#恋愛
映画『ひらいて』。原作は綿矢りさ。
憧れの彼には秘密の恋人がいた。距離を縮めた二人の女子高生は未知の性愛の扉をひらく。
性的興味や好奇心などではない。男である自分には決して叶えられない、甘く濃密な美と官能に浸る少女たちに対する狂おしいほど真っ直ぐな羨望が、私の胸を締めつけた。
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ(石川啄木『一握の砂』所収)中学で出会った歌。異性との接点が全くない男子校。恋愛もセックスも夢の世界の出来事だった。思春期の鬱屈を晴らす光を文学に求めつつ、きっとこんな気持ちを分かってくれる女性と恋がしたいと憧れていた。