見出し画像

【K2】「ギュッ」が何回登場するのか数えてみた

はじめに

いやー終わっちゃいましたね、『K2』の全話無料公開期間が。

わりと長期間だというのは最初からわかっていたので、当初は「1日10話、単行本1巻分くらいずつ読み進めようかな」などと呑気していたのですが、気が付くと1日50話くらい読んでいたりして、読破するのに結局2週間はかからなかったです。

もともと『スーパードクターK』も読んでいたし、『イブニング』を買っていた時期もあったので『K2』も途中までは記憶にありましたが、まとめて読むとこんなに面白い漫画だったのか、真船一雄先生ってこんなに上手い漫画家だったのか、という再発見ができてとても楽しかったですね。

そんな『K2』ですが、この全話無料公開が話題となったのは、なんといっても作中でたびたび登場する「ギュッ」がネットミームとしても非常にキャッチーだったことがその要因のひとつと言えるでしょう。

そこで、軽い気持ちで「何回出てくるのか数えてみようかな」と思い立ったのですが、いざやってみると結構大変でした。ちょっと数えてはしばらく放置してまた進める、みたいな形でやっていたのですが、残り数日の時点でも150話分くらい残っていて、かなり慌てて手を付けてなんとか仕上げることができました。

一応2回通してチェックしていますが見落としがないとは言えないので、もしあったら教えていただけると助かります。この記事の後半に全「ギュッ」リストを掲載しています。

(ヘッダー画像は第16話「2本目のメス(中編)」より)


■「ギュッ」は全部で何回あった?

第1話から第454話までに、目力の擬音としての「ギュッ」が発生した回数は106回でした。

ごくまれに「ギッ」とか「ギュン」が登場することもあるんですが、それはカウントしていません。

第248話「臨場(前編)」これはカウント外

また、実はそれ以外にも通常の意味での「ギュッ」、つまり「何かを強く掴んだり握ったりする擬音」として登場することもかなりあって、こちらにも「ギュウウ」「ギュウン」とかバリエーションがあって結構面白いんですが、そこまで話を広げると収拾が付かなくなるのでやめておきます。

第439話「龍太郎の修行(後編)」龍太郎がギュッする日は果たして来るのか

さらに言えば、上記2つの複合とも言える「ギュッ」もあったりします。何かを握ったり掴んだりしつつ目力もあるシーンですね。これは解釈によるとも思うんですが、この記事ではあくまで目力単体の「ギュッ」をカウントしています。

第10話「メス」K先生がメスを握る構図は第45話「刃のないメス(後編)」にも
第416話「死の臨床」仙道くんのギュッも拳を握る擬音と解釈

■「ギュッ」の回数が一番多かったのは?

まあ言わずもがなって感じですが、一番多かったのはK先生こと一人ですね。さすがに当代の“K”だけに突出して多い。そして主人公である次代の“K”、一也が次点なのも予想通り。以下、各キャラクターが「ギュッ」した回数をランキングで掲載します。

第194話「事故(後編)」王道の“だがいまは違う!“パターン
第89話「スペア―その5―」記念すべき一也の初ギュッ

1位 61回 K先生(神代一人)
2位 13回 黒須一也
3位 4回 相馬有朋
4位 3回 村井/KEI先生(磯永〈西城〉ケイ)/谷岡章
7位 2回 TETSU先生(真田徹郎)
8位 1回 多数

トップ2に続く4回のギュッを記録したのは、連載序盤の山場とも言える一也をめぐるクローン臓器密売組織に関係していた相馬先生。退場は早いのですが短期間に凝縮してギュッしまくっています。

第63話「二人のレシピエント(中編)」このエピソードだけでもう1回ギュッしている

3回を記録したのはKEI先生と村井さん、あと一也と宮坂さんが研修に行く高品総合病院の外科部長である谷岡先生。

第75話「体質」さすが先代Kの妹

村井さんのギュッは結構分散していて、第181話「贖罪(中編)」、第248話「臨場(前編)」、第398話「彼方より(その3)」と、なんか忘れた頃に定期的にギュッする人みたいな存在感になっています。

