pauper シミックランデス 思考録
背景
シミック進化を色々調べる中でたまたま目に付いたこのカード。
いぶし銀。好き。どうにか使いたい。
さて、これの何が強いのか。
・4マナ以上を戻せればバウンスとしてテンポを取れる
→バウンスにしてはテンポ得の要素は弱め。強みではない。
・バウンスにしてはアド損しない
→別にアド取れる訳ではないので、ここは強みではなく、あくまで弱みの払拭と見るべき。強みではない。
・ドローロックになる
→3マナで盤面干渉しつつこれができるのは強い。いつものネズミが「自盤面+1しつつドローロック」であるとするなら、これは「相手盤面-1しつつドローロック」ということになる。
・何でも狙える
→pauperにおいてパーマネントを置かないor置いた瞬間勝つデッキはspyくらいしか存在しないので、腐る機会がない。また、ネズミと比べた長所として、相手の手札が無くても土地を戻せばいいので仕事をできる。
ん?ドローロックできる?土地を戻せる?
ランデス、しよう!
土地なり生物なり戻して展開力を削げる。
ドローロックができる。
アンコウにある程度効く。
緑。
つまり、これが導くはランデス。
青と緑以外の土地は神の力によって滅殺される定め、そう聖書にも書いてある。
自分は中学から大学までキリスト教の学校で育ったので、敬虔なキリシタンとしては組まざるを得なかった。
案出し
強いランデス。特に迷いなく入る。
メイン戦術として据える場合、半端なランデスほど弱いものはないので、枚数を妥協してはいけない。ランデスをコンセプトにするならしっかり機能不全に陥らせる必要があり、相手の土地が17〜22枚程度とするならば、時間の泉を除いて12枚程度は最低限必須と考えてよさそう。これら+時間の泉を大前提に、残りの枠を決めていく。
ランデスを足すなら。
ランデスという「直接的には何もしないカード」を、雑なアドバンテージでカバーしつつ殴り切るフィニッシャー。追加のランデスを引き込む手段でもある。
ランデスで機能不全に陥らせたところにこれで一気に差をつけるのが主なゲームプランとなる。
ただ、熟考漂いは単品だとあんまり強くないため、もっと良いのがあれば考え直し。飛行で統治者との噛み合いが良いのと、最悪想起で3マナ域の暇潰しができるので良さそうかな?というところがあるので、ふんわり暫定として置いとく枠。ただ、トレストの随員は多くても4枚しか積めない+こういう枠は大体6〜10枚くらい欲しいので、代わりが見つかるまでは残留確定。青統治者は流石に重いか…
出た時から注目はしてたけど特に使うデッキが無かった奴。
除去の心配がないマナ加速ができ、かつ統治者防衛+軽量生物へのブロッカーになるあたり噛み合いが良いと判断。
ただ、これ自身からマナは出ない上にパワー0なため、ランデス同様の「結局何もしない」という実質的なアド損の面は気にかかる。
樹上の草食獣の枠を追加するならこのあたりか。
青でランデスするならこういうのも。
曖昧に「グダらせる」だけじゃなく、これらを使ってランデスの恩恵を明確なアドバンテージに置換していくことができるのは、青入りランデスの強み。
樹上の草食獣によるアド損を無かったことにする選択肢と、樹上の草食獣自体に存在価値を見出す選択肢。装備品が骨断ちの矛槍じゃないのは、パワーを上げつつ稲妻やら雪崩しやら汚涜やら軽い除去から逃れるため。熟考漂い・シャンブラー・トレストの随員も、それぞれ4/4飛行・5/5・6/6といい感じ。本来この辺りのサイズを殺しにくる雪崩しや汚涜を避けられるランデス要素との噛み合いも良し。
メイン調整
無窮の一人回しののち、以下の形に落ち着く。
クリーチャー:15
4:《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》
4:《カビのシャンブラー/Mold Shambler》
3:《トレストの随員/Entourage of Trest》
4:《熟考漂い/Mulldrifter》
呪文:23
4:《誤算/Miscalculation》
2:《成長のらせん/Growth Spiral》
4:《熱カルスト/Thermokarst》
3:《溶暗/Fade Away》
4:《時間の泉/Temporal Spring》
4:《ムウォンヴーリーの酸苔/Mwonvuli Acid-Moss》
1:《リスティックの研究/Rhystic Study》
1:《ヴァルショクの鉄球/Vulshok Morningstar》
土地:22
1:《島/Island》
10:《森/Forest》
4:《シミックの成長室/Simic Growth Chamber》
4:《茨森の滝/Thornwood Falls》
3:《進化する未開地/Evolving Wilds》
・強ランデスは当然4ずつ。刈り取りと種まきはコンセプト的に弱いので入らない。(緑単のビッグマナランデスならアリだと思うけど、6マナ払ってわざわざランパンするほど土地要らないため、ただの4マナランデス以上の価値がない)
・土地はバウンスランド4を含め22。樹上の草食獣や全体的に重めなマナカーブの大前提として土地が多く欲しい割に、ある程度以上のマナは要らないので、こんな感じに。2色土地は欲しいものの、バウンスランド+タップインランドのみの初手が絶望的に遅いため、未開地/変幻地/茨森の滝の枚数調整が中々難しい。
・シミックカラーの仕方ない部分ではあるものの、除去手段が時間の泉くらいしかないため、タイミングを選ぶとはいえ溶暗が必要な場面は多い見込み。逆に、よほど詰んでない限り何かしら使える溶暗と違い、リス研は序盤に引かないと弱い上に多少相手を選ぶこともあり、メインで積みすぎるのは得策ではないと判断。
