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外資による不動産投資市場発展への貢献について

はじめに

先ほど1本目の記事を書き終えて、現在朝6時手前、今日も仕事があるのにバカだなと改めて思いますが、「継続力は初手にどれだけ手を動かしたか」という持論と、Angela Lee Duckworthの有名なGRITの演説を言い訳に書きます。

とはいえ、本テーマは不動産投資の中で、非常に大事なトピックだと勝手ながら思っているので、記載します。

温泉旅館に見る不良債権回収劇

なぜこのトピックを選んだかは、「サウナ行きたい⇒温泉?⇒不動産投資の話繋がる!」という理由で大変恐縮なのですが、先述したように不動産投資中では大事なトピックなので、しっかり書きます。

こちらのゴールドマン・サックスによる小牧温泉再生のYouTubeをご覧になったことがあるでしょうか。

番組の表現上「外資=悪」と表現されており、非常にステレオタイプが混じった報道で、メディアの悪い点が出ていると感じる例だと個人的には思っていますが、個人的には、この再生事業こそ、外資による不動産投資市場発展の象徴だと思っています。

個人的にハゲタカと外資はきっちり区別するべきだと思っていて、例えば日本バイアウト研究所が出版している「事業承継とバイアウト」にあげられる書籍では、ハンズオン経営がメインで記載されていて、まさにそれは外資の投資ファンドであれ、ハゲタカでは全くないと思っています。(勿論、全てのPEファンドの経営方針に賛成することは出来ませんが、、)

その一方、減損会計の導入を機に、例えば企業が保有する不動産が有効活用されていないからという理由で、不動産売却、もしくは不動産事業としてカーブアウトすることを提案している場合は、"社会的公益に資する提案"をされているならまだしも、配当に回せ、という株主利益一方的な提案は、ハゲタカ、、と思っています。

勿論、資本主義上間違っていないし、リスクを負って出資している株主としては普通ですが、その企業に勤める人とその家族、その企業の歴史を考えると、実際に被った企業の方々と話したからこそ、いかがなものか、、と思う自分がいます。

ちなみに、サウナで思い出しましたが、銭湯の市場は縮小しております。詳細は以下の記事をご参照ください。

外資による2つの貢献

さて、本題である「外資による不動産投資市場への貢献」について記載していきますが、個人的には以下2つあると考えています。

1.米国流の不動産運用管理手法の導入
2.不動産アセットの差別化推進

まず、1の「米国流の不動産運用管理手法の導入」についてですが、バブル景気が崩壊したあとに、不良債権を外資がバルクセールで購入したことは聞いた人がいるかもしれません。

念の為、以下にバブル景気について自分の知識内で簡単に説明します。(概略のためザックリ書いてます)

1.米国が貿易赤字是正のため、ドル高改善を図るプラザ合意を'85年に実施
2.製造業中心の日本経済は輸出縮小から悪化
3.日銀が政策金利を戦後最低水準の2.5%にすることで借金しやすい状況へ
4.日本は銀行からお金を借りやすくなって、景気拡大
5.銀行は低金利から従来の貸付業務で儲けにくくなる
6.土地神話(都市圏の土地は狭いうえ、需要があるので地価が上昇し続ける)に銀行は目を付けて、中小企業や富裕層に不動産融資を持ち掛ける
7.本業以外(株など)で儲けを出す財テクブームを背景に、企業は保有する土地を担保に銀行借入をし、さらに土地を買う
8.土地需要増加と銀行の貸付増加により地価爆上がり
9.企業や個人は資産が多くあることから、消費が激しくなり景気拡大
10.日銀が’89年に政策金利を引き上げ、かつ’90年に総量規制で不動産融資の割合に上限を設ける
11.地価の値上がりを前提とした銀行の債権は当然回収できず、銀行は不良債権を多く抱える
12.企業への貸し出しが出来なくなり、倒産する企業や銀行(北海道拓殖銀行、山一證券)の増加

さて、不良債権回収を外資が行ったことについて皆さんはどう思われますでしょうか。

買い手として、米穀物商社最大手カーギルの金融子会社やローンスター、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーがあり、いかにも外資、、で悪い印象が多かったようですが。。

もちろん賛否両論あると思いますが、僕個人の考えでは、当時の日本企業や金融機関にとってメリットが多かったのではないかと思っています。

というのも、不良債権や低稼働不動産を処分せざるをえない一方で購入できない日本からすれば、対処方法に詰まっていたからです。

それに加え、CRE研究会編著の「CRE戦略と企業経営」の言葉を引用すれば、

○世界中の不動産や金融商品に投資を行いポートフォリオで戦略を持つ
○CFに基づく理論的な投資判断や物件評価を実施する
○実物不動産の運用管理な専門家のAMやPMに委託する
○運用益のみならず出口戦略(売却)も含め総合的に判断する
○投資家への期待利回り(目標)はかなり高い
CRE戦略と企業経営

とのことで、不動産のレビューが情報もわかりやすく多角的に開示され、本来の健全な企業経営に繋がる基となっているため、不動産投資市場への貢献は非常に大きいと思っています。

(とはいえ、個人的に株の持ち合いなどはアクティビスト参入を防ぐ障壁としてかえって、意味があると思っています)

今度どこかのタイミングで時間があれば、ダヴィンチ・アドバイザーズやリサ・パートナーズについて企業分析を書きたいですね。

さて、次に2つ目の「不動産アセットの差別化推進」ですが、こちらは先日の日経新聞で出たマリオットの例があげられると思います。
(こちらの2つ目は勝手な想像なのでご参照程度に)

以下は僕の肌感ですが、国内の大手企業で星野リゾートを除いて、地域ごとに特色を大胆に変えたリゾート・ホテル経営をしている会社はあまりないのではないか、と思っています。

もちろん、アパホテルのようにビジネス利用顧客であればそのような地域に合わせてコンセプトを変容する必要が無いため、同じ箱を作り、システムも同一化することでスケールメリットをそのまま享受することは分かりますが、、

これからインバウンドが戻るにつれ、高級ホテル全セグメントをマリオットが楽天と連携して開発するなど、外資の勢いが出ている中で、日本企業のホテル経営もより、地域特性にあったものがシティホテルでさえも、求められてくると個人的には思っています。

アナリストと話しても、外資不動産ファンドのホテルの推移考察は日本より楽観的だそうで、投資額やスピードもさらに開けてくるのではないかと考えます。

以下ホテルのランクについて参考程度に。

眠過ぎるため、中途半端な終わり方になってしまいますが、何事も偏見持たずマーケットを見たいですね。