見出し画像

[MHR:S]ランスの紹介、使い方まとめ(1):紹介編

はじめに

 今回はランスの使い方全般について整理しようと思う。僕自身ランスを使い始めたのは去年の5月ごろだったのだが(当時はアイスボーンをプレイ中だった)、どのように使うのかがよくわからず進めていたところがある。そこで、各モーションの特徴やスキル構成、基本的な戦術の考え方を示したいと思う。また、ランスをより多くの人に使ってほしいので、ランスとはいかなる武器なのか、その魅力についても語っていきたい。
 そこで、①ランスという武器はどのような武器か、いかなる面白みがあるのかを紹介し、次にランスの使い方として②基本的なモーションの特徴、③ランスのスキル構成について、④戦闘の際の考え方や基本的な戦術を説明できればと思う。紙面の都合上、今回は①の紹介のみを、次回以降は②~④を説明する予定である。

本記事の位置づけ~本編に入る前に~

 紹介編と使い方編はかなり雰囲気の違う記事になる予定である。ので、両者を連続して扱うよりは並列した方がいいように感じる。今回はランスの概説を紹介しつつ、僕の思う面白みを語りつくす、主観的な記事になるのに対し、次回以降は実践論を淡々と仕上げる予定である。お好みに合わせて一方、または両方を読んでいただくのがいいと思われる。いずれにせよ、ランスについて知っていただき、魅力を感じていただければ、幸いである。

1 ランスの面白さとは?

ランスという武器

 ランスという武器を一文で表現しろと言われたら、「高い防御性能を活かしてふつうは攻撃できないタイミングでも攻撃を続け、弱点を突き続けて継続的にダメージを与えていく武器」と答えるだろうか。ランスは全武器中でも防御性能が高いので、慣れさえすればかなり安全に戦える武器だと思う。

不人気武器・ランス

 しかし一方で、ランスの人気は高くないのが事実である。最近で一番有名な話は、モンハン部の公開した「カムラの里 狩猟検分帖」の第一回において公開された人気武器ランキングで最下位をとったことであろう。アイスボーンで最下位争いをしていた狩猟笛が使い勝手の良さから順位を上げ、取り残されてしまった感がある(もっとも、これは2021年6月のデータであるから、サンブレイクでの修正を経て使用率が変わっている可能性もあるが)。
 その原因はどこにあるのか。推測で申し訳ないが、ランスに対して次のような印象を持たれているからであろうか。

  • 派手な技がない

  • 微妙に使いづらい。

  • それにも関わらず、火力が出ない。

  • 類似武器のガンランスがランスに砲撃をつけたものだから、ランスはその下位互換なのではないか。

 なるほど、まったくその通りだ(笑)。ランスのモーションは全体的に地味だし、移動速度は大剣と同様の最遅だ。ランスは一応手数武器なので一撃あたりのモーションが低いのは仕方ないが、それでもモーション値100を超える技は少ない(単発ではない)。さらにガンランスとキャラ被りしているうえに、あっちの方が浪漫がある。
 しかし、それぞれに対し、僕は以下のような反論をしたい。

  • ランスの面白さは派手な技を持つところではない。別にある。

  • 確かにそのとおりであるが、ランスのモーションを理解すれば克服できる

  • ランスの火力はモーション値だけではわからない。

  • ランスはガンランスとはかなり異なった武器である。

 結局、ひとつめの反論を除けば、ランスという武器に対する理解が浸透してないというのが僕の持論である。この記事では、二点目は「使い方編」で、三点目と四点目はこの記事で、ランスとはいかなる武器か、少しでも理解して頂けると幸いである。
 問題は一点目である(三点目も若干かぶってくるが)。ランスについて詳しく知られていないのはランスが「地味」な武器だから使う動機がない、ということにもあると思われる。確かに派手な技がないのはランスの一番の弱みである。認めざるを得ない。しかし、後述する通り、僕はランスの面白みは別のところ…つまり戦術性にあると考える。これがなかなか厄介で、わかりづらい面白さなのだ。目ではっきり見えるものではなく、やってみなければわからない面白さなのだ。