第248話「臨場(前編)」村井さんのいぶし銀ギュッ

TETSU先生も2回ギュッして要所を締めています。

※末尾に追記しましたが、TETSU先生の最初の1回としてカウントしていたものは別の擬音を描写したものと再解釈しました。

第407話「伝統の技(後編)」意外と余命が長いTETSU先生

全体で2回だけですが同時に2人のキャラクターがギュッしているパターンもあります。これらについては、個別キャラクターの回数としてはダブルカウントしています。なので、延べ回数としては総計107回となります。

第303話「伝説現る(その3)」珍しくちょっとオラつき気味の表情を見せる一也
第437話「導かれた競演」一也を認めて助手を任せる谷岡先生

上が一人&一也、下が谷岡&一也という、いわば師弟コンビ的なギュッですね。

■1回だけ「ギュッ」した人たち

また、1回だけギュッしたキャラクター名とその登場話を列記すると

土門貞司  第10話「メス」
新堀照光  第22話「ジレンマ(中編)」
氷室俊介  第33話「親友(前編)」
岡元刑事  第36話「臓器(その1)」
柳川慎一郎 第60話「錆びたメス(後編)」
竹宮穂波  第115話「入院(前編)」
堂本    第117話「退学(前編)」
麻上夕紀  第128話「自殺(その3)」
大垣蓮次  第172話「決意(前編)」
富永研太  第191話「岐路(その5)」
磯永幸司  第195話「啓発(その1)」
樋口    第198話「啓発(その4)」
石動瀧造  第264話「死因(後編)」
宗方昭康  第292話「青き帆走(その6)」
和久井譲介 第301話「伝説現る(その1)」
富永進太郎 第357話「聴取(その4)」
斎藤由貴  第392話「三倍返し」
双葉    第417話「熱血トレーナー」
桧山光雄  第420話「返信不要」

の計19名となります。

主要なキャラクターおよび関係者で言うと、譲介や麻上さん、富永先生と親父さんあたりでしょうか。

第301話「伝説現る(その1)」なんだそのふざけた髪型は
第191話「岐路(その5)」いつの間にか一人前になっていた富永先生

ちなみに上記の富永先生のギュッについて補足すると、第187話「岐路(その1)」で左右は反転しているもののK先生がほぼ同じ構図でギュッしており、明確にシーンとして対比されています。

第187話「岐路(その1)」やはりK先生のほうが迫力はある

意外なことに宮坂さんは1回もギュッしたことがなく、帝都大の同期勢では斎藤さんに先を越される形になっています。


※(6/2)追記
Twitterでご指摘いただいたのですが、宮坂さんはギュッしてました!
四才ブックス/尾形さん(@4saibooksOGATA)、本当にありがとうございます!
こんなデカいところを見逃して断言してしまっていて恥ずかしい限りですが、なかったことにもできないので追記の形で掲載しておきます。

第176話「屈折(前編)」こんな堂々としたギュッを見落とすとは……ごめんね宮坂さん

また、まだ見逃しがある可能性も考慮して当面は総「ギュッ」回数やリストには反映しません。


第392話「三倍返し」武闘派斎藤さん……好き……

ゲスト的なキャラクターの中では樋口(N県T村に工場を建設していた企業の社長秘書の男)がちょっと面白くて、ギュッしているからにはそれなりに重要なキャラクターとして考えられていた節があり、しかもこの回は麻上さんが活躍するエピソードなので「本来はこの2人が恋仲になるはずだったのでは?」と勘繰ってしまいました。麻上さんには幸せになってほしいので……。

