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2004/2005 最中に這入るep3  【Before softinhard】

こんにちは、softinhardと申します。

この記事(シリーズ)では、今現在(2021年)に至るまでの自分自身の履歴/経歴を想い起しながら、書いたものです。

”至る前”からはじまり、”最中に這入る”のエピソードでは自身の2004年から2005年のアメリカ留学の際の事案について言及したものであります。

過去については、不特定多数の方々に拡散するような内容ではなく、softinhard又は辻という人物に関心がもとよりない(薄い)方には不要な内容となります。

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序文と前哨譚

ep1、ep2を読まなくても問題ありませんがなんの問題ありません。
この記事ep3はep1から始まり続いているエピソードになっています。

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親密と破綻

アリゾナ・メッサ留学中のはなし。
冬休みを終え、授業が再開して間もないころであった。
アリゾナの冬は日本の冬とは全く違い、寒いといっても皆パーカーをきる程度で、雪は降らず、一年を通して気温の変化があるくらいで、風景はなにも変わらないに等しかった。
砂漠には無造作に乱雑に2メートル以上のサボテンやブッシュが生え、住宅もどの家も同じような茶色やエンジ、薄いピンクな暖色外観。

そして、高層ビルはなく、青い空は永遠に広がっていた。

冬を迎え、ホストファミリーとの関係は日に日に悪化していった。
一方、学校(学校外でも)では仲の良い”ヤンチャ”から普通なトモダチが出来、授業もある程度、聞き取れるようになっていたし、たのしいハイスクールライフを過ごしていた。 
逆に学校から帰るのが、自分は億劫で憂鬱な気持ちであった。
ホストとは、連絡事項や最低限の挨拶をする程度の会話しかしていなかった。


愉しみ

Aから貰った小型のパイプを使う機会は、初めて彼らの車内で吸った時以来あんまり使っていなかった。わざわざ自分から買いたいとまでは思ってもいなかった。 
パイプをもらったときに、少量もらっていた。
夜何度か、ホストたちが寝静まった事を確認すると裏の庭に出て、Aから講義してもらった様にやってみた。 いわれた通りにやったつもりだったが、上手くできず、トばず、あぁ自分はあんまり向いてないのかとため息をついていた。 ただ下手なだけだったが、その向いてなさに少し安心していた。

貰ってはいたが、自分から買ってはいなかった。
今思うと”貰いタバコだけで、大丈夫”と言ってるのと同じでダサいとおもうが、当時は吸う、貰うは自分の中でセーフゾーンで、買うに至るとステップが上がり、”いよいよ”という認識でいた。
それは、”吸わない”トモダチにも吸うのはいいけど、買うのは止めといたほうがいいと言われていた。


トラックの荷台

車での初体験から暫く経ち、
”みんなで集まるから来ないか”とメガネのJから声をかけてもらい、
学校が終わった後に中型トラックで家の近くまで迎えにきてもらった。

Jは吸うし、真面目ではなかったが、まともで勉強も出来ないわけではなかった。 グループをまとめているようであり、その彼からも自分は仲良くしてもらえて、どこか安心感を抱いていた。

トラックは、はじめて逢う強面なTが運転していた。メガネのJとAの弟とあほのCが同乗していた。 座るスペースがなかったので、Cと自分は後ろの荷台に乗せられていた。 

目的地も告げられず走るトラック。
どこにいくか、なにをするのか気にはなったが、聞くことはなかった。

走行中、Cは立ち上がり、訳のわかない事を叫んでいた。
Cは黙っていられない性分で、常にふざけていた。
自分によく質問してきたし、あほでイってる顔をしがちだが、いいやつであることはわかっていた。

叫ぶCにTとJも呼応し、あほな叫びを真似ていた。
Aの弟と自分は苦笑するだけだった。

夕方の空は、少し濃いピンク色が広がっていた。
少し肌寒い程度であった。


砂の窪み

トラックが停まり、目的地に着いたと分かった。
ただ辺り一面真っ黒で、遠くにある街灯と車の明かりが照らす程度。

トラックの前には、ヤバいCの車が先に着いていた。ヤバいといっても自分たちに害は全くなかったし、むしろいい奴であった。ただ、potのことを薬剤師の如く一番把握していたし、朝昼晩、勉強する前、エッチする前などシチュエーションに合わせて使い分けていた。 
実際にみたことはないが、Cはスキンハンギングをしていたようだ。(背中や肩等の皮膚に太いフックを血が出ないように刺し、高所から吊るすというもの)
メガネのJとは違う方向であったが、顔面も整っていたし、頭もスマートできれていた。

トラックから降りると何故か、Cとは別の車に乗せられた。
potのやりとりで話し合っているようであった。 上手くいってるのか下手をうっているのか知る由はなかった。ただ空気が重かったのは覚えている。
‘そのとき、来てはいけない場面にいる?‘と自問したような気がする。
もうその場に来た時点で、早いも遅いもないとはあの頃は思えなかった。

車から出ると、皆で雑談しながら砂漠を歩いていった。
だだっ広い境のない砂漠を歩き続けた。
車の中の重い空気は、そのころには消えていた。とにかく、まだ(たぶん)何も摂取していないのに、すごく楽しそうで、皆健全な笑みをを浮かべていたのが印象に残っている。

あほなCから、自分の少量のを譲ってくれとせがんできた。買ったものではなかったので、少しだけ譲った。裁縫入れのような缶にいれていた。

それを持っているだけで、生活に緊張感はかなり高まっていた。ホストや学校に見つかれば、即刻帰国させられる事は分かっていたが、トモダチとつるんでいる内には、その緊張感も薄れていった。

しばらく歩くとブッシュの茂みに隠れた先に、窪みがあった。

(ep4に続く)


......softinhard(記事作成者)

最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しでもよいと思っていただければ、評価のほどよろしくお願いいたします。softtinhard

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