 この記事では、この「面白さ」を、僕の思う限りで、なるべく咀嚼してみたいと思う。このわかりづらい「面白さ」を様々な観点から説明していくこと、それが紹介編・使い方編通してのテーマである。この記事を読んで、少しでもランスに魅力を感じていただけると、僕としてはこれ以上に嬉しいことはない。

紹介編の構成

この記事では以上の問題意識のうち、次の四点を中心にランスの紹介をしたい。

  1. ランスの特徴である防御性能の高さ

  2. ランスの火力面について

  3. ランスの面白さ(戦略面)について

  4. ガンランスとの違い

この四点について説明し、ランスに対する理解を深めていただき、偏見を払拭できたらと思う。
記事が長くなってしまったので、目次を参照しつつ、気になるところを適宜つまみ食いする感覚で見て頂けるのがちょうどいいかと思われる。もちろん通しで見て頂いても大丈夫である。

2 超防御性能武器・ランス

 ランスといえば全武器種随一の防御性能がウリである。全武器種のなかで一番のガード性能を持つことがその大きな要因であるが、なにもガードだけではない。ここではガードについての説明をしつつ、もうひとつの防御方法であるステップにも触れておきたい。

(1)ガードすることのメリット

 はじめに、モンハンにおいて一番抑えたいのは被弾と乙である。被弾すればダメージを受けるし、乙ればキャンプからやり直しである。単に失敗のリスクが高まるだけでなく、回復やキャンプからの移動の時間を無駄に浪費しDPSの低下にも繋がる。そこで、いかにモンスターの攻撃を避けるか、被弾リスクを抑えるのは永遠の課題である。その方法としては基本的には回避があるわけだが、ガードという方法もある。ランスはそのなかでもガードの専門家である。
 ガードの利点はなにか。列挙すれば以下の通りである。

  • のけぞらなければ被弾をゼロにできる

  • フレーム回避と異なり、フレームとの戦いをする必要がない

  • 一度ガードに成功すれば、攻撃判定をなかったことにできる

  • モンスターの面前で攻撃を抑えられ、すぐに反撃ができる

 上2つは要するにフレーム回避をするより安全に攻撃を対処できるということである。とにかく盾を構えれば攻撃を防ぐことができる。
 3つ目は若干わかりづらいので詳しく説明する。モンスターのなかには攻撃時間が長いモーションを持つモンスターがいる。回避の場合、フレーム回避時間以内に攻撃判定から抜け出さなければ攻撃判定に触れることになるため、被弾する。これに対しガードの場合、一度ガードをすればそれ以降改めてガードをする必要はない。
 例えば、赤熱化しているアンジャナフは一方向に数秒火炎放射をする攻撃があるが、回避の場合火炎放射から抜けなければ被弾する。火炎放射に対し垂直方向にかわせばいいが、平行方向にかわすのはもってのほかである。一方ガードの場合、一度ガードをすればそれで十分である。なので、火炎放射のなかで攻撃をしているという絵面ができる。
 最後のものはガードの利点から得た結果である。防御こそ最大の攻撃である。

(2)ランスでガードすることのメリット

 それではガードできれば他の武器でもいいのでは、と思われそうだが、そうでもない。つまり、

  • ガードはスタミナを消費する

  • ガード武器のなかでもガード性能の差は様々である

  • ガード性能が低いとガードで消費するスタミナが大きくなる上、ダメージを受けることになる。さらに、のけぞることで隙をさらすことになる

 回避でスタミナを消費するのと同様に、ガードもスタミナを消費する。そして、そのスタミナ消費量はモンスターのモーションと武器のガード性能に依存する。モンスターのモーション値が高ければ消費するスタミナが大きくなる。
 そして、モンスターのモーション値が高ければダメージやのけぞりも生じる。おおまかにいえば、

  • 武器のガード性能≧モンスターのモーション値:ダメージ0

  • 武器のガード性能<モンスターのモーション値:ダメージ+のけぞり

ということになる。結局のところ、ガード武器においてはガード性能の高さが重要になる。
 そして武器のガード性能の高さは武器によってまちまちである。スキル「ガード性能」によっていかなる武器もガード性能を上げることができるが、やはり素のガード性能の高い武器の方が多くのモンスターの攻撃を安全に被弾を抑え、攻撃を継続できる。そしてランスは全武器種の中でガード性能が一番高いので、もっとも安全に攻撃を対処できる武器といえよう。


