気候変動を理解する

地球温暖化という言葉は、近年日本のみならず世界中で騒がれている1大テーマとなってます。

そもそも地球誕生からの超広義の意味でいうと温暖化とは、その前後の時代と比べて暖かいかどうかで決定するので、(気圧と似ていますね)、地球は誕生以来寒冷化と温暖化の振動を繰り返しています。

今日騒がれている温暖化とはいわゆる「人為的温暖化(human-caused global warming)」のことで、これが起こっていることはもう紛れもない事実と捉えて間違いありません。

しかしその一方で、気候というものは考慮すべき要因やノイズが多く、いくら正確なスーパーコンピュータを使っても現状では

どの程度、人為的なCO2濃度上昇が地球や生態系に悪影響を及ぼすのか(短期、長期ともに)

というのは、複雑すぎて断言することは出来ないんですよね。

それに、あまり専門的な知識を伴わない、初等教育理科系指導者による(いわゆる理科の先生です。先生の仕事は楽しさや一般的な知識を子供に与えることなので、その人たちが気候や環境のプロであるとは思いません)誤解の多い単純化しすぎた説明(たとえば、「オゾン層に穴が空いて、太陽からの紫外線が直接入ってきて、皮膚がんになる!」とか、「森林伐採で光合成量が減って、CO2の上昇とO2の減少が起きてる!」などです)

や、

環境保護団体やヴィーガンといった方々のデモに近い活動

それを拾い拡散するメディアやネット

といったことが原因で

「よく知らないけど我々の経済活動が地球を持続不可能に追い込んでる」「人間は環境の敵だ」というイメージが自然に植え付けられている気がします。

それでいてさらに、日本では、現状ダントツでクリーンエネルギーを生み出す装置である原子力発電を、根拠もない放射線による土壌・海洋汚染や、過去に1度、原発それ自体ではなく人間の対策ミスで生じた福島第一原発事故を理由に反対する傾向があります(これを書いている今も、東海第二原発の運転差し止め判決の速報が入ってきました。)

これら一連の傾向は、1大学生からみてもかなり近視眼的で、結果として「ソーラーパネル信者」、「レジ袋やプラスティックストロー廃止」「ヴィーガンしか勝たん」

的なツッコミどころのある結論に至ってるなぁと思わざるを得ません。

それらを解決するには、もちろん幅広い科学分野への知識が欠かせないのですが、それに加えて「古気候学(昔の気候を知り、そこから現在とこれからの気候の傾向や対策などを考える学問)」の重要性もますます高まっています。

こういうと、これまでSNSで保護活動的な事をしていた人たちも、「そこまでしたくない」と思っちゃうわけです(分かります)

なので、一冊だけ!包括的な気候システムと歴史的な循環・振動を科学の目からのみ解説して一冊にまとまった良書を紹介します。

「気候変動を理学する/多田隆治」という本です。

講義形式で、グラフを使いながら、かなり広い意味での気候変動について解説されています。

多少数式は出てきますが、専門の人じゃなくても理解できる程度のものです。

理学する

なんて言われると文系の方は身構えちゃうかもしれないですが、会話調の文体と分かりやすい解説で構成されているので、思っている以上に読みやすく、古気候学という学問に興味を持つ一冊になるんじゃないかなと思います

是非読んで感想をくれると嬉しいです。(僕の本じゃありません)

気候変動を理学する【新装版】 https://www.amazon.co.jp/dp/4622086727/ref=cm_sw_r_cp_api_i_NYSD163F3Y9EMJBX74NT

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