見出し画像

【ISF10】「足音」解説+あとがき

こんにちは。初めまして。ソエジです
ISF 10にて頒布しました新刊「足音」について、
あとがきも兼ねて解説をしようと思い、慣れない筆を執りました。
蛇足であることは億も承知ですが、よければ少しだけお付き合いをば。

この本ができるまで

本作の構想自体はかなり前からありました。
具体的には3年前くらい。多分。
大好きなsumikaのアルバムをぼんやり聴いた時に
ああ、この曲…静香でMADにしたら…すげー良いだろうな…
と、ふと思ったのがきっかけです。
曲を繰り返し聴いて、絵コンテを脳内で切り、
1番あたりまでラフを描いたところで行き詰まり、
一旦この企画は眠りに就きました。

それから3年。
ミリオンライブ 10周年。10回目のISF。 
あの時眠ったものを形にするならここしかないと思い、再び動き出しました。
これがだいたい2022年11月の話。
あまり見ない形の同人誌なので受け入れられるか不安でしたが、
とりあえず出してから考えようと思い手を動かすことにしました。

あとはもう、ひたすら描いて、曲を聴き直して、資料を漁っての繰り返し。
歌詞をまるっと引用するのでJASRACに許諾申請したのが1月下旬。
正式に絵コンテを切り終えたのが2月中旬くらい。
一通り形になったのがGW明け。うーんギリギリchop。

本編解説

前置き長くなってもアレなので本編の解説に入ります。
解説したいところだけ抜き出して解説します。

Chorus 1

静香が765プロと出会うまでを描きました。
 10年を振り返るっつってんのに
1コーラスかけてスタートラインって中々イカれてるよねこれ
ただ、絶対に必要だったので手を抜かずきちんと描写しました。

・「金にならなそうね」「無駄な足掻きはやめな」
静香の学校の友達と父親です。
静香はこの時点で友達には「アイドルを目指す」とは言ってないと個人的に思っています。
ただ、この年代特有のアイドルに対する逆張りとでもいうのでしょうか、
ふとした雑談から
「ええ~アイドル~?笑」
みたいな意見って、一度は触れているはずだと思って描写しました。
父親の方は言わずもがなですね。
静香は周囲の無理解を突っぱねられません。まだ何も成していないから。
その歯がゆさを、少しでも汲み取っていただけたら嬉しいです。

・走れば走る程に傷ついて 負け 罵声も増えていって
明確な描写こそされていない(自分調べ)けど、
メモリアルコミュ1では、他の事務所のオーディションも受けて落選していることが表情、台詞から読み取れました。
シアターPはポテンシャルの高さと、その気迫から「何か」を読み取って合格にしましたが、
他の事務所のオーディションでも同様だったと仮定したとき、
「やたらと切羽詰まっていて気持ちだけが前に出ている、自己アピールが上手ではない女の子」
を果たしてアイドルにするだろうか、という描写です。
見ていて辛かった(描いていても辛かったよ)でしょうが、
ここも必要な描写でした。
ここの見る目なし無能3人衆描くのが一番嫌だった気がする。
最上静香を前にそんな顔をするなボケカス。

・サビ
敗北しても、誰かに認めてもらえなくても
孤独に努力を続ける静香をめいっぱい描きました。
この経験が彼女のすべての土台になっていると(勝手に)思っているので。

そして彼女は765プロの門戸を叩きます。
たとえ逃亡者と笑われても、怖くても、無謀でも、
自分の夢、それだけを信じて。

Chorus 2

ここからは所謂「グリマス時代」を中心に振り返ります。
静香が765プロに入って、仲間と出会って、成長していく様子を
ユニットの時系列に沿って描写しました。一部を除いて。

・Aメロ
プロデューサーとの出会い。
そして一緒に彼女を迎える役目を、天海春香さんにお願いしました。
後に出てくる「Legend Girls!!」メンバーの一員として、
765プロの先輩として、
これまで孤独にひた走ってきた静香の心を解きほぐすのは彼女が適任だろうと。自分が今描けるいちばん優しい微笑みを描きました。渾身です。

