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日記。

 あたたかい。これは昨日の話だ。先週末は48時間のほとんどを布団の上で過ごしており、土曜も起きたら18時だった。2週間連続で虚無をやるのはあまりにもあんまりだ。なにかしなければならない。もう28時半だが、まだ眠くはない。そういえば今日は暖かいからチャリに乗ろう。そう思い立って自転車を引っ張り出してきたのだった。

 この自転車は3年前に友人にもらったロードバイクだ。普通のママチャリの方が便利でもう使わんから、とタダでもらった。奴の家は横浜にあったので、その日のうちに埼玉まで漕いで帰ってきた。以来、歩いても10分で着くイオンに行くのにそれは使われていたので、それなりの距離を乗るのはなんとその時以来である。俺だって別にママチャリで良かったのだ。しかも、ここ1年ほどの間、バルブと空気入れが順番に壊れて乗れていなかった。この前アリエクのセールで思い出したように部品を買ったので、2ヶ月ほど前にようやく直ったところである。

 メットを片手に家を出て乗ってみて気付く。ライトが無い。家の中に取りに帰る。それっぽいところをひっくり返してみたのだが見つからない。気付けば5時になっていた。どんどんやる気が低下していく。結局、このままでは完全にやる気を失ってしまうと諦めて、登山用のヘッドライトにした。

 改めてチャリに乗る。漕いでみる。寒くない。これは、春だ。自転車に乗るなら1番いい気候。俄然やる気が出た。100キロくらい漕いでやるかと意気込んだ。

 自転車自体は割と好きなのだが、車道を走るというストレスがかなり嫌で、それが自転車の遠乗りをあまりしたくない理由だった。なので、荒川に出た。大きな河川敷ならサイクリングロードがあるだろう。果たしてその通りで、しばらくの間快適に走った。

 夜が開けてきた。朝日が昇る私は旅をするというのは聞こえは良いのだが比較的健常思考で、生活サイクルが壊れたやつとか、山の上にいるやつとか、人と会いたくないやつとか、野宿してて後ろ暗いやつとか、そういう奴らはだいたい暗いうちから活動してるもんである。まあ全部自分のことなのだが。で、自分の場合夜から活動していて朝日が昇ってくると逆に気力を失うことが結構ある。久々のチャリで体力も落ちて早々に足と尻が痛くなってきており、やる気は急速に失われていった。

 このまま何も成し遂げずに帰るのも問題だと思い、近くに何かないか調べる。セコマがあった。茨城と埼玉に時々あるセコマ。これならまあいいか、と方向転換して大宮に向かった。そのうちに到着し、アイスを食う。やはりセコマアイスは定期的に食べておくもんである。そういえば朝飯を食べていないことにも気がついた。じゃあ近くで探すか。松屋とかすき家みたいな家の近所にあるやつは避けたい。と、山岡家があった。まあ良かろう。朝ラーを食べた。朝からマイルドヤンキーで混雑しており、埼玉の実力を見た。しかしセコマに山岡家って俺は北海道に来たのか。そんなことはない。あたたかいからだ。あたたかさが北海道と埼玉を隔てている。

 帰宅した。9時であった。50キロ弱走ったらしい。はじめ意気込んでいた半分だ。足もそこそこきていて尻は普通に痛い。敗北であった。空気だけが暖かかった。風呂を沸かして入る。風呂も温かかった。寝る。布団も暖かかった。春らしい。実は敗北の二文字だけが寒いらしい。

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