第128話「自殺(その3)」やさぐれ時代の麻上さん
第198話「啓発(その4)」この後は一度も登場がない樋口さん、まだ村にいるのかな……

■全「ギュッ」リスト

1 第3話「温存」【一人】
2 第7話「再生」【一人】
3 第9話「遺産」【一人】
4 第10話「メス」【土門貞司】
5 第16話「2本目のメス(中編)」【一人】
6 第22回「ジレンマ(中編)」【新堀照光】
7 第25話「継承(後編)」【一人】
8 第33話「親友(前編)」【氷室俊介】
9 第36話「臓器(その1)」【岡元刑事】
10 第38話「臓器(その3)」【一人】
11 〃【一人】
12 第60回「錆びたメス(後編)」【柳川慎一郎】
13 第63話「二人のレシピエント(中編)」【相馬有朋】
14 〃【相馬有朋】
15 第67話「家督(中編)」【一人】
16 第69話「2本のメス(前編)」【一人】
17 第71話「観察眼」【一人】
18 第72話「移植医療(前編)」【相馬有朋】
19 第73話「移植医療(中編)」【相馬有朋】
20 〃【一人】
21 第75話「体質」【KEI】
22 第89話「スペア―その5―」【一也】
23 第97話「6本目のメス(後編)」【一人】
24 第109話「ドーピング(後編)」【一人】
25 第111話「めまい(後編)」【一也】
26 第115話「入院(前編)」【竹宮穂波】
27 第117話「退学(前編)」【堂本】
28 第125話「湿疹(後編)」【一人】
29 第128話「自殺(その3)」【麻上夕紀】
30 第129話「自殺(その4)」【一人】
31 第130話「自殺(その5)」【一人】
32 〃【一人】
33 第135話「三つ星(後編)」【一人】
34 第138話「痛み(後編)」【一人】
35 第145話「ノート(後編)」【一人】
36 第146話「家督(前編)」【一人】
37 第147話「家督(後編)」【一人】
38 第151話「犠牲(後編)」【一人】
39 第152話「隠し事(前編)」【一人】
40 第153話「隠し事(後編)」【一也】
41 第158話「恩師(後編)」【一人】
42 第163話「親子(中編)」【一人】
43 第167話「覚悟(前編)」【一人】
44 第172話「決意(前編)」【大垣蓮次】
45 第173話「決意(後編)」【一人】
46 第178話「女系一族(前編)」【一人】
47 第179話「女系一族(後編)」【一人】
48 第181話「贖罪(中編)」【村井】
49 第184話「聞こえざる音(後編)」【一人】
50 第185話「上昇(前編)」【一人】
51 第186話「上昇(後編)」【一人】
52 第187話「岐路(その1)」【一人】
53 第190話「岐路(その4)」【一人】
54 第191話「岐路(その5)」【富永研太】
55 第193話「事故(前編)」【一人】
56 第194話「事故(後編)」【一人】
57 〃【一人】
58 第195話「啓発(その1)」【磯永幸司】
59 第198話「啓発(その4)」【樋口】
60 第199話「啓発(その5)」【一也】
61 第204話「プライド(前編)」【一人】
62 第205話「プライド(後編)」【一人】
63 第208話「相克(その2)」【一也】
64 第209話「相克(その3)」【一也】
65 〃【一也】
66 第218話「焦燥(後編)」【TETSU】
67 第221話「エマージェンシー(後編)」【一人】
68 第224話「母子(その3)」【一人】
69 第229話「試練(後編)」【一也】
70 第231話「嗅覚」【KEI】
71 第234話「未来への助走(前編)」【一人】
72 第235話「未来への助走(後編)」【一人】
73 第239話「目指す場所(その3)」【一人】
74 第240話「目指す場所(その4)」【一人】
75 第248話「臨場(前編)」【村井】
76 第252話「揺らぎ(その1)」【一也】
77 第253話「揺らぎ(その2)」【一人】
78 第262話「合宿(後編)」【一也】
79 第264話「死因(後編)」【石動瀧造】
80 第265話「陸の孤島(前編)」【一人】
81 第275話「親不知(その2)」【一人】
82 第292話「青き帆走(その6)」【宗方昭康】
83 第296話「千里眼」【一人】
84 〃【一人】
85 第298話「予兆(後編)」【KEI】
86 第301話「伝説現る(その1)」【譲介】
87 第303話「伝説現る(その3)」【一人&一也】
88 第357話「聴取(その4)」【富永進太郎】
89 第365話「聴取(その12)」【一也】
90 第375話「偽りの王」【一人】
91 第380話「往復路」【一人】
92 第383話「イレギュラー(前編)」【一人】
93 第392話「三倍返し」【斎藤由貴】
94 第398話「彼方より(その3)」【村井】
95 第401話「体の声(後編)」【一人】
96 第406話「伝統の技」【一人】
97 第407話「伝統の技(後編)」【TETSU】
98 第417話「熱血トレーナー」【双葉】
99 第419話「頼れる診かた」【一人】
100 第420話「返信不要」【桧山光雄】
101 第427話「まなざし(後編)」【谷岡章】
102 第429話「トレード(その2)」【谷岡章】
103 第435話「歩みは亀でも」【一人】
104 第437話「導かれた競演」【一也&谷岡】
105 第448話「陰の来歴(後編)」【一人】
106 第452話「止まった時間」【一人】

