ウマ娘モデル馬における武豊の騎乗率

というツイートを見たので実際のところどうだったのかを調べてみた。

ウマ娘のモデルとなった競走馬全70頭の戦績をnetkeiba.comなどでチェックしてカウントした。結論から言えば、これらの馬について武豊が騎乗した回数は他の騎手と比較しても突出して多いことは事実だろうけれど、「全員乗った」とか「乗ったことがない馬はほとんどいない」みたいな表現には少なからず誇張があるということも確かだと思う。

では実際にはどれくらい乗っていたかだけれど、いわゆる「お手馬」(=主戦騎手として騎乗した馬)と明確に言えるのは以下の12頭。

スペシャルウィーク 17戦のうち15戦に騎乗
サイレンススズカ  16戦のうち7戦
メジロマックイーン 21戦のうち13戦
エアグルーヴ    19戦のうち14戦
ファインモーション 15戦のうち12戦
アドマイヤベガ   8戦すべて
エアシャカール   20戦のうち12戦
シーキングザパール 21戦のうち18戦
スーパークリーク  16戦のうち12戦
ナリタタイシン   15戦のうち7戦
バンブーメモリー  39戦のうち21戦
マーベラスサンデー 15戦すべて

「お手馬」の基準としては、その馬の全出走数の5割前後に騎乗し、かつ騎乗した騎手の中で最も回数が多い、ということとした。たとえば上記の馬の中では、サイレンススズカはデビューから6戦の鞍上は上村洋行が務めたが、その後河内洋が2回乗ったのちに武豊に乗り替わり、武にエアグルーヴの先約があったため南井克巳が代役を果たした1998年宝塚記念以外の7戦に騎乗している。

また、この基準からは漏れてしまうけれど、ウオッカ(26戦のうち10戦)やスマートファルコン(34戦のうち11戦)も人によっては武のお手馬に数えるかもしれない。個人的にはウオッカは四位洋文の、スマートファルコンは岩田康誠のイメージも強いため含めなかった。

これら以外に、最低1回は騎乗したことのある馬が以下の16頭。

オグリキャップ   32戦のうち2戦
ナリタブライアン  21戦のうち4戦
マヤノトップガン  21戦のうち4戦
ヒシアケボノ    30戦のうち1戦
イナリワン     25戦のうち2戦
ウイニングチケット 14戦のうち2戦
カレンチャン    18戦のうち1戦
ゼンノロブロイ   20戦のうち1戦
トーセンジョーダン 30戦のうち1戦
ハルウララ     113戦のうち1戦
ビコーペガサス   27戦のうち4戦
マチカネフクキタル 22戦のうち2戦
マチカネタンホイザ 32戦のうち3戦
イクノディクタス  51戦のうち2戦
ダイタクヘリオス  35戦のうち2戦
ツインターボ    35戦のうち1戦

つまり、全70頭のうち、武豊が一度でも騎乗したことのある馬は全部で30頭おり、割合でいうと約43%ということになる。逆に言えば、これ以外の40頭には武豊は一度も騎乗していない。

もちろん、武豊が中央競馬の騎手としてデビューしたのが1987年3月なので、それ以前に現役生活を終えていた馬には物理的に騎乗する機会がなかったわけだけれど、ウマ娘の中でこれに該当するのはマルゼンスキー(1974年生/現役生活1976年~77年)、ミスターシービー(1980年生/現役生活1982年~85年)、シンボリルドルフ(1981年生/現役生活1983年~86年)の3頭のみなので、これらを除外したとしても約45%(30/67)となる。

ちなみに、全70頭の総出走回数に対する武豊の騎乗数の割合は約13.5%(208/1537)。上記のデビュー前の3頭に加えて、突出して出走回数が多く高知競馬の所属だったハルウララを除くと約14.9%(207/1385)となる。

武豊の騎乗数にのみ絞ってカウントしたので他の騎手との正確な比較ができないのだけれど、武に次いで騎乗した馬の数が多いのはおそらくやはり岡部幸雄だと思われる。トウカイテイオー(12戦のうち4戦)、タイキシャトル(13戦のうち11戦)、シンボリルドルフ(16戦すべて)、ビワハヤヒデ(16戦のうち11戦)、シンコウウインディ(17戦のうち8戦)、マチカネタンホイザ(32戦のうち15戦)、メジロアルダン(14戦のうち5戦)などに騎乗している。

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