 ここまでガード性能の高さについて説明したが、ランスが最強のガード武器である所以はそれだけではない。
 まず、ランスのガード範囲は270度なので、後ろからの攻撃を除いてすべてガードできる。これはランスとガンランスの特権である。
 そして、ランスは多彩なガード複合モーションを有する。これらは攻撃の間に容易にガードを挟める。これについては以下でも随所で説明する。また、これらのモーションは若干のガード性能向上効果がある。いわゆる「ガードポイント」と呼ばれるやつである。ガードポイントといえばチャアクのそれが有名であるが、チャアクに限らずガード武器のモーションにはガード性能を向上させるモーションがあり、ランスも例外ではない(これを広義のGPとでも呼んでおこう)。


 これらを総括すれば、ランスでガードをするメリットは以下三点である。

  • 素のガード性能が高く、多くの攻撃を低スタミナ・ダメージ0・のけぞりなしで防げる

  • ガード範囲が広く、後ろからの攻撃を除きガード可能である

  • 多彩なガードモーションによって攻撃を継続し、かつ防御性能を更に高める

(3)ガード以外のランスの防御方法

 ここまでランスがガード性能が高いことを説明したが、限界もある。つまり、

  • ガード不能攻撃がある

  • 連続攻撃を食らうとスタミナを余計に食い、ガードするためのスタミナが足りなくなる

  • ランスだってのけぞる攻撃はある!

 モンハンの攻撃のなかにはガードができないものがある。これらは2通りに分けられ、①ガード強化をつければ防げるものと②ガード強化をつけても防げないものである。①については主にガス攻撃やビーム攻撃があげられる。ラージャンの気光ブレスが一番有名である。あんなものガードできてたまるか。そして②については(超大型)古龍の必殺技が該当する。特殊バルファルクの奇襲、ナルハタタヒメやガイアデルムの大技がそれにあたる。①に関してはガード強化をつければ対策できるが、ダメージを完全には防げない。②に関してはどうしようもない。逃げるのが先決である。
 後者二点はガードできても生じる問題である。これを対処するには判定から避ける方が最善手であることも多い。問題はその方法である。

  • ランスは鈍足なので、抜刀して逃げることは現実的でない

  • 納刀して逃げるにも、ランスの納刀速度は遅めなので間に合わないこともある

 ランスが使いにくいと呼ばれる所以である。突進という手もあるが、これもスタミナを消費するので本末転倒である。
 そこで、この弱点を克服する方法として、ランサー達はステップを活用するということを思いついた。つまり、

  • 判定が短い+のけぞる攻撃はステップでフレーム回避した方がコスパがいいし、即突きで反撃できる

  • ステップを何度も入力すれば結構な距離を移動でき、判定から逃れられる

  • 回避距離UPを用いれば、余裕もって回避可能+少ないスタミナ消費で長距離移動ができる

このようにして、ガードに依存しない「回避ランス」と呼ばれる戦法が生み出された。これは戦術のひとつであるが、ランスはガードだけでなく回避も活用できることを示している。ランスはガード一辺倒ではなく、回避することができるのは気に留めてほしい。

3 火力面におけるランスの魅力

ランスの火力は低い?

 はじめにランスは「継続的にダメージを与える武器」だと説明したが、ランスはド派手な高火力技がないし、一発一発のモーション値が低いとも言われる。確かに大剣の真溜めや太刀の気刃解放のような技はない。ランスのモーション値を見渡せば、最大火力は流転突きや昇天突きといった鉄蟲糸技である。流転・昇天はライズ専用仕様であるので、これらのなかったMHW:Iでの最大火力は突進フィニッシュである(モーション値70)。確かに低い。サンブレイク発売時のアップデート(ver.10)で全体的なモーション値が底上げされ、ある程度は解消されたが、それでも他武器と比べれば一撃一撃の火力の低さは否定できないであろう。
 しかし、このことはランスという武器が火力が出ない武器であるとは必ずしも意味しない。ランスのモーション値の低さは高い防御性能の代償であるともいえるが、だからといって「継続的に攻める」戦法が一撃型に劣るわけではない。ここでは二点ほど火力に関してランスに特有な点を述べておきたい。