・Bメロ
「Legend Girls!!」(LTP)です。
最上静香にとっての始まりのユニットです。
何の因果かこれを書いている現在、絶賛イベント開催中です。
ここではステージの姿よりも、レッスンや研鑽の姿を主に置きました。
それを通じての成長と団結を感じてくれたら幸いです。
この本を通して言えることですが、
「いっしょに頑張れる仲間がいること」って大事だよ、を伝えたくて頑張りました。メッセージとしては手垢のついたものかもしれませんが。

・サビ
クレシェンドブルー(LTH)
最上静香を語るには外せないところですね。
ライバルとの切磋琢磨を描写しました。
同じ目線で全力でぶつかり合える仲間って貴重だよね、というのが伝わってると嬉しいです。
青筋浮かべてマジ喧嘩する静香が見れるのはこの本だけ!(ISF10では)

ウィルゴ(LTF)
未知への挑戦と試行錯誤を描写しました。
ラブソングというちょっと背伸びした領域に、
悩んで、相談して、知識を吸収しながら成長していく様子が伝われば。
ここもう少し尺欲しかったんだよなあ…

いちごヨーグルトぽむぽむ(諸説あり)(ゲッサン)
満を持しての信号機です。
「進め 誰に強制されるでもなく 足並みを揃える喜びを今知って」
ここの歌詞をこの3人にぶち当てるために尺の調整を頑張りました。
ここからミリシタの振り返りにバトンを渡す意味も込めて、
1枚目SSR衣装にしました。いやしんどかったよこれ。

間奏~Cメロ

ここから一気にミリシタ時空を駆け抜けます。
詰め込んだせいで画面の密度と人数がえらいことになりました。
おれの馬鹿。

・間奏

まずは激エモギターソロに乗せて、静香が経験したイベント+αをダイジェストで。
・「Fairy Taleじゃいられない」
・「オーディナリィ・クローバー」
・D/Zeal
・「Brave Harmony」
・「Criminally Dinner ~正餐とイーヴルナイフ~」
・ミリオンラジオ
本当は「春風満帆スターティング」も描きたかったのですが尺とページと作業時間の都合で間に合わず。ここだけが悔いかもしれない。
描写が1枚の分、どれも丹精込めて描いたつもりです。ひとつひとつが彼女の思い出であり、糧なので。

・Cメロ

ミリシタの歴代周年衣装。
これまで静香がユニットで関わってこなかったアイドルを全員出しました。
やろうと思ったとき自分でも「正気か?」と思ったけど
正気なんてとっくに捨てたので頑張りました。
各人選は割とフィーリングです。
似た構図が続くので、
動きや関わりを持たせて、飽きさせないように工夫しました。
成功してるといいのですが。

そして、大サビに向けての繋ぎを千早にお願いしました。
アライブファクター(LTD)です。
最上静香の憧れであり、目標。
本来の時系列で言うならChorus 2のサビ中ですが
千早を出すならここしかないと思って時系列を強引にずらしました。

仲間と歩んだ歴史と、未来への標を手に入れて
静香は次の一歩を踏み出します。

ラスサビ

ソロ曲ラッシュ+αです。もはや説明不要かも

・Precious Grain
ソロ1曲目。
凛とした覚悟を表情に込めました。

・Catch My Dream
ソロ2曲目。
とびきりの笑顔を描きました。

・Cross the Future
ソロ4曲目。
公式衣装がないので描く時どうしようかなあと悩みましたが
白黒パキっとした画が欲しかったのでスーツに。
9thで田所さんが見せた笑顔に引かれて
困難にも不敵に笑って立ち向かう表情を描きました。

・ストロベリーポップムーン
「仲間と言える人と 未来で笑いあえりゃ良い」
この歌詞をこの3人に(以下略)
ここではMTW発のユニット「ストロベリーポップムーン」として。

・SING MY SONG
ソロ3曲目。
この演出をする為にここまで描いてきた。
…といっても過言じゃないくらい、当初からやりたかった演出です。
「人は 忘れながら生きていくよ だから 忘れないよう 歌にして」
まさに「SING MY SONG」だと思って。
時間が有限であることを誰よりも肌身で知っている、最上静香だからこそ歌える歌だと思っています。だからこそ順序を変えてまでここで出しました。

