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散文詩景

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2023年7月の記事一覧

【詩】逝くひと、征く者

ちっとも悲しまず なにも惜しまず 群青に吸い込まれたあなたを見送り わたしはようやく彼方へ…

Chiharu
11か月前
7

【詩】あいのめざめ

幻想(ゆめ)の浅瀬で戯れていた手足 思い思いの場所へ旅立っていく 無邪気な笑い声が明け方に…

Chiharu
1年前
6

【詩】ドラマチック

鏡に映る「もしも」の世界を飛び越えて、私がつくったわたしの夢を今日も生きる。 からっぽの…

Chiharu
1年前
16

【詩】さすらい

何者にもならず、何色にも染まらず、気の向くままに生きているように見えても、本当はぬくもり…

Chiharu
1年前
5

【詩】さよならの向こう側

遥か彼方へ続く道 平坦な何もない道 歩いていく 振り向かず 俯かず いつかみた君の頬のよう…

Chiharu
1年前
4

【詩】風鈴

茹だる熱のなか くらむからだ 頸筋に ひとすじ 冷やかな鈴音 境の意識ふるわす 夏のしらべ

Chiharu
1年前
4

【詩】カタストロフィの瞳

燃え盛った狂気がはじめに貫いたのは 憎い仇ではなく、最愛の君だった 私の凶器がどれほど君を苦しめて どれほど絶望させたのか わからない、いや、解りたくない どんなに嘆いても戻ってこない笑顔を 悔やもうとも二度と掬えない歌声を 然るべき場所は送り届けくれ、神よ 君に贈る花束はすべて小川に鎮めた 来世でも、私は君を愛すことを 醜い血に塗れた剣先に誓う 君の瞳に映る私は、しあわせに惚ける 「ただの男」であるだろう 朧げになっているハムレットとオフィーリアのあれそれに寄せて。

【詩】泡にとけぬ

強炭酸水におぼれたい夜だってあるさ 全身を巡るメタルロックが血液と同化 月光に浸された虚無…

Chiharu
1年前
8

【詩】夏の産声

熱されたアスファルトの匂いが簾をくぐりぬけ 蝉のワンマンライブは扇風機に吸い込まれる 泣く…

Chiharu
1年前
3

【詩】うるわしの森

だいすきなクッキーの空き缶に詰めた とくべつなリボンとあの子の手紙 プラスチックの宝石にま…

Chiharu
1年前
7