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日々の短文

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2023年2月の記事一覧

三島由紀夫の『仮面の告白』。書店で懐かしく手に取ったら、版が改まると共に書体も大きく変わっていて驚きました。明朝体?骨太でがっちりとした活字。

青年三島の鋭敏な感受性が実に素直に表された、この繊細な物語が、まるでトーマス・マンのような、全く別の作品に見えてしまいました。

今日は雪が降りました。皆さんご無事でしたか?

私は雪の日生まれなのですが、寒さはとても苦手です。環境の変化に何とか適応しようと体が必死になっているのを感じるにつけ、自分もまた自然の一部なのだと実感します。

こんな日は特に温もりが恋しくなりますね。身も心も。

皆に幸あれ。

『探偵ロマンス』は楽しむことができたドラマでした。今回の脚本においては、最終的に明確な「悪」として描かれた要素ですが、第三話の、お百と初之助がそれぞれ住良木に心を奪われてゆく場面は特に印象に残りました。これまで縁のなかった乱歩の小説を読んでみたい気持ちに、今は少しなっています。

映画『グラン・トリノ』と『小説家を見つけたら』。過去の痛手から心を閉ざした大人が、若者との交流を通じて自分を取戻してゆく物語。たとえ独り寂しく生きても、こんなすてきな友情に恵まれることがあるなら…。愛する者を再び得た彼らが、死に臨んで痛感したに違いない、救いと幸福の大きさを思う。