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つもる話

先日、関東地方になかなかに雪が降り、我が家のある町も真っ白けになった。

この辺りは冬の寒さが厳しい地域で、ひと冬に何回かまとまった雪が降る。けど、ここ何年かは雪で参った記憶はほとんどなく、そういう時に思い出されるのは大体が数年以上前の出来事だ。

例えば、上の娘が産まれた時。大寒波が来ていて、その数日前に降った雪がガッチガチに凍っている中、夜中に陣痛が来た奥さんを連れて病院に向かったっけ。途中スタックしている車も何台かいたけど、こっちもそれどころじゃなかったので、とにかく無事に病院まで送り届けねば!と必死だったのを思い出す。


その次の年は記録的な大雪が降った。50cmを超える量となり、職場の駐車場からなかなか出られず、帰る途中もどこかの誰かと互いに助けたり助けられたりしながら何とか家までたどり着いた。

さらにその2~3日後にはそれを凌ぐほどの雪がまた降って、ついには家から出られなくなった。やっとの思いで庭の雪をかいて道まで出られるようになったけど、道路も同じような状態で積もったままで、完全に陸の孤島みたいな状態となってしまった。


そんなこともあって、もともと好きだった雪が次第に厄介者という存在に変わってしまった。


それでもどこかで雪を心底嫌いになれない自分もいる。いや、きっと世の大人みんなそうだったりするのかも。我が子たちは雪が降る中でも庭で楽しそうに遊んでいたし、昔の自分もこうだったに違いない。明日の仕事のこととか雪に悩まされる一方で、ちょっとだけ頭の片隅で雪に興奮している自分に気づく。その証拠に気づけば雪玉を握っているし、雪かきでヘトヘトになりながらどこか充実感も感じている。(豪雪地帯の人たちはそんな余裕もないでしょうが)

雪は音を閉じ込めつつ降り積もっていく。まだ日が昇りきらない明け方に、車のヘッドライトが照らす雪景色は幻想的だったりもする。演出としての雪は悪くないものだ。



そんな雪が予報ではまた降る。

う〜ん、やっぱり憂鬱だ〜😫


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