(1)ランスは弱点を突きやすい

 ランスはリーチが長いので、かなり高い位置の弱点に届く。また、モーションによって攻撃する高さを調節することができるため、弱点の位置に対して柔軟に対応できる。例えば、低い位置には中段突き、高い位置には上段突き、転倒後には溜め薙ぎ払いや飛び込み突き、といったように。これはモーション値の高いものも同様である。このように、モーションの特徴を押さえれば弱点の位置によってかなり柔軟に調整が利くのも魅力である。
 ひとつ例を挙げよう。ジンオウガの頭は高い位置にある上にとても小さな部位なので狙いづらい。だからといってジンオウガの弱点(肉質45以上)は頭か後脚であり、その後脚の肉質は弱特ギリギリの45であるため、ダメージを稼ぐとなると頭を殴るのが一番効率がいいことになる。これは超帯電状態になった後もほぼ同様である。ランスの場合、目の前で上段突きをするとちょうど頭に攻撃が可能である。ジンオウガの武器である前脚での攻撃をジャスガでいなせば、その後の十字払いを全て当てるのも現実的である。転倒すれば頭部は地面に接するわけだが、溜め薙ぎ払い又は飛び込み突きでラッシュをかけられる。要するに、ランスにとってジンオウガの頭を突き続けるのはそこまで苦ではないのだ。
 このことは、ランスは弱点特攻との相性がいいということである。ランスは弱点を突きやすいので、無条件で会心率+50%(レベル3)を達成できる時間は長くなる。そうすると、狩猟全体の会心率の平均は高めに推移することになる。

(2)ランスは攻撃の手を緩めない

 繰り返しになるが、ランスはガードを駆使し、被弾を抑えて攻撃を続ける武器である。全体的な火力の低下のうちいちばん大きい要因は、被弾と力尽きることだが、ランスは防御性能が随一であるから、被弾や乙のリスクを抑えられる。ガードやステップを柔軟に使い分け、被弾を抑えつつ戦う。一撃一撃のモーション値が低めだろうと被弾を抑えて攻撃を続ける、それだけで全体的な火力は向上するのだ。
 加えて、ランスは攻防一体のモーションが多い。これらがGPとして防御性能を上げるのは前述の通りだが、加えてこれらのモーションはコンボを阻害することが少ない。例えば、カウンター突きは発動後必ず突きに派生できるし、カウンター突き自体突きのコンボの中に柔軟に取り入れられる。アンカーレイジも同様で、硬直時間こそ長いが、突きや薙ぎ払い、突進系に繋げられるのは変わりない。
 そして、これらのカウンター技は攻めの守勢のトリガーとなる。カウンター技を決めることはこちらの隙を減らすだけでなく、攻めの守勢の発動時間を増やすことにも繋がる。怒涛の攻撃をいなし続ければ攻撃力常時1.15倍(レベル3)ということも現実的になる。
 このように、ランスは攻撃と防御を柔軟に両立でき、更なるコンボを重ねて火力を稼ぐ武器である。被弾リスクを抑えられること、そして攻撃が途切れず続くこと、それだけで狩猟時間当たりの攻撃に用いている時間の割合は大きくなる。防御こそ最大の攻撃、というのがランスの流儀だ。

まとめ

 以上をまとめれば、このようになるだろう。すなわち、

  • 弱点を突きやすいことによる火力向上+会心率上昇(一撃の質の面)

  • 被弾を抑え、コンボを繋ぎ、攻撃の手を緩めないこと(攻撃の量の面)

 このことを考慮すれば、総合的な火力は割と馬鹿にならないことがわかるであろう。結局のところ、ランスの火力は単純なモーション値比較では判断できず、実戦を踏まえた考慮を働かせなければランスの火力は語れない。このようにみれば決して他武器に劣る火力とはいえないだろう。いかに強力なモーションでも弱点に当てなければ意味はない。ランスはガードで被弾を抑えつつ、「弱点に当てる」ということを容易にクリアできる。その意味でランスは堅実な武器であるといえよう。


4 戦略面におけるランスの魅力

ランス最大の面白みとは?

