タイトルホルダーのペースメイクで2着しているだけに今回のほうがマシ。しかし自らの指定席にアスクビクターモアや内枠のジャスティンパレスがいるので苦しいのには変わりはない。

マテンロウレオは大阪杯でジャックドールの逃げにまともに付いて行って4着。京都記念でも着拾い感満載だったとはいえ差してドウデュースの2着。今回と距離は違うが着実に力を付けてきている。京都施行時の天皇賞春はハーツクライ産駒の2~3着率が高く、距離さえこなせれば面白い存在になり得る。前が疲れたところを外から3着、あると思います。

◎タイトルホルダー
○アスクビクターモア
▲ボルドグフーシュ
△ジャスティンパレス、ディープボンド、マテンロウレオ
3連複◎1頭軸流し(10点)、3連単F◎→○⇔▲△△△(8点)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?