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SB vs BTN , UTGにおけるCB戦略の差異

皆さんこんにちは。Naokiです!
前回の記事が好評だったので、今回は続編のシリーズです!
まだ前回の記事を読んでいない方は是非読んでみてください。

今回は3 bet potにおけるSB vs BTN と SB vs UTGのCB戦略の違いを、piosolverを使用し全1755フロップに対して集合分析を行ったので、そちらに関する記事になります。
最後に集合分析の結果のexcelシートを公開していますので、記事内では細かいことは言及せず、ざっくりとした違いに焦点を当てていきたいと思います。
まずはフロップに行く前のプリフロップのレンジから考えていきます。

プリフロップのレンジの違い

今回の集合分析にはGTO wizzardのレンジを採用しています。

BTN 2.5bb open → SB 10bb 3bet 

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SB 10bb 3bet → BTN call

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UTG 2.5bb open → SB 10bb 3bet 

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SB 10bb 3bet → UTG call

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プリフロップレンジの違い
・vs BTNの方が vs UTGよりレンジが広い。
・BTN callの方がUTG callよりローカードがレンジにある。
・UTG callの方がBTN callよりハイカードがレンジにある。

以上のことより、2つの仮説が考えられます。

1.ハイカードが落ちた際、BTN callはハイカードがレンジに少ないため、SB vs BTNの方がベット頻度が高くなるのではないか。
2.ローカードが落ちた際、UTG callはローカードがレンジに少ないため、
SB vs UTGの方がベット頻度が高くなるのではないか。

これらの内容を踏まえ、実際に集合分析の結果を見ていきましょう!
その前にpiosolverの設定と今回のexcelシートの見方について説明していきます。

piosolverの設定

ベットサイズ
flop 30% 50% 80%  raise 50%
turn 40% 80% 150%  raise 50%
river 40% 80% 150%  raise 50%

計算精度:1.0

※ドンクベットは採用していません。

集合分析結果シート

集合分析結果(CB戦略)

①フロップのハイカードが表示されます。
②フロップのスートが表示されます。
③ペアボード(トリップス含む)の場合〇、そうでない場合×が表示されます。
④BTNとUTGのベット頻度の差が表示されます。数値が高いほどBTNのベット頻度が、数値が低いほどUTGのベット頻度が高いことを意味します。
⑤各ベット頻度の差を2乗し、それらの和の平方をとっています。要するに数値が大きいほど使用しているベットサイズに違いがあることを意味します。

さあここからが本題です。
実際にシートの中身を見ていきましょう!

集合分析結果

以下の内容を確認していきたいと思います。
1.vs BTN , vs UTG共にベット頻度が高いボード
2.vs BTN , vs UTG共にベット頻度が低いボード
3.vs BTNの方がベット頻度が高い(④)ボード(上位20%)
4.vs UTGの方がベット頻度が高い(④)ボード(上位20%)
5.使用サイズの異なるボード例(⑤)

1.vs BTN , vs UTG共にベット頻度が高いボード

vs BTNのベット頻度が高いフロップ上位20%とvs UTGのベット頻度が高いフロップ上位20%両方に含まれているフロップ(174フロップ)の内訳を以下に示します。

A high (31フロップ)
K high (138フロップ)
Q high (5フロップ)
J high (0 フロップ)
T high (0フロップ)
9 high 以下 (0フロップ)

以上より下記のことが分かりました。
・174フロップは全てQ high以上である。
→特にK highだとベット頻度が上がる。

SB vs BTN Ks5h2d

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SB vs UTG Ks5h2d

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・174フロップのうち37%がペアボードである。
→特にAAx、KKxだとベット頻度が上がる。

SB vs BTN AsAh4s

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SB vs UTG AsAh4s

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2.vs BTN , vs UTG共にベット頻度が低いボード

vs BTNのベット頻度が低いフロップ上位20%とvs UTGのベット頻度が低いフロップ上位20%両方に含まれているフロップ(174フロップ)の内訳を以下に示します。

A high (0フロップ)
K high (0フロップ)
Q high (0フロップ)
J high (0 フロップ)
T high (0フロップ)
9 high 以下 (174フロップ)

以上より下記のことが分かりました。
・174フロップは全て9 high以下である。
→コネクトが強くなるほどチェック頻度が上がる。(9s5h2h<6s5s4h)

SB vs BTN 9s5h2h

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SB vs UTG 9s5h2h

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SB vs BTN 6s5s4h

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SB vs UTG 6s5s4h

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3.vs BTNの方がベット頻度が高い(④)ボード(上位20%)

vs BTNの方がベット頻度が高いフロップ上位20%(351フロップ)の内訳を以下に示します。

A high (38フロップ)
K high (7フロップ)
Q high (12フロップ)
J high (161フロップ)
T high (116フロップ)
9 high 以下 (15フロップ)

以上より下記のことが分かりました。
・上位20%のフロップのうち95%がT high 以上である。(特にJ、T high)
→T以上落ちた場合、vs BTNの場合はほぼレンジでCBが打てる。
しかし vs UTGの場合、レンジに対してハイカードを含む割合が高いため、仮説通りベット頻度が低くなる。

SB vs BTN AsJh7d

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SB vs UTG AsJh7d

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ただし、SB vs BTNにおいてA highはレンジでCBが打てない局面があります。
それはZooMagaさんの方で分かりやすく解説されておりますので是非ご確認ください!

