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小学校教員のリアル

 新型コロナウイルスの影響により、全国の公立小中学校に休校の要請が出されて一週間とちょっと。ウイルスの状況は改善せず、学校のみならず日本中、世界中に様々な問題が生じております。学校が休校になってからはよく「先生も休みでしょ?」と聞かれることがありますが、毎日出勤しております。今回は小学校現場のリアルと、今の心境(メキシコに対するモチベーションなど)を書いていこうと思います。

要請から休校まで

 2月27日18時ごろ、その日退勤したはずの先生から「ちょっとテレビ見て!」と学校に電話が入りました。なんだなんだ?と職員室にいた20人くらいの先生たちで見てみると、「全国小中学校の休校を要請」との報道が。すでに校長は退勤し、今日はなにも動けないし、そもそもこの段階での情報量は保護者と同じ。明日なんらかの動きがあるのだろうとその日は退勤しました。

 翌日、朝から職員会議の後に学年主任の会議があり(そんな日に限って、ずっと前から予定されていた人間ドックで主任は休み)、「県からも市からも通達が来ていない状況だが、今日の昼までには来る予定。おそらく今日(28日金曜日)が最後で休校に入りそうだから、最悪を想定して今日できることをやってください」とのことでした。あと一か月あるはずだったから、各クラス慌ててテストをしたり、大荷物を持ち帰らせる準備をしたり、プリント配ったりしました。ただでさえ少ない3学期で、ほとんと成績を取れておらず、これが最後の日になってしまっては成績が付けられない!とテストを実施したわけですが(多いクラスは4/5時間やったらしい)、この期に及んで成績はもういいんじゃないかと思い、我がクラスは焦る様子もなく優雅に授業をやって、一時間はドッチボールをしました。盛り上がった。
 給食後に通達があり、予定通り月曜日から休校となりましたが、本校は月曜日に3時間の登校日を設け、翌火曜日から事実上の休校ということになりました。この判断に「だったら今日慌ててやらなかったのに!」と教員間からは不満の声も。でもしょうがないですよね。誰にとっても緊急事態なんだし。
 その日の放課後は、「休校中に未履修分を家庭学習で補うための課題を出すことが望ましい」とのことで、課題作ったり、学期末に出す予定だった通知の準備したり、壁に貼ってある図工の作品をはがしたりなど、久しぶりに長時間残業をしました。

休校から今日まで

 月曜日の登校日は、休校の説明したりプリントを配ったりであっという間に終わりました。火曜日から休校となりましたが、突然のことで保護者も子どもをどこにも預けることができず、仕事もあるため大変なようです。他の学校も同様の対応をしているところがあるようですが、本校は1,2,3年生のどうしても預けるところがない子どもだけは学校で預かることに。50/300人くらいを毎日預かっています。とはいえ、授業ができるわけでもなく、低学年の子どもが8時から14時まで自習ができるわけもないので、2時間は勉強(学校から出た課題やチャレンジなどお家にある教材で)、2時間は生活科(DVD鑑賞、学校のお手伝い、掃除など)、1時間は図書室で読書、といった感じで毎日過ごしています。
 おそらく学校に来ていない子たちは、兄弟でお留守番しているか、毎日おばあちゃんの家に預けられているかで、相当退屈な毎日を過ごしているのだと思います。学校から出た課題も、せいぜい3時間くらい集中してやれば終わってしまうようなものだったので、いよいよ今週からは爆発する子どもも出てくるはず。一方学校で預かっている子たちは、毎日昼休みに遊べるし(若い先生も慣れないデスクワークで退屈なので、ここぞとばかりに遊びまくる)、DVD見れるし(水曜日は鬼滅の刃)、先生は怒らないし、毎日お弁当食べられるし、緊急措置のはずなのに、なんだか学校で預かっている子たちの方が得しているような感じです。そもそも感染防止で学校来させなくしたのにいいんかいって思ってます。教員を密閉された職員室で仕事させておいていいんかいとも思ってます。

休校で感じたこと・やろうとしていること

 こんな感じで、休校中も教員は出勤しています。ネットニュースで「休校になっても教員は忙しい」みたいな記事を見かけましたが、自分はそうは思いません。今やることといえば、預かり児童の対応ですが、各学年15人くらいしかおらず、授業も児童指導も当然ないので、日々の業務の1/5くらいのパワーで足ります。成績もつけなきゃ、年度末の書類をまとめなきゃ、とやることはありますが、これは本来、普段通りに子どもたちが来て学校生活を送りながらやっていくものであり、それを前倒しで作らなきゃいけなくなったとはいえ、朝から晩まで書類作成ができるので、むしろ負担は軽減されています。むしろその分、本来この仕事をやるべきだった年度末はなにしたらいいの?って感じです。子ども対応も、15人だし、4,5,6年担任やその他手の空いている先生もたくさんいるので、僕は実質一日一時間くらいしかやりません。

 なのに、職員室の先生はいつも慌ただしく働いてるし、相変わらず毎日3時間くらいサービス残業をしています。すごい人は休日出勤もしているそう。なぜか。

 これはずばり、教員の体質です。教員はよく「同一歩調」という言葉を使います。子どもに対する考えや対応の仕方、授業の進み方など足並み揃えていきましょうということですが、これが謎の忙しさの原因だと思います。こういう時こそ有休を使えばいいし、時間休みももらえばいいのに(教員は有休を使うタイミングがほとんどなく、みんな毎年20日分捨ててます。)「みんな働いてるしなあ・・・」「自分だけ先帰っちゃうのもなあ・・・」という雰囲気があります。上司より先に帰るのは失礼、みたいな雰囲気もあります。なので、僕は世間知らずのあほのふりをして、時間給、有給もらいまくっています。(もちろん人に迷惑をかけない範囲で。)教員の働き方について、言いたいことがたくさんあるので、また別の機会に書きたいと思っていますが、とにかくこういう体質があります。これが嫌で僕は教員を辞めます。これは辞める理由の60%くらいだと思います。

 それはさておき、少なからず普段の生活よりは自由な時間が増えました。この時間をどう使っていこうかと考えています。考えてないで行動すべきなのですが、せっかくなのでゆっくりしようと思っています。今回のことで、肉体的にもそうですが、精神的にも、あと一か月で子どもたちとどんなことをしてどういうお別れをしようかと考えていた矢先のことだったので、少し疲れてしまいました。
 休んだところで、スペイン語をやっていこうと思います。日墨GPの書類の結果が3月下旬ごろに分かり、最終結果は5月ごろになるとのこと、それまでずっと待っているのももったいないので、受かったことを前提に行動していこうと思っています。協力隊で派遣される前、「2年もあればスペイン語なんて余裕で覚えられるでしょ」と高を括って飲んだくれていましたが、任期が短くなったこともあり、実際は目標としているところまでは届きませんでした。(その原因の大半は力不足とさぼり・・・)今回も急に発生したコロナのように、何が起こるかわからないしいつ終わるかもわからない(そもそも、現時点で入国させてくれるのかどうかも)ので、入念に準備していこうと思っています。
 とはいえ、物の準備は後にするとして、他の準備はスペイン語だけでいいのだろうか。お金の準備、日墨GP終わった後の準備、それから面接の準備もしなければいけません。うかうか休んでいる暇はないですね。
(日墨GP関係者の方やメキシコ在住、渡航歴のある方で、なにか準備しておいた方がいいことがあれば教えてください。)

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