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オーバーベット入門(初級者向け)

こんにちはNaokiです!
突然ですが、皆さんはオーバーベットを使用していますか?
オーバーベットに関しては、ポーカー界の有識者の方々からとても有益なnoteが出ています。

Lilianさん

Amuさん

正直この方々のnoteがあれば、わざわざ記事で書く必要がないと思うのですが、アミューズやオンラインで打っていると適切なスポットでオーバーベットが全然飛んでこない印象があり、まだまだ戦略として広まっていないのではないかと感じています。
個人的にもオーバーベットはかなり好きな戦略のため、もっとこの戦略が広がってほしいと思い、記事を書くことにしました!

オーバーベットを打ったことがない」「オーバーベットを打つタイミングがわからない」という方を対象としており、よくある3種のスポットを紹介しています。
ぜひ最後までお読みください!

よくあるスポット①:CB後のターン

エフェクティブ100bbのBTN vs BBを考えていきます。
boardはKsTh7dとします。

KsTh7dにおけるBTNのCB戦略(サイズは左から125%,75%,50%,33%)

BBのチェック後、BTNは上記の戦略をとります。
色々なサイズを使用していますが、ハイカードが落ちた時広く安く打つ戦略を取り入れている方が多いのではないでしょうか。そこで今回は33%サイズを使用したとします。

CBに対するBBの戦略

上記がBBの戦略になります。
33%サイズに対してはヒット以上を守り、バックドア無しのAハイ以下を主にフォールドしています。レイズレンジはセットや2P、ストレートドローを中心に構成しています。
ここでBBがコールした場合を考えましょう。

BBコール後のエクイティグラフ

上記の画像はレンジ内にあるハンドをエクイティの高い順に並べているグラフ(エクイティグラフ)になります。赤がBTN、緑がBBです。
BB側は先ほど述べたように、弱いレンジをフォールドし強いレンジをレイズしています。(全てがそうではないですが)
一方でBTNは広いレンジでベットしているため、強いレンジも弱いレンジも残っている状態です。グラフを見ると、エクイティの高い部分はBTNが上回っており、エクイティの低い部分はBTNが下回っています。
この時のBTN側のレンジをポラライズレンジといいます。
レンジがポラライズされているときの有効な戦略がオーバーベットです。つまりこの状態を引き継ぐターンカードが落ちた時、BTN側はオーバーベットを使用します。
それはどのようなカードでしょうか?フロップでのペアの上下を変更しないカードかつドローが完成しないカード、通称ラグです。
ここでラグの定義をNENDERSさんの記事に従い下記のようにします。

・ボードナンバーがMid未満
・ボードにペア、コネクタを作らない
・ボードに新しくストレートまたはフラッシュのコンボを作らない

(分析家向け)ターンの集合分析におけるボードファクターおよび計算式の設定について
-NENDERS

ここでターンカードが2sだとします。

KsTh7d turn 2s(サイズは左から150%,70%,30%)

BTNの戦略はオーバーベット(150%)一択となります。
このように広いCB後にターンでラグが落ちた時、オーバーベットを多く使用します。

よくあるスポット②:オーバーベットCB

先ほどはターンでの話でしたが、今回はフロップのオーバーベットCB戦略についてです。
エフェクティブ100bbのBTN vs BBを考えていきます。
フロップでのCBサイズを考えるにあたり、ナッツアドバンテージという考えが重要になってきます。

KsKh2dにおけるBTNのCB戦略(サイズは左から125%,75%,50%,33%)
KsKh2dにおけるエクイティグラフ
Ts8s5sにおけるBTNのCB戦略(サイズは左から125%,75%,50%,33%)
Ts8s5sにおけるエクイティグラフ

ペアボードやモノトーンボードのエクイティグラフを見ると、ナッツ付近がかなり拮抗していることが分かります。
このようにナッツ付近が拮抗しているボードでは安いサイズ(33%)が好まれます。

AsKh5sにおけるBTNのCB戦略(サイズは左から125%,75%,50%,33%)
AsKh5sにおけるエクイティグラフ
AsQh6dにおけるBTNのCB戦略(サイズは左から125%,75%,50%,33%)
AsQh6dにおけるエクイティグラフ