SB vs BTN Js7h3d

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SB vs UTG Js7h3d

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SB vs BTN Ts7s3h

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SB vs UTG Ts7s3h

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また、J、T highにおいてもZooMagaさんから「全レンジ50%CB」の戦略記事が出ており、素晴らしい内容となっているのでそちらもご確認ください!

4.vs UTGの方がベット頻度が高い(④)ボード(上位20%)

vs UTGの方がベット頻度が高いフロップ上位20%(351フロップ)の内訳を以下に示します。

A high (138フロップ)
K high (33フロップ)
Q high (154フロップ)
J high (0フロップ)
T high (0フロップ)
9 high 以下 (26フロップ)

以上より下記のことが分かりました。
・上位20%のフロップのうち93%がQ high 以上である。
→AKx、Axx、Qxx (xは9以下)でベット頻度が上がる。

SB vs BTN AsKs3h

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SB vs UTG AsKs3h

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SB vs BTN As5h4h

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SB vs UTG As5h4h

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SB vs BTN Qs8h2s

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SB vs UTG Qs8h2s

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・上位20%のフロップのうち81%がモノトーンである。
→SB vs BTNではIP側の方にフラッシュのコンボが多く、エクイティグラフのナッツ付近を見るとIP側がOOP側を上回っている。そのため、モノトーンだとOOP側のベット頻度がかなり下がる。

SB vs BTN As6s2s

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SB vs BTN As6s2s エクイティグラフ

4.A42(vs BTN)_エクイティブラフ

しかし、SB vs UTGではOOP側の方にフラッシュのコンボが多く、エクイティグラフのナッツ付近を見るとOOP側がIP側を上回っている。そのため、モノトーンだとOOP側のベット頻度が上がる。

SB vs UTG As6s2s

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SB vs UTG As6s2s エクイティグラフ

4.A42(vs UTG)_エクイティグラフ

また、9 high 以下のボードも全てモノトーンなことから、仮説2は間違いであることが分かった。
これはUTG callにもわずかにセットのレンジがある+オーバーペアが多いことが理由であると考える。

5.使用サイズの異なるボード例(⑤)

今回は前回の方法とは異なり、特殊なボードを2例ほど触れていきたいと思います。

AKx(モノトーン)
SB vs BTNでは前述の通り、IP側にフラッシュのコンボが多いので、チェック頻度が高い。また、モノトーンボードは安いサイズが一般的に用いられる。

SB vs BTN AsKs5s

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SB vs BTN AsKs5s エクイティグラフ

5.AK5(vs BTN)_エクイティグラフ

しかし、UTG callのスーテッドはA、Kで構成されているものが多く、ボードにA、Kが落ちることでIP側のフラッシュがほぼ否定できる。
SB側も同様にフラッシュは少なくなるが、AA、KK、AK等が一方的にあり、ナッツ級のハンドがOOP側に多くなる。よってモノトーンボードにも関わらず、ナッツアドバンテージを生かした大きいサイズが好まれる。

SB vs UTG AsKs5s

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SB vs BTN AsKs5s エクイティグラフ

5.AK5(vs UTG)_エクイティグラフ

QJT(モノトーン以外)

SB vs BTNではナッツ級のハンド(AK、QQ、JJ、TT)はSBが一方的にある。(BTNは基本的に4 betを返しているため。)
よってナッツアドバンテージを生かして、ベット頻度が高くなる。

SB vs BTN QsJhTh

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SB vs BTN QsJhTh エクイティグラフ

5.QJT(vs BTN)_エクイティグラフ

しかし、UTG callにはAKoがあることはもちろんのこと、QQ、JJ、TTほとんど残っており、SB側が一方的に有利な状況ではない。
よってSB vs BTNよりはベット頻度が下がる。

SB vs UTG QsJhTh

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SB vs UTG QsJhTh エクイティグラフ

5.QJT(vs UTG)_エクイティグラフ

まとめ

最後に今回の結果をざっくりまとめます。

・Q high 以上、ペアボードはオリジナルのベット頻度が高い。
・9 high 以下はオリジナルのベット頻度が低い。
・J、T highはvs BTNの方がベット頻度が高い。
・A、Q high、モノトーンはvs UTGの方がベット頻度が高い。
・AKx(モノトーン)はvs UTG、QJT(モノトーン以外)はvs BTNの方がベット頻度が高くなる。

最後に今回使用したexcelシートを公開します。

いかがだったでしょうか。
今回もざっくり見ただけなので、上記通りにいかないボードもあるかと思います。
しかし、大まかな戦略の違いを知るという意味では上記のポイントを押さえておけば問題はないと思います!
上記ポイントを抑えつつ、細かいところは各自で学習していただけると幸いです。
今回の記事がよかったら高評価、フォローのほどよろしくお願いします!

次回、あのシリーズが帰ってきます。
「3bp SB vs BTN turn集合分析」乞うご期待!!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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