【競馬予想Vol.284】第41回ローレル競馬場賞中山牝馬S

今回のテーマ

4角捲り進出が決まりやすい

過去10年の勝ち馬10頭のうち、8頭は4コーナーで5番手以降からの差しで、このうち5頭は3コーナーで7番手より後ろにいた。捲りが決まりやすいレースといえる。

2013年1着マイネイサベル(10-11-11-7)、2014年1着フーラブライド(10-10-10-7)、2015年1着バウンスシャッセ(11-11-10-8)、2016年1着シュンドルボン(9-10-7-5)、2019年1着フロンテアクイーン(8-8-6-5)、2020年3着フェアリーポルカ(9-9-10-7)、2021年3着フェアリーポルカ(11-10-7-3)、2022年2着アブレイズ(6-6-7-5)などのように、ペースや馬場状態に関わらず3コーナーからポジションを上げられる馬が勝ち負けしやすい。


トラックバイアス分析・展開予想

  • 今週は月曜に2.5ミリの弱い雨が降った以外は好天。火曜から木曜にかけて散水を実施。含水率は4コーナー11.2%、ゴール前8.3%、土曜朝時点のクッション値は9.8。

  • 先週は4コーナー外前からの被せ差しが有効だった。土曜8Rの1着ホウホウプレミア、11R(オーシャンS)の1着ヴェントヴォーチェ、日曜9Rの2着レインフロムヘヴン、11R(弥生賞)の1着タスティエーラはいずれも4コーナーで外前を取っていた。勝ち負けするには早め抜け出しの器用さが必要。

  • ペース想定:平均~やや遅い(60~61秒台)

  • 出走メンバーの殆どが後ろから行く馬で、大外枠に入ったとはいえウインピクシスがハナ主張。アートハウスが楽に2番手につけて他は流動的。前は相当楽出来そう。4コーナーでアートハウスが先頭に立って押し切り態勢。後続は4コーナーまでに詰めておかないと間に合わない。


全頭分析

【-】コトブキテティス

(+)新潟牝馬Sは大外強襲で突っ込み善戦。末脚活かす競馬で一撃。
(-)行き脚皆無で毎回真後ろからの競馬。相手が強いし距離も短い。

【-】クロスマジェスティ

(+)昨年同時期にアネモネSを快勝。スタート悪くなく前付けで妙味。
(-)短期間で使い詰め。近走不振続きは位置取りの悪さと実力不足。

【-】リノキアナ

(+)先行時の成績悪くない。一気に6kgダウンの軽ハンデで大駆けも。
(-)3勝クラスでも勝ち負けに到底及ばないようでは流石に厳しい。

【◎】アートハウス

(+)愛知杯は重馬場スローペースを楽勝。今回も前が手薄で展開向く。
(-)初コースに初距離、57kgの重ハンデ。死角が無い訳でもない。

【△】サトノセシル

(+)小回りコースでの捲り好走実績豊富。ここも早め進出で通用。
(-)詰め甘く勝ち切れないのが難点。要領は良いが実力的には微妙。

【△】シャーレイポピー

(+)中京記念で自ら勝ちに行く胆力見せる。京成杯AHは不利あり。
(-)オープン入り後6戦して掲示板入りも無し。位置取れるか疑問。

【-】エイシンチラー

(+)ここ2走中山で牡馬相手に善戦。今回ゆったりペースで前付け妙味。
(-)前走は内で脚を溜めながら直線差され負け。決め手は物足りない。

【▲】スルーセブンシーズ

(+)中山は6戦して全て3着以内&上がり3位以内。早め進出の脚あり。
(-)中山で負かした相手が弱い。重賞級の相手に通用するかどうか。

【○】クリノプレミアム

(+)中山重賞で3戦連続好走中。行き差し自在で取りこぼし少ない。
(-)昨年は外枠引いて楽に外差しの形。今年は昨年比ハンデ2.5kg増。

【-】ラルナブリラーレ

(+)2戦続けて内前決着で何も出来ず。前がモタつけば貫く脚ある。
(-)展開依存型で自力足りない。今回は流れ緩そうでまた届かずか。

【-】スライリー

(+)昨年は差の無い4着まで追い上げる。東京よりは小回り中山向き。
(-)一昨年のフローラS以降連対無し。たまに大駆けするが足りない。

【-】ストーリア

(+)逆瀬川Sでドーブネと接戦あり。前走完敗も枠が外過ぎて参考外。
(-)ハンデ魅力も下積み足りない。今回も外枠引き後ろに置かれそう。

【-】イリマ

(+)松島特別は4角内から押し上げ直線外差し。小回りコース上手い。
(-)今年2戦はいずれも後ろを付いて回っただけ。重賞では厳しい。

【-】ウインピクシス

(+)ハナ奪って連勝でオープン入り。今回同型不在で行き切って残す。
(-)前走は枠も展開も馬場も全て向く。今回は直後が強力で苦しい。


結論

アートハウスは負けたのがGIとレコード決着のエリカ賞で、このメンバーでは実績断然。その上展開も向くとなれば狙いからは外せない。冒頭のテーマからすると何かに捲り差される可能性はあるものの、負けても2着か3着で直線逆噴射ということは考えにくい。ハンデ57kgは何の足枷にもならず、むしろこれで人気が落ちてくれるなら言うことなし。

クリノプレミアムは中山重賞で好走継続中、中山における捲り差しのスぺシャリストであるM.デムーロ騎手で手堅く勝ち負け。昨年は大外枠から8-10-8-9の通過順で勝ち切った。今回はペースが緩そうなので、京成杯オータムハンデのように前に出してくるかもしれない。必ずしも捲りの馬ではなく、その辺りは機転を利かせたいところ。

スルーセブンシーズを一言で表すと「中山の馬」。何故中山で走るのかといえば「捲りの馬」だから。父ドリームジャーニーも捲りが上手かった(朝日杯FS、小倉記念、朝日チャレンジC、有馬記念など)。但しアートハウス、クリノプレミアムと比べると実績でかなり見劣り、直線でこれら2頭を交わしに行けるほどの力はないとみる。現状上位2頭のズッコケ待ち。

サトノセシルは小回り札幌のクイーンSで2年連続で好走、福島記念も捲り差しで2着と捲り適性高め。勝ち味に遅いのが難点だが、直線の長いコースでも府中牝馬S4着があり、このメンバーに入っても格負け感はない。7歳と高齢のため、データ党が嫌って人気が落ちそう(過去10年、7歳以上馬は【0・0・2・10】)なだけに拾っておきたい。

シャーレイポピーは紫苑Sでスルーセブンシーズにコンマ2秒差、最初のコーナー(2コーナー)で進路が無くなって後退した京成杯オータムハンデでもクリノプレミアムにコンマ2秒差。中京記念では自ら勝ちに行く競馬をしてミスニューヨークとコンマ1秒差。牝馬限定の重賞、前が手薄なここは中団付近が取れれば十分チャンスがある。

◎アートハウス
○クリノプレミアム
▲スルーセブンシーズ
△サトノセシル、シャーレイポピー
馬複◎流し(4点)、3連複◎1頭軸流し(6点)

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