【競馬】【ジャパンC予想】全頭評価

【展望】
 東京2400mで行われるレースで、最終直線が長く末脚が生きやすい。先行馬であれば、長い直線である程度の足を使えるスタミナ、差し馬であれば、先行馬を差し切れるだけの鋭い末脚が必要。同型馬の少ない先行勢に若干の利は見込めるが、先週時点では極端なトラックバイアスはなく、先行馬、差し馬とも平等にチャンスのありそうな1戦。

【各馬の評価】
S ダノンベルーガ
 前走天皇賞・秋の上がり3ハロンは、勝ち馬イクイノックスの32.7に次ぐ32.8で2位。3位の33.2を大きく引き離しており、ダノンベルーガ、イクイノックスの2頭が際立った末脚の持ち主であったことが窺える。本レースと同コースの日本ダービーでは伸びない内を通りながら4着と好走しており、東京2400mの舞台も問題なさそう。勝ちきれないレースが続いているがいづれも内容は評価でき、差し馬の中では最有力な1頭。

A ヴェラアズール
 芝に転向してから3-0-2-0と好成績。本レースと同コースのジューンSではアルゼンチン共和国杯の勝ち馬ブレークアップに圧勝しており、さらに前走京都大賞典では、下記のA評価馬ボッケリーニに圧勝し、勢いのまま重賞初制覇。不利を受けることなくスムーズな競馬で勝ってきたこと、前走の派手な勝利で過剰人気が想定されることからA評価まで。

A シャフリヤール
 本レースを最大目標としてきたこの馬にとって、前走天皇賞・秋は叩き仕上げであったと考えられ、上積みに期待できる。しかし、前走の上がり3ハロンは33.6とS評価馬ダノンベルーガと0.8もの差があり、切れ負け感は否めない。昨年のジャパンC3着の実績からも過剰人気が想定されるため、A評価まで。

A テーオーロイヤル
 尼崎Sでは4番手でレースを進め上がり3ハロン34.4、ダイヤモンドSでは3,4番手でレースを進め、スローペースとはいえ上がり3ハロン34.8と先行しながら終いもそこそこ足を使えるといった印象。オールカマー5着は1つ外のキングオブドラゴンにポジションを取られ外目3番手を追走し、内前有利の馬場と噛み合わずの敗北で度外視できる内容。前走アルゼンチン共和国杯も最終直線入口で、内ラチに衝突したキングオブドラゴンを避ける形で右に大きくよれる不利を受けており度外視できる。ポジションさえ取れれば馬券内はありそうな上、近2走の敗戦で人気を落とすようなら必ず狙いたい1頭。

A ボッケリーニ
 テーオーロイヤルと同じく、先行しながら終いもそこそこ足を使えるタイプ。前走の京都大賞典ではヴェラアズールに力負けした印象だが本レースで斤量差がなくなるのは好材料。日経賞では勝ち馬のタイトルホルダーと0.1秒差の2着と健闘し、アメリカジョッキーCでは外差し有利の馬場傾向の中、1頭だけ内から伸び3着と実力は本レースでも上位。勝ちきれてないだけに軽視されそうな1頭で妙味十分。

A ヴェルトライゼンデ
 前走オールカマーは、内前有利の馬場傾向の中、外差しの競馬をしたことで惨敗。上がり3ハロン35.9と3番手からレースを進めた3ウインキートスより0.2秒遅いタイムだったことを考えると伸びなさすぎた印象。しかし、「手前を替えづらく、緩さも感じました」とレース後コメントにあるように叩き仕上げだったことに加え、右回りは合わない可能性も。鳴尾記念1着や日本ダービー3着と実績のある左回りコースに変わることや、前走の敗戦から人気が控えめになることを考慮しA評価。

B デアリングタクト
 前々走オールカマーは大外からの差しを狙うも勝馬と1秒差の惨敗。内前有利の馬場傾向だったとはいえ、3番手からレースを進めた3ウインキートスと同タイムの上がり3ハロンだったことを考えると伸びなさすぎた印象。前走エリザベス女王杯も得意の重馬場の中、最終直線で伸びを欠き勝馬と1秒差の惨敗。オークス1着、ジャパンC3着の実績はあるものの、ピッチ走法のこの馬は小回り、急坂、時計のかかる馬場など本レースとは真逆のコースを得意としていると考えられるため割引。さらには怪我明けから完全に復調しきれていない点、中1週のローテーション、初めての乗り替わりなど、数々の不安要素があるためB評価。

B カラテ
 前走天皇賞・秋は上がり3ハロン33.4となかなかのキレを見せており、差し馬有利が想定される本レースに合いそうな1頭。距離延長と久しぶりのコーナー4回コースへの対応が必須となるが、人気がないようなら狙いたい大穴候補。

B グランドグローリー
 昨年のジャパンC5着と海外馬では最有力な1頭。その実績から日本の高速馬場にも対応できそうだが、時計のかかった凱旋門賞でも5着と好走しており、かなりのオールラウンダーといった印象。安定感のあるタイプなだけに激走は期待しづらい。

B ユーバーレーベン
 昨年ジャパンCでは最終直線で進路を探しながら上がり3ハロン2位と健闘した。天皇賞・秋は体重が急減したこと、札幌記念は前残りの中で後方からレースを進めたこと、京都記念は慣れない先行競馬を試したことと、各レースの負けは理由付けができなくもない。オークス1着と実績のある舞台で復調に期待したい。

B ハーツイストワール
 早春Sでは前半3ハロン37.0とかなりのスローペスだったものの、終いの3ハロンは11.1 - 11.5 - 11.6とあまり減速せずに余裕残しだった。この馬自身の上がり3ハロンも33.5と優秀。前走アルゼンチン共和国杯では、最終直線入口で少し不利を受けたが2着と好走。人気薄なら狙いたい1頭。

C シムカミル
 パリ大賞ではオネストについでの2着と海外勢の中では日本の高速馬場にも比較的対応できそうな印象。しかし、過去の海外参戦馬の戦績を考えるとやはり買いづらい。

C オネスト
 本レースと同距離のパリ大賞の勝ち時計が2:27と海外勢の中では比較的日本の高速馬場にも対応できそうな印象。しかし、過去の海外参戦馬の戦績を考えるとやはり買いづらい。

C テュネス
 本レースと同距離の2400mのレースを2度勝っているが、勝ちタイムは2:44と2:35。本レースは時計がかかる馬場でも2:28秒台で決着しているため、求められる適性があまりにも違う印象。馬場問わず好走できるだけの地力があれば別だが、C評価。

C ユニコーンライオン
 前走の福島記念では怪我明け初勝利を遂げ、復調の目処が立った。しかし、直線の長い本レースでは逃げ馬が残ることは想定し難く、本レースへの参加も急遽決まったものであるため、万全の状態とは考えづらい。

C シャドウディーヴァ
 昨年の府中牝馬Sを最後に掲示板外が続いている。本レースで好転する要素も特に見当たらない。

C ゴールドスミス
 しばしば勝ち鞍が見られるものの、軽斤量や展開による恩恵が大きく、ここでは力足らず。

C トラストケンシン
 差し馬だが、上がり3ハロン34秒後半程度の脚しか使えておらず、ここでは厳しい。

C リッジマン
 地方重賞でも勝ちきれておらず、力足らず。

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