平成27年司法予備試験論文式試験 商法答案練習

所見ではない
スマホでの打ち込み併せて35分で作成

設問1(1)
429条による損害賠償責任の有無を検討する1.429条の意義
429条は取締役の社会的影響力の大きさから定められた法定責任であり、任務懈怠に対する悪意重過失で良い。ACは以下の任務懈怠が考えられる
2.Aと法令順守責任
①任務懈怠の有無
355条より法令順守責任が定められてる所、食品衛生法に反するDへの再利用指示は該当するか。
法令の意義が問題となる。
取締役の法令順守義務は社会的影響力の大きさから、会社を名宛て人とし、業務の執行において関わる法令全般を指すと考える。
今回、X者を名宛人とし、事業に関わる食品製造過程における違反であるから、法令の要件を満たす。よってAの任務懈怠が認められる
②悪意重過失、因果関係の有無
Cは弁当製造本部長として専門科目たる立場にあるから食品衛生法に詳しいと考えられる。その上で再利用を積極的に配下に指示してるから悪意が認められる。また操業停止による資金不足や損害賠償請求は再利用指示による食中毒が原因であり因果関係も認められる。
③結論
Cに対す429条責任が認められる

3.Aと監視義務違反
①任務懈怠の有無
362条より他の取締役への監視義務が定められてる所、AはCの再利用指示を知りつつ注意を述べるだけであり、監視義務に反すると考える
②悪意重過失、因果関係の有無
この点、専門家である本部長の指示であるから重過失が否定されるとも考える。しかし、Aは代表取締役であるから業務全般を監督する責任がある。また再利用指示による食中毒発生の危険性は素人判断でも容易に想像できる。そのため重過失が認められる。また、監視を怠らなければ再利用を防止でき食中毒発生も避けられたから、資金不足や損害賠償責任との因果関係も認められる。
③結論
Aに対する429条責任が認められる
4.まとめ
両者とも損害賠償責任を負う。
※直接責任であるからこの点も問題ない

設問1(2)
株主に対する429条責任が認められるか。株主は食中毒事件の直接被害ではなく、株式市場の無価値化による間接的被害のところ、問題となる。
1.429条の意義
429条は直接だけでなく間接責任も含まれる。もっとも、株式無価値化による損害は別途423条により追求可能である。むしろ、取締役に二重の応訴負担をかけることにもなる。
以上より、Bに対する責任は負わないと考える
※株主も第三者に含まれるのでこの点は問題ない
2.結論
ACは損害賠償責任を負わない

設問2
1.前提
Eらの請求権はX社に対する物で原則的にYしゃは負わない。しかし、事業譲渡467条しつつ甲荘を継続使用料してるから、商号継続責任22条1項を負わないか問題となる。
2.類推適用の可否(商号の意義)
22条1項の要件に沿うと、Yは譲受会社であり充足する。もっとも、甲荘は商号ではないから、この点は充足しない。しかし類推適用はどうか。
本条の趣旨は同一経営主体と信じた債務者の保護である。そのため、商号に限らず事業の名称も、誤認を惹起するものであれば類推適用が容認される。
今回、ホテルの名前である甲荘は、商号より利用者と触れる機会が多いものであり、誤認の恐れは高い。より、類推適用が認められる。
3.事業の意義
Y社が引き継いだのはホテル事業のところ、本件債務は弁当事業から生じたものである。原則に該当しないとも考えられる。この点、恣意的な事業譲渡により被害を回避するのは信義に反する。しかし、継続責任の趣旨は誤認した債務者の保護だから、事業が異なると誤認は発生しない。より該当しない。
4.まとめ
22条の類推適用はできず、Y社は責任を負わない
以上

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