【競馬予想Vol.246】第42回ジャパンC

今回のテーマ

勝ち切るにはGI実績がほぼ必須

過去10年の勝ち馬のうち、ここがGI初勝利だった馬は2017年シュヴァルグランのみ。同馬は前年の3着馬で、同年の天皇賞春で2着に入っていた。

勝ち切るにはGI実績がほぼ必須。GI連対の無い馬の勝利例は2008年スクリーンヒーローまで遡る。スクリーンヒーローはここがGI初出走で、GIに出走歴があって未連対の馬の勝利例は2003年タップダンスシチーまで遡るは無い。軸はGI馬の中から選ぶべき。

※13:30に記事を修正しました。ケビンさんご指摘ありがとうございます。


トラックバイアス分析・展開予想

今週は水曜に38ミリのまとまった量の雨が降ったが、その後天気は持ち直して含水率は先週並み、土曜朝時点のクッション値は9.3と先週日曜朝時点(9.4)とほぼ同水準。先週から引き続き内前が使える馬場状態で、大外一気よりも内から抜けてくるほうが楽。なお、メインのキャピタルSで1分32秒5という開催末期にしては速過ぎる(直近10年で2番目に速い)時計が出ていて、外国馬に出番は無さそう。ユニコーンライオンが大逃げに持ち込むかどうかだが、パンサラッサのような実績があるわけでもなく昨年の宝塚記念並の平均ペースでの逃げを想定。人気どころが軒並み後ろなだけに展開面の穴は内前の先行馬、若しくは内からショートカットの差し。


全頭分析

【-】シムカミル

(+)前付けで連続好走中。55kgで内枠先行なら直線見せ場は作れそう。
(-)パリ大賞はあっさり捕まる。ニエル賞は内前行った行った決着。

【-】オネスト

(+)パリ大賞は直線加速が付いてから凄い伸び。日本向きの瞬発力型か。
(-)フランケル×シーザスターズのコテコテ欧州血統。硬い馬場は疑問。

【▲】ヴェルトライゼンデ

(+)オールカマーは内前決着で出番無し。ダービー3着の舞台で反撃。
(-)鳴尾記念は久々でも渾身の仕上げ。今回はそれほど勢い感じない。

【-】トラストケンシン

(+)この舞台は【2・1・2・2】とそこそこ走る。無欲の追い込み一発。
(-)重賞は10回使って5着が限界。この枠だと一旦下げざるを得ない。

【-】グランドグローリー

(+)昨年上がり3ハロン2位の脚で5着と善戦。馬場不問で差し込める。
(-)典型的なゼネラリスト。そこそこには来るが勝ち負けまでは疑問。

【○】ヴェラアズール

(+)芝転向後は全て上がり3ハロン最速。京都大賞典も楽々突き抜け。
(-)春先まで2勝クラスにいた馬。GIの今回は相手が一気に強くなる。

【-】テュネス

(+)昨年の凱旋門賞馬の弟。バイエルン大賞は10馬身差圧勝で5連勝。
(-)前走は競り合い皆無の独走。18頭立ての今回は揉まれて終わり。

【△】デアリングタクト

(+)ここ2走は馬場が嵌らず。軽い芝の今回は巻き返してきて当然。
(-)GIを使った後の中1週。万全仕上げの他馬に対して劣勢否めず。

【-】ユニコーンライオン

(+)福島記念は積極果敢に行って押し切り。今回も単騎で運べそう。
(-)前走は相手激弱&小回り平坦福島。仮に大逃げしても厳しい。

【-】ハーツイストワール

(+)アルゼンチン共和国杯は内差しで2着。東京の長距離戦は大得意。
(-)前残りを止められなかった前走物足りず。GIで即通用までは疑問。

【-】カラテ

(+)距離を延ばして新潟記念を快勝。大跳びで距離延長は良さそう。
(-)天皇賞秋は上位勢に簡単に置かれる。良くも悪くもGIII級の脚。

【-】シャドウディーヴァ

(+)東京で脚溜めた時の決め手強力。昨年は慣れない先行策で7着。
(-)2,000Mを超える距離で好走無し。牡馬相手の距離延長は厳しい。

【-】テーオーロイヤル

(+)ダイヤモンドSは先に抜け出して流す余裕あり。先行策で有力。
(-)前走内前馬場で内を立ち回って凡退不満。短期間で逆転は困難。

【△】ダノンベルーガ

(+)天皇賞秋は久々かつ古馬初対戦で3着。道中緩めばロケット加速。
(-)同世代のGIIIを勝っただけ。再び距離延長ローテで根負け懸念。

【◎】シャフリヤール

(+)ダービー制覇&昨年3着の舞台。褒賞金狙いでハナからここ本番。
(-)前走叩き台にしても伸び欠き物足りず。絶対的な強さは感じない。

【-】リッジマン

(+)ステイヤーズS勝ち&ダイヤモンドS2着。消耗戦で相対的に浮上。
(-)岩手に転出後3戦して未勝利では話にならない。目標は無事完走。

【-】ユーバーレーベン

(+)札幌記念は内前馬場、天皇賞秋は展開特殊。愚直に差しあるのみ。
(-)自力で交わしたのはオークスが最後。展開の助けが無いとしんどい。

【-】ボッケリーニ

(+)前過ぎず後ろ過ぎずの位置で勝ち負け好感。東京2戦2勝の好相性。
(-)ポジションを取りたい馬だけに大外枠は最悪。付いて回るだけか。


結論

シャフリヤールはダービー以降のパフォーマンスが微妙。今年はドバイでGIを勝ったとはいえ着差は僅か、天皇賞秋もジャックドールの差しに間に合わずという着差以上の完敗。これで人気なら切って妙味だが、200万ドルの褒賞金が看過できない。私が藤原調教師なら200万ドルの上乗せが欲しいので天皇賞秋は勝てたらラッキー程度で仕上げる。天皇賞秋の負けはある意味必然だったのかもしれない。当然ここは110%で獲りにくる。

ヴェラアズールは春先まで2勝クラスを走っていた馬でここでは格不足のように思えるが、今年の日本馬はどの馬も過去の実績をアテにしているような怪しさ満点のメンバーで大差無い。実際ダノンベルーガやカラテはGIII勝ち止まりで、GIIを勝っているヴェラアズールのほうが格上。鞍上のムーア騎手が未だ寝たままで、そろそろ起きて仕事をしてもらいたい。

ヴェルトライゼンデは重賞勝ちこそ鳴尾記念のみだが、そこでジェラルディーナを負かしていて申し分無し。GI実績もコントレイルが勝ったホープフルS2着、ダービー3着なら格負け感も無い。何より今回は内から抜けて来れそうな好枠ゲットで期待大。

デアリングタクトはオールカマー、エリザベス女王杯共に特殊馬場で持てる力を引き出せていない。無敗で牝馬三冠を制し、前残り高速馬場の宝塚記念で差して3着に来れる馬が弱い訳がなく、軽い馬場のクラシックディスタンスなら間違いなくパフォーマンスを上げてくる。中1週がどうかだけ。

ダノンベルーガはダービーでアスクビクターモアとクビ差ということで、どちらかといえばプラダリア以降の並馬ではなく「三強」寄り。この馬の武器はスパート後のロケット噴射で、そのためには道中脚を溜める必要がある。現状自ら勝ちに行く競馬が出来ていないので、ここから買うのはリスキー。GI連対も無い単なるGIII馬だし、押さえ評価で十分。

◎シャフリヤール
○ヴェラアズール
▲ヴェルトライゼンデ
△デアリングタクト、ダノンベルーガ
馬複◎流し(4点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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