話数ごとの登場頻度で言うと、
第1話~第100話 23回
第101話~第200話 37回
第201話~第300話 25回
第301話~第400話 9回
第401話~第449話 11回
と、ストーリーの軸が一也に移って以降は、それ以前より少なくなる傾向にあります。単純にK先生の登場頻度が下がったのに比例しているとも言えますね。

■無料期間は終わったけどまだの人も読もう!『K2』!

たぶん今回初めて「コミックDAYS」でまとまった分量を読んだと思うんですけど、かなり読みやすいUIだと感心しましたね。

アプリでも読んでましたけど、どっちかといえばPCブラウザ上で読んだ回数のほうが多かった気がします。「ギュッ」のカウントをするにあたってコマのスクショを取る必要もあったので。

ともあれ『K2』は、まだ読んでない人も少しでも興味があったら絶対に読んだほうがいいと思います。全話無料公開期間は終わってしましましたが、頭の5話+最新話の前の2話は常時無料になってるはずなので、騙されたと思って読んでみてほしいですね。

前作の『スーパードクターK』の連載開始が1988年。1964年生まれの真船先生は当時23歳か24歳、キャリア5年目の若手漫画家で、途中で別の連載もされていますけどそれから足かけ35年くらいこのシリーズを描き続けた結果こんな境地にまで達していること自体が、医業にひたむきに邁進する作中のキャラクターたちと重ね合わせになっていて、とても趣深いなと思いました。何かひとつのことを続けていくことの価値を教わった気がします。

【余談】

っていうか、ここまで書き終えて読み直しつつ校正してたんですけど、途中から普通に「ギュッする」「ギュッした」っていう動詞を使い始めていて、なんなんだって自分でもちょっと笑ってしまいました。

※追記(6/2)

あらためてスクショを見直していて気が付いたんですけど、TETSU先生の1回目としてカウントしているこれ、手術着の頭巾をかぶる音かな……そもそも「ぎゅっ」が平仮名だし別物ですよね。しくった……。

第218話「焦燥(後編)」目力もあるんですけどね

似たパターンとしては手袋をはめる音と解釈したものがあって、こちらは確信を持って外しています。

第258話「揺らぎ(その7)」同じパターンは別の話数でもあります

ただまあ、本文はあくまで初稿時点ではそうカウントしていたという記録として修正せずそのままにしておきます。

・おまけのおもしろギュッ

第48話「拉致(後編)」目力はギュッ級だけど縄で手首を縛る音とカブってしまっている


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?