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 久々に世間っぽい週末を過ごした。何をしたかというと公園に行き、ニトリで家具を見た。どうだ、幸せな世帯持ちのようだろう。
 …と書くからには、というかそもそも自分に限ってそんなことはないのだが。別に世間の幸福とされる行為を反発心から暴いてやろうとわざわざやろうとしたわけではない。公園に行ったのはとあるゲームの背景に使われていたフリー素材のブランコを確認するためであり、ニトリに行ったのは同じく背景にあったニトリの家具を確認するためである。
 よっぽどこちらの方が異常者のようである。言ってしまえばストーカーだ。対象は人間ではなくコンテンツだが。5月のよく晴れた土曜の午後、小学生や子連れなどどこまでも平和な光景だが、その中に実はおかしなことを考えているのが混じっている。と、ここで実は自分の考えていることに関わらず、自分のような人間が休日の昼間に公園にいることそのものがおかしいのではないかという気がしてくるのである。子連れでない成人男性(老人ではない)は見渡してもいないのだ。公園は開かれた場所であって、一方で開かれていても招かれていない人間はいるようである。

 そう思うともはや何を考えているか以前に問題があるので、逆におかしなことを考えながらブランコを凝視しても別に良いのかもしれない。ただいるだけで不穏なゆらぎを与えてしまうのだし。いちおう、公園だって万民に開かれた場所なのだ。

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