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喫茶店が閉まる話

職場の近所に昔ながらの喫茶店があるんです。
今の時代はチェーンのカフェも増えたしコンビニのコーヒーも美味しかったりで都会じゃあんまり見なくなりました。
とはいえここ大阪では結構こういう古くさいお店がまだ残ってたりもする。

どのくらい古臭いかと言うとランチタイムであれ今の時代に全席喫煙なんだから。
それならまだしもなんならマスターも落ち着いたらカウンターでタバコ吸い始めるんだから流石に令和に来れてないって話ですよ。

そんな喫茶店でいつものように食事してたらマスターが
「あれ?今月末で店閉めるって言ってましたっけ?」
って。いや知らんw

「あぁごめんごめん。バタバタして言いそびれてたわ。今月末で店閉めるんですよ。」

そう聞いて「あらそうなんですねぇ」とだけ返した自分、今考えればもう一声言葉を繋いでも良かったような気もするんですが
あんまり人に聞かない性格というか、言いたければ言ってくるだろうから言われたことだけを受け取るってのが僕のスタンスなので
ちょっと冷たかったかな?とは今になっては思いつつも咄嗟に口からは出んかった。

で、マスターが言うには店を閉める理由は店の入居してるマンションが老朽化で取り壊しだからだとか。いやぁそれはどうしようもないね。

僕がこのお店に来るのは多ければ週に2回?少なくとも2週に1回くらいなんだけど、これが例えば売上が〜って話だったらこちらも反省してしまうところがある。
まぁ客が反省するのも変な話ですけど。
でもランチタイムはそれなりに繁盛してるし夕方は17時には店閉めちゃうような気ままな感じでそこは大丈夫な感じだったんですよね。

ところがこれが建物の取り壊しじゃ抗いようもない。なのでそう言われて
「あぁそりゃどうしようもないっすね〜」
とそのまま返してしまったw なんというやつだ

マスターが「40年やったのに寂しいもんやわ」って力無い声で呟いてました。
マスターはパッと見て後期高齢者には見えない程度の高齢者。これが40年となると30代には店開いたのかな?って思うとすごい話。
そんな勇気もモチベーションも僕にはないですよ

僕ら会社員ですら一定の年数働けばそれなりに会社に対する気持ちはあるので無くなるとなれば寂しさはあるはずです(理論値)
人の感情を理論で語るなと言う話ですけどw

恨みつらみもなければそうはなろうという話なんだけど、これが自分で店を構える一国一城の主ならなおのことだろう。
定年退職してボケてしまうみたいな話を聞くことはあるけど個人事業主はもっと心配だマスター大丈夫かな?などと余計な心配をしてしまった。

そもそも僕がこのお店に来たのは大阪に転勤してきてからだから、何年前だ?わからん。
僕は職場の人とお昼に行ったりするのは好きじゃないのでたまたま1人で入ったお店でしばらくして職場の人が来ない店だと気づいてこりゃあ良いやと居ついた感じ。
料理も結構美味しくて、しかもクラシカルなザ・サ店飯が出るので家のご飯のインスピレーションももらってたりする。

中肉中背で個性がない僕でも、こんな個人経営の喫茶店に1人で来てればそれなりに覚えてもらえる。
まぁまぁ居心地良く過ごさせてもらいました。
新天地の生活を支えてくれたと思うとやっぱりちょっと寂しいなぁって改めて思いますね。

帰り際に「在庫余ってるからマッチ持ってってよ」って言われてせっかくなので

お店のマッチをもらいました。
そもそもお店のマッチがあること自体に歴史を感じるw
使うことはほとんどないだろうけど、というかこう言うのは使えんよねぇ。

「今月末まであと何回行けるかなぁ?」
そんなことを考えながらモスバーガーのスパイシーチリドッグを頬張りつつこの記事を書いたのでした。
モスバーガーに罪はないのじゃ

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