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【ライブメモ】tacica猪狩翔一『一夜の宴』 at 2019.11.01名古屋CLUB UPSET

概要

『一夜の宴 2019』
猪狩翔一(tacica)×クボケンジ(メレンゲ)
2019年11月1日(金)@名古屋 CLUB UPSET

猪狩さんの弾き語りは8/23、10/13(@下北沢HALF)に続いて今回で3回目。名古屋CLUB UPSETでの弾き語りは去年も開催されたけど猪狩さんは体調不良により2曲のみの披露だったので、今回はそのリベンジの意味もあったのだと思う。

セットリスト

01. バンドワゴン[新曲]
02.未来戦隊SOS(仮)[新曲]
03.嘲笑(原曲:玉置浩二
04.僕ら[新曲]
05.スープ[新曲]
06.[新曲]※あのね〜ってやつ
07.[新曲]※まるで北風と太陽的なやつ
08.STARS(原曲:ORIGINAL LOVE
09.[新曲]※喜びという形のないものに全身が救われるやつ
10.異邦人(原曲:久保田早紀
11.[新曲]※10/12台風で避難中に作った灯台の明かり消すやつ
en.中央線(tacica)

弾き語りでは新曲とカバーを演るというコンセプトらしい。『バンドワゴン』『未来戦隊SOS(仮)』『僕ら』は8/23と10/13の弾き語りでも歌っていて、#11の新曲は10/13に続いて2回目の披露だった。#6、#7、#9の新曲は今回が初披露。

会場とか服装のメモ

ステージは『LEO』のジャケ写のようなおしゃれな裸電球の照明5個がマイクスタンドを囲むように配置されていた。客席は前方が椅子席で後方は立ち見。去年の同イベントよりも椅子の間隔にゆとりがあって座りやすかった。

猪狩さんの服装はロンTにHURRYBOATのTシャツの重ね着、ボトムスはデニムで、足元はコンバースのスニーカーのイメージが強い猪狩さんだけど今回はブーツだった(ハードじゃない、トレッキングブーツ的な感じ)。

弾き語り用の楽譜ファイルは、表紙に自腹で作ったという8/23の弾き語りから配り始めた"HURRYBOAT"のステッカーと、お子さんが描いたであろうイラスト(山みたいな緑色のギザギザ)が。tacicaのときとは打って変わってプライベートが垣間見えるのがいい。

楽曲のメモ

# 01. 『バンドワゴン』
締めの、"扁桃腺が腫れても"が印象的。3分に満たないほどの短い曲。弾き語りをしていると「バンドをやりたい」という想いが強くなるのだそう。

# 02. 『未来戦隊SOS』(仮)
「各方面から止められる」からタイトルは"(仮)"。下北沢HALFで初めて聴いたときから第一印象で大好きな曲。〈SOS見逃して、SOS見逃されてしまっても〉というフレーズが強く印象に残る。

# 04. 『僕ら』
細胞からやり直すやつ。これも下北沢HALFで2回聴いていた。聴き慣れると好きなってくる。サビ終わりと曲終わりにくりかえし〈僕ら〉と出てくることから、「タイトルは『僕ら』以外考えられないよねという、ただそれだけの理由です」とのこと。『中央線』のような畳みかけるような言葉のつなげ方が印象的。

en.『中央線』
〈明日歌える保証は無い〉。台風の翌日の弾き語りライブでぜひ聴きたいと思っていたので今回聴けて嬉しかった。確かなものなんて無い。今この瞬間の尊さを感じずにはいられない。

カバー曲『嘲笑』は、なんと対バン相手のクボさんと被るというミラクルが起こった。リハの時に猪狩さんはすぐに変えますと申し出たけれど、クボさんにいいよと言われたことと、お客さん目線で考えてもなかなか体験できることじゃないと思って歌うことにしたということだった。

MCのメモ

「(新曲ばかりで)酷なこと強いているよね」と申し訳なさそうにしていたけれどこちらとしてはそんなことは微塵もなく、むしろ貴重すぎる機会に喜びを反芻するばかりであった。それを伝える術が柔和なリアクションしかないのがもどかしかった。そんなときに猪狩さんが咄嗟に、「昨日まで世界で僕しか知らない曲だったのが、今日は、僕とここにいる人しか知らない曲になった」と言っていて痺れた濡れた。そゆとこだよ。最高だよ。

tacicaについて、「年明けからガシガシ動きます」ということと「べつにネガティブなことじゃないから言うけど、すこし環境が変わりそうで……がんばります。……がんばるといってもただ音楽をやるしかないけど」と。tacicaがtacicaであるかぎり応援することには変わりないし、ただ良い環境であればいいと願うばかりだ。

ライブ後…

たっぷり1時間。終了したのは21時半を過ぎていた。名古屋駅まで地下鉄で10分ちょっとかかるのに加えて、新幹線の終電が迫っていたので心がせわしなかった。終電を気にしてしまうと気持ちがそればかりにとらわれてしまっていけない。大人なんだしどうにでもできるのだからもうすこし余裕を持って生きたい(新幹線には無事間に合った)。帰りの電車ではなにも音楽を聴く気になれなかった。耳に何も入れたくない気持ち。そして気づいた。あ、これが余韻か。余韻とはこのことか!と実感したのであった。

新幹線でおいしいビールが飲みたい!