日本の台風は増えている?

はい。今回はこれについて考察していきます。

近年、温暖化が話題になるにつれて「台風が増えてる」なんてニュースを耳にする機会が増えました。

今年もそろそろ聞けると思います。

ここで、「そうなんだ!やばいね!」

で終わらせず、しっかりとデータを観て判断出来るようになりましょう。

台風は増えている?

まずは日本の気象庁が発表している毎年の台風の数を見てみます。

出典: 気象庁(https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/generation/generation.html)

はい。見にくいと思うので解説しますが、

結論から言うと台風は増えていません

戦後間も無くの、まだ環境問題が政治の交渉材料としての立場を得る前の時代から今に至るまでで、年間35回以上の台風が来た年は

1966, 1967, 1971, 1994

です。
1994年以降に関しては、なんと30回を超えた年は1回だけ。

つまり、「年々増えてる」
は、気のせいです。

こういうと決まって、「威力が強くなってるんだ!」

と言う輩がいますので、次は威力問題ついて見ていきます。

台風は強くなっている?

まず、威力の定義としては、

上陸時のhpaを採用します。

被害総額や死者数にしてしまうと、インフラや家屋の強度が今ほど整備されていない昔に起きた台風や、人が多い集落を襲った台風が上に来てしまい厳密ではないので。

hpaだと、台風のそのものの強さを測れます。

結果がこちら

出典: 気象庁(https://www.data.jma.go.jp/fcd/yoho/typhoon/statistics/ranking/air_pressure.html)

なんと全て20世紀。

台風は強くなっていないんです。

ただ、当時より今の方が情報が隅々まで映像や被害者の声とともに各地に行き渡りやすいので、そういうイメージがついただけなんです!

ただし留意したいことがいくつかあります。

まず、台風は基本的に水蒸気をエネルギー源とするので、海水温が上がると基本的に台風は強くなりやすいと考えられています。(だから発生源はフィリピンの下の方の温かい海が多いよ)

なので、温暖化やESNOなどが台風の勢力と関連のあるという線を否定する事は出来ません。(現状、統計的に有意ではないだけの可能性があると言う事)

なので大事なのは、「台風を防ぐためにCO2を減らそう!」ではなく、

「台風がきても被害が起きないように治水、インフラ(情報網含む)整備をしよう!」

だと思います。

台風接近時は気圧が不安定で、天気予報で伝え聞いていたよりも威力が強く上陸したり、水位の膨張による氾濫や人工物・自然物の飛散がありますのでくれぐれも気をつけてstay homeしましょう。

参考文献

台風についてわかっていることいないこと
(https://www.amazon.co.jp/dp/B07P9TTTMC/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_9F4HWN5E4A2Y2XY6S2V8)

一般気象学
(https://www.amazon.co.jp/dp/4130627252/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_EDKXA50M9AT3QAXRRJR0)

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