回想 壱岐を想う

壱岐の海は雄々しい。寄せ来る波は荒く、砂浜は少なく半島は断崖絶壁で、風は強く、縁に立つと一瞬心臓の高鳴りを覚え、海に吸い込まれそうな感じがする。そこでの自分は世間を離れ、つまらない事を忘れ、何を考えることもなく、ただ自分が今そこにいるということだけをわずかに感じながら時は流れる。家はそこにある。しかし今自分のいる所からは到底辿り着けない所にあり、全く次元を異にしている。旅とはそういうものなのだろうか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?