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とつきとおか

自分の中にまだ、とてもプリミティブな感覚があるとして、それをMaxにしたいと願うとき、どこをどのように力めばいいのか?そもそも、なにも力む必要もないのか?迷いながらも、下手でも、上手いでもない、嘘と誠の境目辺りを狙う。そんなノリで作くられた、このふたつの膨らみのある箱はその感覚や方向性を確認すために、こんな滑稽な形をしている。

中は空。この箱の中に36.5℃の海水を入れて待つこと、とつきとおか。へその辺りに微かに残る記憶はぼんやりとして頼りない。晒しにたっぷりとオイルを染み込ませ、ふたつの膨らみに擦り付ける。鈍い光沢がぼんやりとした記憶と結び付き、少しだけ進む方向を示した。光が漏れいる、これがおしるしか。これまで入ることのできなかった場の入り口がここにある。素材に触れている指先が温かくなり、小刀の先端にまで意識と熱が伝わっているのがわかった。

ことばのあそび。この箱にちりばめることばのトッピング。彫っては綴り、綴っては彫る、その蓋が開けられてしまうまで。

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