眺めて調和をはかる

中3のクラス会


怖い　不安　何が？

私なんかのこと　覚えてる？
話すことできるかな？
馴染めるかな？

恐る恐る会場に入る


おー！来た来た！座れ座れ！

同い年のオッサンが気さくに言ってくれる。韓国料理の居酒屋で。

そこで安堵。
良かった、覚えてくれていた。

次から次へと会話が飛び交う。
中3当時のクラスメイトにしか分からない事件、話題。

泉のように湧いてくる笑い。

怖い　不安　どこへ行った？

私なんて　という思いは？
どこへ行った？

この日限りのこのクラスを眺める

みんな中3に戻って素直な大人たち
遠目で眺めている

テンポのいいキャッチボール
遠目で眺めている

仲良し同士だった女子
遠目で眺めている

先生をいじって遊ぶ男子
遠目で眺めている


私はいつも眺めている存在


自分を隠していた訳でもなく
感情を閉じ込めていた訳でもなく
他人に合わせていたのではなく
ただ、眺めていた

ただ、眺めて調和を図っていたんだ。