・上記除去手段の不足があるため、トレストの随員4は軽いフライヤーが多い相手に対してリスキーと判断し一旦3。あくまで一旦で、いけそうと見たら4にするかサイドに1乗せる。
・相手のアクションに対して直接的に何もしない草食獣やランデスしか序盤の選択肢がないのは厳しい。そのため、2マナ打ち消しなり何かしらの軽量札は欲しい。
・ランデス要素を突き詰めるなら、誤算よりも記憶の欠落によるドローロックが強い気はする。ただ、ランデスの意義として「軽量呪文以外を腐らせる」という部分があり、その軽量呪文を結局利用させてしまうのはいかがなものか?という懸念が引っかかることから、丸い誤算にしている状態。
・他の打ち消し選択肢として、卑下は2ターン目に構えるに心許ないため入れていないものの、シンプルに自分のデッキを回しやすいのは嬉しく、採用候補には入る。スプライトは軽量呪文を潰せてコンセプトには沿うものの、このデッキで真に打ち消したいのは2〜3マナ域のパーマネントである(フィニッシャーが殴れないブロッカーを並べられると面倒だけど、1マナのちっちゃいのが多少いる分には盤面で勝てるので支障ない)ため、そこに沿わずアウト。
・マナ加速要素が樹上の草食獣のみだと物足りなく、少し足したい。→上記の軽量対処呪文がインスタントであれば、一緒に構えられる成長のらせんが良さそう。ただ、序盤に一瞬だけマナ加速できれば十分だし、先手ならマナ加速なくてもどうにかなるので、積みすぎ注意。
サイドボード調整
サイドボードは以下の形。
割と固まっているメインと比べて、こちらは悩ましい部分が多い。
現状これ。
4:《自然のままに/Natural State》
2:《暗影の蜘蛛/Penumbra Spider》
1:《大食のテュポーン/Voracious Typhon》
2:《払拭/Dispel》
1:《消灯/Curfew》
3:《嵐の乗り切り/Weather the Storm》
1:《溶暗/Fade Away》
1:《リスティックの研究/Rhystic Study》
・根本的な考え方として、「トロンも拷問生活もスムーズに土地を割り続けられば御し易いはず」という部分があるため、墓地対策は無しの方針。(拷問生活は怪しいかも…)蓄積した知識や各種フラッシュバックは相手の土地が伸びてなければそこまで怖くない。アンコウは…打ち消しなり戦闘なり、他でどうにかする。強く生きろ。
・ランデスが効きにくいアグロ系に対して、それぞれ何かしらのアプローチが必要。ただ、効きにくいとはいえ土地が0〜1になればどうしようもないし溶暗で壊滅させられるので、戦い方の選択肢としてはランデスは依然入る。
バーン:こちらはクロック細いため完全に捨てるわけでなければふんわりしてない明確な対策が必要。→嵐の乗り切りを3〜4枚、払拭や水流破などの軽量打ち消しを3〜4枚。
親和:溶暗が刺さりづらく辛い。シンプルに置物破壊を入れることで土地でも面倒なのでも割れるように。→自然のままに、もしくは壊れた絆を4枚。単純なカードパワーを優先するか、自身の展開速度と少しばかりの対象範囲増加を優先するか。現状、自然のままに。
緑単などストンピィ:布告や飛行クロックの対策になる暗影の蜘蛛がここ相手にも悪くない仕事をしそうなので、これもIN。ただ、レインジャーによってランデスすらうまく効かないことや、リバーボア・怨恨の存在を考えると、溶暗をうまいタイミングで刺せない限りここはかなり厳しい戦いになる。シミックカラーでこれを対策しようとすると他に刺さらないカードを何枚も積み倒す必要があるので、結局のところここは捨て気味で専用サイド用意せず、レインジャー不在を祈りつつランデス+溶暗からのマウントを目指して頑張るのが正解と思われる。
・コンボは、土地を伸ばす必要があるデッキはランデスそのものが刺さるのでそこまで気にしなくてよさそう。ただ、マナクリによってランデスを否定するタイプのデッキ(というかエルフ)は、赤や黒が入っていないためサイドの用意すらできず滅殺を受け入れるほかなさそう。
・ボロスは、置物破壊も溶暗もザクザク刺さるのでサイド後は動きやすい。ただ、土地が伸びるほど強いデッキではあるものの、軽量呪文が比較的多いデッキでもあるので、攻めも守りも最低限の動きはされてしまうのが怪しいところ。ちょっとやってみないとわからん。
・黒単は、ハンデスもりもり型でない限り、土地が多く必要なので割とどうにかなりそうではあるものの、土地の母数が多い+1〜2マナ除去がある程度多く入っているため、向こう自身の能動的なアクションはあまり取れずともこちらの生物はある程度捌かれ消耗戦になる見込み。消耗戦になると、向こうの土地の数>こちらのランデスの数であるため、じわじわと土地を伸ばされてしまいかねないため、ある程度攻められるよう除去に強い暗影の蜘蛛や大食のテュポーンなど入れたいところ。
・青単フェアリーは、素直にランデスしつつ溶暗のプランになると思う。溶暗1枚打ち消されると途端に辛いので、できれば払拭など構えつつ撃ちたい。また統治者の維持が困難になることもあり、暗影の蜘蛛は欲しいところ。
・打ち消し系の重コントロールには、マスカンをとにかく増やしていきたい。ランデスは当然としつつ、樹上の草食獣のような身にならないのを抜いて、リス研・暗影の蜘蛛・大食のテュポーンなどを追加。また、序盤のランデスを打ち消されてドローでしっかり土地を確保しながら動かれると厳しいので、やはり払拭は欲しい。
こんなもんかな。終わり!閉廷!
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