 はじめに言っておきたいことだが、ランスの面白さは武器やモーションの派手さではない。モーション自体が地味なのはどうしようもない事実である。しかし、ランスの最大の魅力はモーションにあるのではないと僕は考える。むしろ地味なモーションだからこそ、これらを駆使して一対一対応でモンスターの攻撃に対処する、そんな戦略性に面白みがあるのだ。
 戦略性がある、というのはどういうことか。このことをモンスターとハンターの関係性という二方向のベクトルから考察すれば、次の二つのことを指摘できるか(ここでは便宜としてモンスターを「M」、ハンターを「H」と表現してベクトル方向を表現したい)。

  1. モンスターの攻撃を観察しやすいので、動きの理解が深まる(M→H)

  2. モンスターの動きに対処する方法・対抗策を練られる(H→M)

以下では、この二点について掘り下げていきたい。

(1)モンスターをとことん観察できる

 孫子の兵法にはこのような一説がある。「彼を知り己を知れば百戦危うからず」と。古来より戦闘においては、自分を知り、相手を知ることが重要である、と考えられている。モンハンにおいても同様で、狩猟において大事なことのひとつは「相手を知ること」である。そのなかでランスは一番適性があると思う。というのも、ランスは様々な要因からモンスターに意識を向けやすいからである。
 まず第一に、ランスは管理するものが少ない。ランスを装備すればわかることだが、ランスに特殊ギミックはない。ビンだとか弾だとかオーラだとか、そんなものはない。あるのは体力ゲージとスタミナゲージのみ。唯一あるとすればスタミナ管理があるが、弓ほど気に病む必要もない。ガード性能の高さゆえにガードによるスタミナ消費も控え目であり、スタミナ消費の大きい大技にのみ注視すればよい。結局管理すべきものが少なく、頭を悩ます必要もない。
 第二に、ランスのモーションは単純かつ簡単ということである。攻撃に複雑な入力は必要ない。慣れてしまえば攻撃に使う頭のリソースをかなり減らせる。
 第三に、ランスの防御性能は全武器中随一である。並大抵の攻撃では倒れることはなく、様々なモンスターの攻撃を受け止められる。
 このように、管理するものの少なさ、モーションの単純さ、高い防御性能を兼ね備えた結果、ランスを使うとモンスターの攻撃を「注視する」ということに頭のリソースの多くを費やすことができる。いかなる予備動作で、いかなる動作をしてくるのか、どのくらいの隙があるのか…これらを観察し、相手の弱点は何かを考えることができる。また、ガードをすれば何回判定があったかを音で確認することができる。そして、ランスでの経験は他武器を使用する際にも参考データとして応用可能である。

(2)立ち回りを極められる

 僕の思うランス最大の面白みはここである。僕は勝手に「モンスターとの社交ダンス」とか呼んでいる。つまり、モンスターのあるモーションに対しどのようにカウンターを仕掛けるのがベストかを考え、これらを覚えて実践する必要がある。これがステップが厳しく決まっている社交ダンスに類似しているからだ。これがなかなか面白い。
 というのも、ランスは鈍足武器であり、かつ継続的に攻めるにはガードカウンターが必要である。結果ランスは受け身的な側面の多い武器である。最近では他武器でもカウンターが増えてきたが、それでもランスほど相手の攻撃をいなしカウンターする機会が多い武器もないのではなかろうか。逆にいえば、立ち回りを考えなければ十分な火力を期待できず、有効活用できないということでもある。
 この点、しっかりとした戦術やチャートを組んで戦うことが好きな人にとっては、これ程楽しい武器はないと思われる。どの攻撃に対してどのガードモーションを用いるか、それともステップ回避するのか、どのタイミングで流転や昇天を使うか、別のモンスターならこの立ち回りを流用できるのか…様々に頭をめぐらせ、最良の手段を構築していくのだ。シュミレーションなどが好きな人には結構相性のいい武器なのではないかと思う。

(3)ランスは敷居が高いのか?

