【競馬予想Vol.38】第65回大阪杯

三冠馬コントレイルとスプリンターズS&春秋マイル連覇の快速牝馬グランアレグリアのマッチアップ。クラシックでの借りを返したいサリオスに5戦無敗のレイパパレ。一雨降って紛れ込みを図りたい伏兵陣もスタンバイ。一体どういう結末を見ることになるのか、心が躍る楽しみなレース。

2021大阪杯当日8時時点天気予報

しかし今週も空模様が怪しい。tenki.jpの阪神競馬場の天気(当日8時時点)によると、降り始めはレース直前、南の風1Mの予報。先週の高松宮記念もレース直前の雨予報だったが、実際には昼過ぎからまとまった量の雨が降ってきた。今回も重馬場になるほど降るかどうかは分からないが、少なくともパンパンの良馬場は望めそうにない。

『競馬はその時その条件に最も合致した馬が勝つように出来ている』

競馬はコンピュータゲームではなく、馬という生き物が実際に競馬場を走って織り成すドラマである。生き物なのだから、得意条件や苦手条件が存在して当たり前。予想する側はそれを踏まえてあれこれ推論を立てる。だからこそ競馬予想は面白い。

グランアレグリアが歴代最強クラスに強いなんてのは言われなくたって知ってます。知ってますが、ここも勝てるのかと言われれば私は明確に「No」と申し上げたい。理由は大きく2つ。

(1)距離が延びることでペースが落ち着く
阪神2,000Mはコーナー4つの小回りコース。折り合いというこれまでさほど要求されてこなかった余計なことを気にしなくてはならなくなる。抜群のスピード能力も活かせない。
(2)馬場悪化
高松宮記念で重馬場をこなしたという見方もできるが、1,200M走るだけで済んだという見方もできる。今回は2,000Mも湿った馬場を走らされて、持ち前のスピードが減殺されてしまう。

前で引っ張ってくれるモズスーパーフレアのような快速系の逃げ馬がいて、先週の毎日杯のような超高速馬場なら問題無く◎グランアレグリアだった。しかし今回はその両方が叶いそうにない。だったらグランアレグリアに◎は付けられない。むしろ連対すら危ないかもしれないと考えている。

だったら何に◎を打つのか。ベタで恐縮ですがコントレイルです。グランアレグリアと違って距離短縮で今回ベスト距離、グランアレグリアにとってはスローでもコントレイルにとっては平均ペース。また馬なりで栗東坂路4ハロン50秒台を連発している辺り、コントレイルもスピード型に振れつつあり、グランアレグリアの特性を埋められるかもというのがその根拠。

対抗はグランアレグリア、ではなくサリオス。枠順を見た瞬間、こちらを◎にしようか迷った。前が手薄なここで内枠を引けたのは大きいし、毎日王冠のように前で速い脚を繰り出せば後続はどうしようもなくなる。三強の中でこの馬が一番前に位置しそうだし、ガチで勝ちに行ってもらいたい。

グランアレグリアは三番手評価。どの距離でも無敵、なんてのはウマ娘でもあるまいしゲームのやり過ぎ。私は予想を放棄したくない。この条件ではコントレイルやサリオスのほうが上。それでもグランアレグリアが勝つなら、もうそれは歴史的名馬だったんだということで素直に賛辞を送ります。

上記は私の拙い推論なので、グランアレグリアから入られる方は気を悪くしないでください。「グランアレグリアは流れが落ち着いても、湿った馬場でも問題無く勝つんだ!」と予想するのなら、自信を持って単勝なり3連単1着付けで買ってください。競馬はギャンブルです。勝負しましょう。

展開面を整理すると、典型的な逃げ馬不在、先行馬の数も少なくスローは免れない状況。前走仕掛けたハッピーグリンが行かなければレイパパレが先手を打ちそう。サリオスが内から2番手。馬場悪化が見込まれるため、なるべく前にいたほうが良さそう。

