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東京スカイツリーのコンセプト


東京スカイツリー

 2020年現在、東京スカイツリーを知らないという方は少ないのではないでしょうか。スカイツリーは東武鉄道が所有する、東京都墨田区に立つ高さ634Mの世界一高い(2020年8月1日現在)タワーです。また、人工建造物としても世界2位の高さです。今回はそんなスカイツリーについて話してこうと思います。

展望デッキ

 スカイツリーには2種類の展望デッキがあります。1つ目は350Mに位置する「東京スカイツリー展望デッキ」、2つ目は450Mに位置する「東京スカイツリー展望回廊」です。展望デッキはフロア340, 345, 350の3層に分かれており、フロア340と345にはそれぞれ「スカイツリーカフェ」があり、フロア350には「Sky Restaurant 634」というレストランがあるため、食事を楽しみながらも素晴らしい展望を眺めることができます。


デザインコンセプト

 東京スカイツリーは空に向かって伸びる大きな木をイメージし、大きな木の下に人々が集まり、心を寄せ合う様子を表しています。また、そこからタワーの元に環境にやさしい街が生まれ、世界中の人々が集い、新しい文化が創られる「人に地球にやさしい、豊かなコミュニティ」の形成という願いが込められています。

シルエットは伝統的日本建築などにみられる「そり」や「むくり」が意識され、タワーのしなやかな美しい曲線をつくり、凛とした優美な雰囲気を生み出しています。
また、タワーの足元から頂部にかけて基本構造が三角形から円形に変化させることで、構造上の安定性を確保すると共に、見る角度や場所によって異なった多彩な表情を見ることができます。

*「そり」:上方に対し凹方向に反った曲面のこと
*「むくり」:上方に対し凸方向に反った曲面のこと


634M「むさし」

 634Mという高さを決定する際に、世界一の、そして地域のシンボルであるタワーとして、馴染みやすい数字にしようとしました。

 「634=むさし」は日本人に馴染みのある響きである上に、展望台から見渡せる埼玉、東京、神奈川を含む旧国名「武蔵国」を連想させます。
それを思いながら展望デッキからの景色を眺めると、江戸、東京の東の下町という地域性、歴史性も目に浮かぶのではないでしょうか。


ライティング

  スカイツリーは夜になると、「」「」「」3種類の基本ライティングに加え、その日付に応じた特別ライティングが施されます。
基本ライティングにはそれぞれ江戸で育まれた、「心意気」の粋、「美意識」の雅、「賑わい」の幟という意味が込められ、タワーの立つ下町の歴史文化を表現しています。
また、展望台上部で流星のように回る光は過去と未来を結ぶ時を刻む光を表現し、タワーの頂部を照らす光は、空に向かって逞しく伸びる夢や希望を表現しています。


まとめ

 東京スカイツリーには、デザインやライティング、高さに「過去の伝統や歴史を引き継ぎながら、未来の世界ををより良くする」といったような願いが込められていることが分かるのではないでしょうか。現在、スカイツリーは東京だけでなく、日本のシンボルともいえるでしょう。そんなスカイツリーに込められた願いを叶えるような国、世界を見ることができたらいいですね。


参考文献

サムネイル写真
写真AC
https://www.photo-ac.com/

東京スカイツリー TOKYO SKYTREE
http://www.tokyo-skytree.jp/

東京スカイツリータウン
http://www.tokyo-skytreetown.jp/

むくり(起り)~語源と技術~
http://www.mizusawa-inc.co.jp/blog/2016/07/post-38-1318299.html




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