【競馬予想Vol.285】第59回金鯱賞

今回のテーマ

※2017年より従来の12月から施行時期移行。大阪杯の前哨戦としての位置付けとなる。

逃げ粘りが頻発

3月に行われるようになってからの過去6年、ハナを奪った馬は【2・2・1・1】、単回値3821・複回値586。10頭立てのシンガリ人気だった2021年1着ギベオンが逃げ切って単勝オッズ227.3倍の大波乱を演出するなど、人気薄の逃げ粘り事例が頻発している。

4コーナー7番手以降から3着以内に入ったのは2017年3着スズカデヴィアス(4コーナー10番手)のみで、前のほうに位置しておかないと話にならない状況が続いている。逃げそうな馬は必ずマークしておきたい。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週は好天続きで降雨無し。月曜と水曜から金曜にかけて散水を実施。含水率は4コーナー12.3%、ゴール前12.1%、日曜朝時点のクッション値は9.0。入念に散水されて硬くもなければ柔らかくもない絶妙な状態。

  • 前開催(12日間)は前半8日がAコース、後半4日がBコースで施行。今開催は6日間開催で、前半4日は1月22日以来のAコースで施行。土曜の芝は10Rの恋路ヶ浜特別(4歳以上2勝C/芝2,000M)で4コーナー8番手のエスコバルが外から差し切っており、その他のレースでも人気薄の差しが目立った。時計は開幕週にしては大人しい感じがする。バイアスはフラットと判定。

2回中京1日目(2023年3月11日)の芝戦決まり手一覧。
【参考】昨年の2回中京1日目(2022年3月12日)の芝戦決まり手一覧。
  • ペース想定:平均(60秒台)

  • 明確な逃げ馬は不在。中山金杯で仕掛けたフェーングロッテンがここもハナか。最内に入ったテン乗り横山典弘騎手のアラタが仕掛けるかもしれない。マリアエレーナとヤマニンサルバムが逃げ馬の後ろをマーク。開幕週だが前が絶対有利という感じではなく、時計もそこそこ要しているので後ろからでも離されなければ十分勝負になる。


全頭分析

【▲】アラタ

(+)前有利の札幌記念で差して4着。重賞で勝ち負け出来る力はある。
(-)いつでもどこでも相手なり。毎回中途半端に追い上げて届かない。

【△】マリアエレーナ

(+)小倉記念は前付けで圧勝。開幕週の絶好馬場活かして押し切る。
(-)大きく勝ったのは小倉記念のみ。基本的に詰め甘く過信禁物。

【-】ハヤヤッコ

(+)ここ2戦キツいハンデで善戦。後ろ過ぎなければチャンスあり。
(-)重馬場の函館記念のイメージ強い。開幕週の綺麗な馬場では微妙。

【-】ディープモンスター

(+)関門橋Sはハイペースの消耗戦を差し切る。高速馬場の適性あり。
(-)前走は相手手薄で勝って当然。重賞で即勝ち負けまではどうか。

【-】ワンダフルタウン

(+)中山金杯は枠が外過ぎて付いて回っただけ。少頭数内枠で見直し。
(-)青葉賞以降は勝ち負けに加われず。前に行けないのはしんどい。

【-】ルビーカサブランカ

(+)チャレンジCは3角進出の器用さみせる。愛知杯は馬場重く参考外。
(-)スタート不安定で置かれやすい。今回は真後ろからだと厳しい。

【-】グランオフィシエ

(+)迎春Sは仕掛けを遅らせた分終い競り勝つ。左回り2,000Mでも3勝。
(-)3勝クラス突破に7戦要す。今回重賞で相手骨っぽく通用は疑問。

【-】バイオスパーク

(+)関門橋Sは59kg背負って先行で沈没当然。フラット条件で見直し。
(-)前付けしても控えても進展見られず。自力ではどうしようもない。

【-】ポタジェ

(+)昨年は過剰に控えて届かず。前付けなら勝ち負けに持っていける。
(-)相変わらずズブく流れが緩むとキレ負けする。59kgも足枷になる。

【○】フェーングロッテン

(+)中山金杯はハナ奪い寸前まで粘る。ここも逃げ馬不在でハナ容易。
(-)粘れるがもうひと踏ん張り足りない。一気に来られると苦しい。

【△】ヤマニンサルバム

(+)中京芝は4戦全勝。白富士Sは直線狭くなる場面あり消化不良。
(-)前走進出遅れたとはいえ差し損ね不満。単純に相手強化が課題。

【◎】プログノーシス

(+)中日新聞杯は内前決着を後方外からコンマ1秒差。末脚は超強力。
(-)スタート下手で位置取れない。前に粘られると現状打つ手無し。


結論

プログノーシスがここでアタマから買える根拠は大きく3つある。1つ目はマリアエレーナ、フェーングロッテンはハンデGIII止まり、GI馬ポタジェは低迷中とGIIにしては相手があまり強くないこと。2つ目は開幕週にしては前有利と言い切れないこと。3つ目は中日新聞杯より頭数が減って枠入りが最後になること(出遅れリスク軽減)。これらを総合的に判断すると、内前ワンツーの中日新聞杯で大外最後方から追い込んで4着の実績で足りる。

フェーングロッテンは今回もハナ濃厚で、冒頭のテーマからは外せない。ただ前半スローからの上がり勝負が目に見えているここでアタマからは狙い辛い。今回はマリアエレーナ辺りに徹底マークを受けるので、展開ド嵌りとまではいかない(「光る逃げ馬」は割引)。新潟記念を見る限り後ろから一気に来られるとひとたまりもない。

アラタは前に行かないと話にならなかった札幌記念で際どい4着。先着された3頭は昨年の金鯱賞馬ジャックドールと後の海外GI勝ち馬。国内の重賞ならいつでも勝てるレベルの力を有しているが、その後も福島記念3着、中山金杯4着と結果が出ていない。横山典弘+最内枠の今回は何らかの策を打ってくるとみる。最後方ポツンなら要らない。ある意味賭け。

マリアエレーナは天皇賞秋の2コーナー合流点付近でノースブリッジに寄られてラチに激突しかける不利を受けながら大きく負けなかった。ただあの不利が無くても勝ち負けには遠かった。小倉記念の圧勝にしてもオール野芝でのもので、やや時計を要している今開催の中京ではさほどアドバンテージにならない。

ヤマニンサルバムは中京芝で4戦全勝、近年好調な白富士S組というのが買える根拠になるが、その白富士Sの内容がイマイチ評価できない。直線で前が狭くなって追い出しが遅れたのは分かるが、進路を確保した後にドーブネを交わせなかったのは不満。それに出来れば内枠が欲しかったところ。今回はフェーングロッテンとマリアエレーナに内(最短距離)を占拠される。

◎プログノーシス
○フェーングロッテン
▲アラタ
△マリアエレーナ、ヤマニンサルバム
馬複◎流し(4点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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