一方でAKxやAQx等のボードのエクイティグラフを見ると、ナッツ付近はかなりIPが上回っていることが分かります。このようにナッツ付近が上回っている(ナッツアドバンテージを有している)際に、オーバーベットCBを打つことが出来ます。

ここで大事なのはハンドが強いからオーバーベットを打てるというわけではありません。
例えばTh8hを持っており、ボードが9s7h6hであるとします。

9s7h6hにおけるBTNのCB戦略(サイズは左から125%,75%,50%,33%)
9s7h6hにおけるエクイティグラフ

ナッツストレートを持っていますが、上限で75%サイズを使用しています。また、レンジ内にオーバーベットを使用しているハンドはありません。
これは先述の通り、エクイティグラフを見ると、ナッツ付近が拮抗しているからですね。

下記にオーバーベットが打てないボードと打てるボードの特徴を記します。

オーバーベットが打てないボード
・ペアボード
・パッツモがあるボード(フラッシュ、ストレート)

オーバーベットが打てるボード
・ブロードウェイが2種以上(特にAを含む)で上記に該当しない。

よくあるスポット③:プローブオーバーベット

最後はプローブでのオーバーベットです。
まず、プローブベットという言葉を知っていますでしょうか。
これは、フロップでIPがチェックをし、ターンでOOPが打ち始めるベットを指します。
実はこのプローブ、意外かもしれませんが(?)かなりの頻度でオーバーベットを使用します。

プローブベットの平均頻度

上記の表は、全1755フロップにおけるBBのプローブベットの平均頻度を表したものになります。表を見ると何となく使用されてそうなサイズ(80%)より、より小さなサイズ(40%)やより大きなサイズ(150%)が使用されています。
では具体例を見てみましょう。
エフェクティブ100bbのBTN vs BB、boardはAs9h4dとします。
まずはフロップのBTNの戦略から見ていきます。

As9h4dにおけるBTNのCB戦略(サイズは左から125%,75%,50%,33%)
As9h4dにおけるエクイティグラフ

②で述べたようにナッツ付近が拮抗しているため、オーバーベットは使用せず、広いレンジで安くベットしていますね。
では逆にチェックするレンジはどのようなハンドがあるのでしょうか。
セットや2P、A強キッカーはベットにまわっているため、チェックレンジにはポケット、Kハイ、A弱キッカー等が多く含まれています。
要するにBTNはチェックすることにより、ナッツ付近が弱くなり、レンジがマージナルになります。

As9h4dにおけるエクイティグラフ(BTN check後)

上記画像はBTNがチェック後のエクイティグラフです。エクイティの高い部分はBBが上回って、エクイティの低い部分はBBが下回っている状態、いわゆるBBのレンジがポラライズされていることが分かります。
このような考えのもと、プローブではオーバーベットがかなり使用されます。
As9h4d turn 6d

As9h4d turn 6dにおけるBBのプローブ戦略(サイズは左から150%,80%,40%)

大きいサイズ(150%)と小さいサイズ(40%)との使い分けに関しては、正直自分自身もわかっていない所もあるため、プローブベットに関しては別途記事を作成するかもしれません。
ただし、②のようなボードでBTNがチェックした際は大きいサイズに寄る傾向があると感じます。

AsKh5s turn 3dにおけるBBのプローブ戦略(サイズは左から150%,80%,40%)
AsQh6d turn 3sにおけるBBのプローブ戦略(サイズは左から150%,80%,40%)

まとめ

最後に今回の結果のまとめを下記に示します。

オーバーベットが打てる3選
①CB後のターンラグ
②ブロードウェイ2種(特にAを含む)でパッツモがないフロップ
③プローブ(特に②)

いかがだったでしょうか。
個人的にオーバーベットはテキサスホールデムの花形だと思っています!
せっかくの「ノーリミット」なので、積極的に取り入れてほしいなと思います!
記事の感想や、今後やってほしいことなど、いつでもお待ちしております。
最後まで読んでいただきありがとうございました!




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