【競馬予想Vol.11】第35回根岸S

このレースは毎年のように差し・追い込み馬が勝っているような印象だが、過去10年のデータでもやはりそうなっていた。

2021根岸S過去10年脚質別成績

このレースで上がり3ハロン最速をマークした馬は勝率54.5%、単勝回収値397円、複勝回収値224円というとんでもないことになっている。なお上がり3ハロン最速をマークした11頭は全て4コーナーで5番手以降、うち9頭は10番手以降からの差し込みだった。「後ろから速い上がりを繰り出しそうな馬」を買えば儲かるのでは、という仮説を立ててみる。

では今回上がり3ハロン最速をマークしそうなお馬さんはどれか?直近10走のダートマイル以下上がり3ハロン3位以内回数を拾ってみる。
(カッコ内は順に上がり3ハロン1位・2位・3位の回数)

ワンダーリーデル(1・1・3)※前走2位
スマートダンディー(0・2・0)
レッドルゼル(2・2・2)※前々走1位、前走3位
ダイメイフジ(0・0・0)
ブルベアイリーデ(1・1・0)※前々走2位
タイムフライヤー(0・0・0)
ヤマニンアンプリメ(0・0・0)※地方競馬9戦で判定不能
スマートセラヴィー(0・0・0)
ヘリオス(1・0・2)※前走3位
メイショウテンスイ(0・1・1)
サブノジュニア(0・0・0)※地方競馬9戦で判定不能
テイエムサウスダン(2・0・1)※前走1位
サクセスエナジー(0・0・0)
アルクトス(0・1・1)
デザートストーム(6・0・2)※2戦連続1位
ステルヴィオ(0・0・0)※ダート初参戦

直近10走以内にダートマイル以下で上がり3ハロン3位以内をマークしたことがある馬は6頭いる。デザートストームがダントツの上がり3ハロン最速6回!いずれも後ろから繰り出した数字で信頼に値する。

昨年のフェブラリーSと武蔵野Sでタイムフライヤーに先着しているワンダーリーデル、カペラSで居残りワンツーに後方から割って入ったレッドルゼル、今回と同じコースで速い上がりを繰り出したブルベアイリーデも後ろから速い上がりをマークしている。ヘリオスとテイエムサウスダンは先行でマークした数字なのでここでは信頼度が落ちる。

もう一つ、このレースの傾向を語る上で見逃せないのは前走距離にある。

2021根岸S過去10年前走距離別成績

距離短縮馬の複勝率35.9%は同距離組(17.2%)の約2倍、距離延長組(9.4%)の約4倍。'18年は距離短縮組のワンツースリーフィニッシュ。この年はハイペースで流れてレコードの差し決着だった。

20210130東京ダート脚質傾向

開幕初日の東京ダートの脚質傾向をみると、午前中こそスローで前が残っていたが、午後は差し込み決着が目立った。

9R銀蹄S(4歳以上3勝クラス/ダート1,400M)は逃げたピンシャン(5番人気)こそ2着に残ったが、先行したカフェクラウン(2番人気)とファシネートゼット(3番人気)はいずれも13着と14着に惨敗。勝ったタガノビューティーは4コーナー10番手で上がり3ハロン3位の35秒0、3着フィールザファラオは4コーナー15番手で上がり3ハロンは最速の34秒4だった。

以上を踏まえた上で今回の展開予想。明確にハナに立ちたいという馬は見当たらない。斤量を背負っているアルクトスが出していくか、それとも前走芝カマシで今回内枠のダイメイフジが仕掛けるか?前に行きたい馬は揃っているので展開的にはフラット。1,000M通過は例年通りの59秒前後を想定。前付け~中団待機が優勢。

◎デザートストームはダート転向後に飛んだのは1,000Mで行った行ったの展開だった一昨年の桑園特別(8着)と8か月振りで不良馬場を先行した天保山S(8着)の2戦でいずれも敗因は明確。ダート外枠【2・1・0・1】、ダート14頭立て以上【3・2・2・1】、ダート中3~5週【3・1・0・1】。

○スマートセラヴィーは3走前の福島民友C(2着)が1着オーヴェルニュ、3着ソリストサンダーでハイレベル。ここ2走はデザートストームに1勝1敗。オータムリーフS(1着)は前残り、ギャラクシーS(3着)は差し優勢。今回は差し優勢の東京ということで一歩譲らざるを得ないが、力量的には互角。

▲レッドルゼルは前々走が脚抜きの良い京都、前走は上がりを要する中山でいずれも差して勝ち負け。東京は京都寄りの速い上がりがそのまま反映される馬場で、前走よりパフォーマンスを上げてくるはず。距離延長ということで割り引くが、差し優勢の傾向に従うなら外せない一頭。

△アルクトスは東京ダート【5・1・0・1】で、飛んだのは4か月振りのぶっつけで厳しい流れに巻き込まれた昨年のフェブラリーS(9着)のみ。地方とはいえ、南部杯は湿った馬場で1分32秒7をマークしており、この速力は無視できない。540kgを超える巨漢なので負担斤量59kgでも問題無さそう。

△メイショウテンスイは前走馬体が大幅に増えていたのと、何故か逃げの手に出て自滅。東京ダート【3・1・0・1】、飛んだのはマイルのヒヤシンスS(6着)。阪神の重いダートから東京の軽いダートに替わることで普通に巻き返してくるのでは。

△タイムフライヤーは1,700Mまで範囲を広げればマリーンSが上がり3ハロン最速、エルムSが上がり3ハロン2位。昨年の武蔵野Sよりは楽な流れになりそうで、内寄りの枠から早めの立ち回りで見せ場は作れるはず。ここ2戦はラストでダレているので、距離短縮がハマりそうな気がする。

◎デザートストーム
○スマートセラヴィー
▲レッドルゼル
△アルクトス、メイショウテンスイ、タイムフライヤー
ワイド◎or○流し(9点)、3連複◎or○1頭軸流し(16点)

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