 (2)で触れたとおり、ランスは立ち回りを意識せざるを得ない武器である。このことはランスという武器の敷居を高くしている要因なのかもしれない。もしそうならば、そこまでこのような戦い方が好きでない人ならばまったく向いてない武器なのか、と思われそうである。ただ僕としては、無理にとは言わないが、一度触れてみて欲しいと切に願う。
 というのも、ランスを使うことで「立ち回り」というものを考え直す機会になるからである。様々なプレイスタイルがあるとは思うから、適当に殴っても勝てる武器の方がいいだろうと思う人もいるのは当然である。しかし残念ながら、程度の差はあれど、モンハンは適当に殴っては勝てない難しいゲームである。それに伴うように、立ち回りはある程度必要になってくる。難易度が高ければ尚更である。なんとも現実は非情である。時には詰まることもあろう。そこでランスを手に取って使ってみると、普段とは別の世界が見えるかもしれない。
 もちろん無理にとは言わない。自分の得意武器で立ち回りを極めるのが1番早かったということもあるし、ランスが肌に合わないことも十分にありえる。ただ、もし興味があってランスを使うことがあれば、なにかしらの気づきが見えてきて、今後の狩猟生活において有用な新たな発見があるのではないかと思う。

補足:ちょっとした経験談

 上記の話の具体例として、少しばかりか経験談を書かせてほしい。
 僕がランスを本格的に使い始めたのは去年の5月ごろである。初めの頃はその鈍足さからなかなか慣れずにいたが、少しずつ慣れてきた。これは経験である。しかし、僕が立ててしまった目標はミラボレアスの討伐である。既に太刀でクリアはしていたので動き自体はわかるが、ランスでやるとなるととんでもなくキツイ。なにせ多くの攻撃がのけぞる上、アイスボーンのミラボレアスは超火力の攻撃を素早く繰り出してくる難敵である。YouTubeで動画を見るなりして動きを参照しつつ、結局討伐までには使い始めてから3~4か月かかった。
 しかし、劇的な変化はここからである。2年くらい前にMHW:Iを始めた際の武器は太刀だった。一番のなじみの武器である。これでミラボレアス討伐までこぎつけた愛用の武器である。にもかかわらず、慣れてくるとランスの方が「安定」するのだ。もちろんタイムという面では太刀の方が上である。しかし、安全に討伐するならランスが一番である、と思っている。


 なぜこうなったのか。それは綿密に組みすぎた立ち回りにあったと僕は思う。どのような攻撃で被弾しやすいか、それを防ぐための対処法はなにか、被弾したらどうするか、そのあたりまで念頭に置きつつプレイしていたからである。例えば、ミラボレアスの攻撃にすごいスピードで後退して火球を設置する攻撃がある。これ自体が怖いのではなく、その後距離を空けると余裕でのけぞる火球攻撃をしてくるので、ガードしきれず乙るということが多発した。これに対応する方法は突進で距離を詰める他ない。そのため、この状況を想定しつつ、もし来たらすぐに突進できるように頭が働く。そうすることで、格段と乙回数を減らせ、成功率が上がった。
 確かに太刀には見切り斬りがあるし、兜割もある。立ち回りもそれなりに必要である。しかし、連続攻撃に弱いという弱点もあるし、兜割は外したら悲惨である。また、闇雲に殴っていたのもあるだろうか。少し慢心していたのである。ランスの場合だと闇雲に殴ることはできない。鈍足・納刀速度遅・低火力という負い目があるからこそ、立ち回りを意識することになった。


 もっとも、ランス神話をしようというわけではない。サンブレイクで追加された傀異化セルレギオスに対して、僕にとってはスラアクが最適解である。素早すぎてランスは適切ではないと思う。要は適材適所である。ただ、スラアクを使うなかでもランス的思考は生きている。どこで属性充填カウンターをするか、傀異凶化中は頭か脚いずれか、ワイヤーステップはどこで使うべきか、など。このようにして、ランスを使うことは他武器種をメインとする人にとってもなにかしらのヒントがあるのではないか、と思うのが僕の意見である。