譜面はかいそーさんに耳コピで書き下ろしていただきました。
ダメもとでお願いしたら、二つ返事で即日やってくださったんよ。凄いな。
この場を借りて深くお礼を申し上げます。ありがとうございました。

アウトロ

歴代SSR衣装の足を描きました。
・水滴のプリズム(右上)
・届け、この声!(中央上)
・思いは和歌に秘めて(左下)
・都会の空に思うのは(左上)
・私達はコスモガールズ!ver.SM(右下)
これで初期SSRとSFY2枚合わせてコンプリートのはずです。
足だけやったらまあたいしたことあらへんやろって思ったら、
まあえらい苦労しました。
がんばったのでゆっくり眺めていただけますと幸いです。

最後
「こういう関係で歩んで欲しい」という願望を詰め込みました。
もうこれについては言葉にするだけ野暮かもしれませんね。

sumikaというロックバンド

sumikaというロックバンドについて紹介させてください。
原曲「アイデンティティ」を制作し、
この同人誌を描くきっかけをくださったアーティストです。

メンバーは4人(敬称略)。
片岡健太(ボーカル・ギター)
荒井智之(ドラム)
黒田隼之介(ギター)
小川貴之(キーボード)

ここまで読んでくださった皆さんご承知かもしれませんが、
本当に多彩で、心にまっすぐ響く素晴らしい音楽を奏でるバンドです。

私がこの同人誌を制作中、2023年2月23日
ギターの黒田隼之介氏がこの世を去りました。
sumikaは奇しくもミリオンライブと同じく、今年結成10周年。
10周年ライブと新曲発表を控える中での訃報。いちファンとしても、あまりにも早すぎる報せでした。

人様の楽曲を勝手に同人誌に引用している身分で、
たいへん身勝手なエゴであることは億も兆も承知なのですが、
この同人誌を通して、ひとりでも「アイデンティティ」という曲を、
sumikaというバンドを知って、好きになって欲しいです。
それがこの同人誌を制作した理由のひとつでもあるので。

「アイデンティティ」の淀みなく流れるようなイントロは、
こんなにも感情を熱く揺さぶられるギターソロは、
黒田氏が遺してくれた宝物だと、いちファンとして強く思います。

どうか、ここに最高のギターヒーローがいたことを、覚えていただけたら幸いです。
そしてあわよくば、これからのsumikaを私といっしょに応援してくださるのならば、こんなに嬉しいことはありません。

大好きだよ、sumika。

最後に

ここまで読んでくれた物好きのみんな、本当にありがとうございました。
この本を形にするまでに本当に紆余曲折ありましたが、
色んな人の助けをお借りして、「足音」いったん完成となりました。
そして、無事にISF10で頒布することができました。

少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
あわよくば、どんな形でもいいので感想もいただけるとなお嬉しいです。
我は感想に飢えた獣

製作途中の進捗見てくれて、モチベくれた友達のみんな
ISFで手に取ってくださった方
いつも応援くださる方
即売会の時、嫌な顔ひとつせず八面六臂の活躍で設営から頒布まで支えてくれる相方

本当に、本当にありがとうございました。

ここまで本書を持たずに読んでしまった真の物好きに向けて委託のリンクと、
sumikaを最近知った方に向けて個人的オススメ曲のリンクを貼ってお別れとさせていただきます。
また会いましょう。それでは


「MAGIC」
私はこれでsumika沼に落ちました

「ふっかつのじゅもん」
代表曲①
最強ブチ上げソング

「ファンファーレ」
代表曲②
これからの季節聴きたくなる

「願い」
最強片想いソング

「一閃」
バチクソカッコいいツインボーカル曲
キーボードの小川貴之氏がボーカルで入ります
余談ですが、「アイデンティティ」作曲でもある氏は
高校時代に「細かすぎて~」で人気を博したモノマネ王子その人です。
知らない方は「細かすぎて モノマネ王子」で検索~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?