GIということで全頭コメント。

【-】モズベッロ
宝塚記念で3着に入ったとはいえ前の2頭にはかなり離されており、重馬場をこなしたとは言い難い。このところ行きっぷりがかなり悪く、真後ろからではしんどい。距離短縮も忙しくなる分苦しい。

【○】サリオス
マイルCSは大外枠から終始外々を走らされ、直線もまともに大外からの追い上げで間に合わず。前付けできた時の強さは毎日王冠で実証済み。その意味で今回内枠を引けたのは大きい。包まれなければチャンス。

【☆】アーデントリー
ここまで25戦して1秒以上負けたレースは野路菊S(1秒0)の1回のみ、ここ2戦は決め手勝負にも対応。湿った馬場だと【2・1・0・1】とさらに信頼性が増す。後は相手関係だけ。

【-】ブラヴァス
金鯱賞は勝負どころで既に進んで行かず、直線ズルズル下がってまさかのシンガリ負け。久々で仕上がっていなかっただけかもしれないが、中2週で立て直せるかどうか。阪神は4戦して2勝2着2回の最適コースだが。

【-】ペルシアンナイト
最後に勝ったのは4年前のマイルCS。3年前のこのレースで2着しているが、その後連対出来たレースは相手が緩かった昨年の札幌記念(2着)のみ。良馬場ならそこそこの脚を使っているだけに良馬場希望。

【-】ワグネリアン
ここ2年はコンマ1秒負け3着とコンマ4秒負け5着。京都記念は前残り決着を後ろで付いて回っただけ。喉鳴り手術明けで半年超の久々では仕方無かったのかもしれないが物足りなさは残った。使った上積みがあっても足りない。

【◎】コントレイル
菊花賞でアリストテレスに際どく迫られたように長距離はギリギリ、早々に天皇賞春路線を見限って中距離のここへ。ジャパンCは仕上がり一息ながら上がり3ハロン最速2着。この中間は超絶時計を連発、間違いなく勝ち負け。

【△】レイパパレ
秋華賞を除外されてスライド出走した大原Sは先頭で終始馬なり、何もせず快勝。一息入れたチャレンジCも突破したが、緩い流れで番手からの競馬で折り合いを欠いていた。しっかり折り合えるなら通用していい。

【-】クレッシェンドラヴ
福島で5戦してオール連対、中山でも4勝をマーク。小回り巧者というか、基本的に福島か中山ばかり走っている。今回は小回りに分類される阪神内回り、2,000Mで4勝、重馬場は2戦2勝。狙える条件ではある。

【-】カデナ
昨年は直前で小倉大賞典を制した余勢を駆り、直線で内を突いて上がり3ハロン最速の脚で際どい4着。今回も天皇賞秋以降同じローテを踏んでの出走。ただ今年は重馬場見込み、真後ろからでは厳しい。

【-】ハッピーグリン
京都記念は久々の競馬ながら最内枠を活かして先手を打つも、4コーナーで一杯になって後退。2戦続けて直線を迎えるまでに終戦。一昨年のチャレンジCで後方に構えて上がり3ハロン最速の4着があるが。

【▲】グランアレグリア
スピード能力は現役馬だけではなく歴代マイラーと比較しても最上位クラス。だからこそこの2,000Mがどうなのかという疑念が巻き起こる。前走からは間違いなくスロー、速さを削ぐ湿った馬場。パフォーマンス低下は必至。

【☆】アドマイヤビルゴ
京都新聞杯は前半突っ込んだ流れを直線先に動いて差し負け、日経新春杯は荒れた内を通って伸び悩み。敗因が明確でまだ底を見せていないという解釈もできる。今回はスロー想定、馬場悪化が遅れて前に行けるなら巻き返せそう。

◎コントレイル
○サリオス
▲グランアレグリア
△レイパパレ
☆アーデントリー、アドマイヤビルゴ
3連単F◎○→◎○⇔▲(4点)、3連複◎○2頭軸流し(4点)

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