5 ランスとガンランス

 これはランスもガンランスも触ったことのない人のよくある勘違いだが、ガンランスはガン+ランスであるからランスはガンランスの下位互換ではないのか、ということである。しかし実際のところ、ランスとガンランスはまったく別個の固有名詞であって、別物になっていると思われる。僕もガンランスを多く触っているわけではないので詳しく語れないが、最後に双方のおおまかな違いについて説明できればと思う。

(1)共通点・相違点

 まず双方に共通するのは、以下の3つが挙げられよう。

  1. 素のガード性能が高い

  2. 鈍足である

  3. 突きができる

 1と2については全く同じである。しかし③については、ランスは中段突きと上段突きの2種類があるのに対し、ガンランスは水平突きしかない。このように比較しても、ランスは突きに特化しているといえる。
 これに対し、双方の違いはかなり多い。以下に列挙するとこうである。

  • ガードモーション:ランスは多彩なガードモーションがあるが、ガンランスは基本的には通常ガードである

  • 手数:ランスは手数多め一撃控え目だが、ガンランスは手数少なめ単発高めである(殴り特化を想定)

  • 攻撃の種類:ランスは基本切断属性だが、ガンランスは切断に加え砲撃が使える

  • 地上における高速移動:ランスは長距離移動+中距離移動が可能だが、ガンランスは中距離移動ができるにすぎない

  • 空中における高速移動:ランスは自力では飛べないが、ガンランスは自力で飛べる

このような双方の違いを端的に説明した言葉として、「守りのランス、攻めのガンランス」と言われたりする。

(2)違いの要因・ガードの位置づけ

 ひとことで言えば、モーションの分布の違いである。つまり、ランスはガードモーションが豊富なのに対し、ガンランスは高火力切断攻撃や砲撃を中心とした攻撃モーションが多彩である。このことは、ランスがガードを駆使して守りながら戦うのに対し、ガンランスがガンガン攻めてついでにガードもできる、どちらかといえば攻撃的に戦うという、戦術の違いを生じさせている。
 これに関して、双方にとってガードの位置づけも変わっている。ランスにおいては(ジャスガが無ければ)ガード性能はほぼ必須でつけられるのに対し、ガンランスにおいてはガードは補充的な位置づけなのでガード性能を切る選択肢が普通にありえる。現にリバースブラストを用いた闇討ちフルバガンランスにおいては、リバースブラストに無敵+ハイパーアーマーがあることやスキル枠が足りないことからガード性能は入れられないようだ。
 沿革的には3シリーズ以降に双方の差別化を図ったために起きた変化らしいが、同じ盾と槍を持った武器なのにここまで大きな違いがあるのは趣深い。

(3)注意点

 ここまで双方の違いを強調したものの、双方はまったく相容れないわけではない。鈍足を補うために回避距離upを積んで長距離ステップ移動をすることがあるのはどちらでも未だにある戦法である。かなり戦法が異なりはするものの、共通する部分もあるのは忘れてはならない。

おわりに

 ランスの紹介だけで予想以上の分量になってしまった。導入としての文章としては長すぎる。もう少し簡潔にまとめるべきだったと反省している。ただひとつ思うのは、残念なことに、(お堅い人間の)こんなお堅い文章を最後まで飽きずに読んで頂いた真面目な方はもしかしたらランスに向いている、かもしれない。
 ランスは自分の好きな武器なので面白いとは思っているものの、いざ「面白い」を表現しようとするのはなかなか難しいものである。果たしてこの「面白さ」が伝わっているか、独りよがりになってないことを祈るばかりである。
 次回以降は、ランスのモーションの解説、スキル構成、そして立ち回りの基本的な考え方や戦法など戦術一般について整理できたらと思う。今回ほどグダグダしないように簡潔に、ただ正確に描写できたらと思う。ランスは気になってるけどどう扱えばいいかわからない、この記事を呼んでランスに興味が出た、そして他の人がどのように考えてるのか気になるランサーがいたら、次の更新までお待ちいただき、もう少しだけお付き合い願いたい。
 ご意見ご感想あれば遠慮なくコメントお願いします。

おまけの動画

最近ランスの動画を投稿したので、こちらに載せておく。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?