【競馬予想Vol.207】第58回小倉記念

今回のテーマ

前走後ろから行った馬に注目

過去10年、前走で4コーナー4番手以内に付けていた馬は【3・0・5・37】、単回値33・複回値38、5番手以降に付けていた馬は【7・10・5・64】、単回値115・複回値94。後者のうち10番手以降に付けていた馬も【2・8・1・27】、単回値115・複回値116となり、直近で後ろから行った馬が勝ち負けしやすい。

過去10年で4コーナー4番手以内のワンツーで決まったのは2013年と2018年の2回しかなく、4コーナー5番手以降のワンツーになったのは2015年と2019~2021年と4回ある。連続開催の後半に行われるだけあって、直線平坦の小倉でも差しが効きやすい。但し今年は開催が2週間開いている点に留意する必要がある。


トラックバイアス分析・展開予想

前開催から2週間空いて再開。今週は木曜と金曜に弱い雨が降った以外は好天。月曜から木曜にかけて連日散水が行われた結果、土曜朝時点の含水率は4コーナー9.9%、ゴール前9.1%と適度に水分を含んだ状態。クッション値9.5は前開催を通じてほぼ同じ。土曜は最終レースこそ中団から捲り上げて直線外差しに向けたマテンロウエールが勝利したが、概ね内前優勢。内前から先に抜け出した馬を後ろからどう捉えに行くのかが焦点。その上でメンバーを見渡すと明確な逃げ馬不在、後ろから行く馬だらけで展開妙味は間違いなく前。前の仕掛けが早くならない限り、今年は前々決着が濃厚。


全頭分析

【-】アーデントリー

(+)行き脚あり好位確保は容易。最内枠を活かした粘り込みに注意。
(-)手応え良く直線に向いた前走案外。引き続き軽ハンデだが苦しい。

【◎】マリアエレーナ

(+)マーメイドSは外枠の分詰め損なう。内枠&斤量減でここも期待。
(-)直線で追い出されてからの反応が鈍い。他に並ばれるとしんどい。

【-】ムジカ

(+)前走は直線だけで2着に突っ込む。裸同然51kgの今回突き抜けも。
(-)前走もスタートしくじって最後方からの競馬。アテにならない。

【○】ジェラルディーナ

(+)ここ3戦外差しで及ばずも僅差。小倉では大外ぶん回しで2戦2勝。
(-)序盤置かれてスパートの反応も鈍い。前が押し切る展開に弱い。

【△】ダブルシャープ

(+)昨年外伸び馬場で内に入って4着。内から先抜けで見せ場作れる。
(-)平均ペースで位置取れずの前走不満。フルゲートの重賞では辛い。

【△】タガノディアマンテ

(+)前付けでGII2着2回。捲りの脚もあり小倉はいかにも合いそう。
(-)京都記念は内前優勢かつ稍重馬場。軽い芝が合うかどうか不明。

【-】ピースオブエイト

(+)ダービーは直線外から押される不利。距離短縮&軽量で巻き返し。
(-)毎日杯は相手も展開も緩過ぎ。古馬と初対戦のここは荷が重い。

【取消】プリマヴィスタ

(+)三方ヶ原Sは脅威のレコード駆け。外から行けずの前走度外視。
(-)ここ2戦軽ハンデ貰っても足りない。ここも付いて回るだけか。

【-】シフルマン

(+)出負けした中日新聞杯以外は前付け。関門橋Sは西村騎手で2着。
(-)今年連対した2戦はいずれもスロー。重賞で全く通用していない。

【-】カデナ

(+)前走4角大外ぶん回し&直線大外通ってコンマ4秒差。力は上位。
(-)行き脚皆無で真後ろから行かざるを得ない。現状前崩れ待ち。

【-】ショウナンバルディ

(+)逃げ切りで重賞勝ちあり。今回は前走より前が手薄で行き切れば。
(-)中途半端な位置取りで負け続き。時計速くなると何も出来ない。

【-】ヒンドゥタイムズ

(+)ここ2戦は前残り展開で何も出来ず。去勢で操縦性アップに期待。
(-)まともに使えていない。勝ち負けの力はあるがいきなりは疑問。

【-】モズナガレボシ

(+)速い流れを先行して僅差の新潟記念評価。前に行けるなら妙味。
(-)昨年は馬場・斤量・少頭数全て向く。今年は全てにおいて辛い。

【▲】カテドラル

(+)中京記念は前年と同様外を回して僅差。ローカルGIIIでは力が上。
(-)前走は勝ち馬を除き前が止まる展開。今回は距離も延びるし微妙。

【-】スーパーフェザー

(+)昨年は直線で勝ちに行っての3着。引き続き軽量で立ち回り次第。
(-)昨年からの上積みは自己条件勝ちのみ。ここでは力が足りない。

【-】ヒュミドール

(+)昨年は外を回して惜しい2着。大外の今回も外差しで突っ込むか。
(-)差してこれるが基本的に届かない。今回は終始外を通らされそう。


結論

マリアエレーナは前走内伸び馬場で唯一4コーナーで外を回して2着。内枠を引いていれば間違いなく勝っていた。今回は内前優勢馬場かつ前が手薄、望み通りの内枠ゲット、斤量1kg減の54kgと好条件が目白押し。懸念は加速するまで時間が掛かる点ぐらい。

ジェラルディーナはズブい馬で、前走も加速が乗ったところがゴールだった。基本外差しで届かずの繰り返しなのが気になるが、小倉で捲り気味に上がってきて2勝しているし、ここは自在に立ち回っての差し切りに期待したくなる。

カテドラルは中京記念で2年連続同じ大外ぶん回しの競馬をして2着。GIでは毎回話にならないが、ローカルGIIIだと力は一枚上。中2週で1ハロン距離が延びても通用するかどうか微妙だが、内前馬場でも普通に突っ込んできた前走を見る限り今の馬場でも軽視できない。

タガノディアマンテは京都記念で前付けして2着、マリアエレーナ(8着)、ジェラルディーナ(4着)に先着。捲っていく脚もあり、内前スローなら残す余地がある。野芝オンリーの軽い馬場に対応できるかどうかだが、単にこれまで走ったことがないだけで何とも言えない。

ダブルシャープは前走行きっぷりが悪かったが、レース間隔が開いたことに加えてベレヌスが強引に引っ張っていく展開が合わなかった。外伸び馬場だった昨年は最初から内を通って外差しにやられたが、今年は逆に内が使えそうなだけに、昨年以上を期待したい。

◎マリアエレーナ
○ジェラルディーナ
▲カテドラル
△タガノディアマンテ、ダブルシャープ
馬複5頭ボックス(10点)

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