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【ライブメモ】tacica 結成15周年記念公演「象牙の塔」at 2021.04.03 中野サンプラザ

概要

tacica 結成15周年記念公演「象牙の塔」
2021年4月3日(土)@中野サンプラザ
1st stage OPEN 15:15 / START 16:00 (〜17:20頃)
2nd stage OPEN 18:15 / START 19:00(〜20:20頃)
※配信有り

サポートミュージシャン
Drum : 中畑大樹
Guiter:野村陽一郎

セットリスト

01. 烏兎(2015年AL『LOCUS』)
02. aranami(2020年Sg)
03. 命の更新(2011年Sg)
04. YELLOW(2017年miniAL『新しい森』)
05. SUNNY(2018年Sg)
06. 象牙の塔(2020年Sg「aranami」c/w)
07. 冒険衝動(2020年Sg)
08. 煌々(2018年Sg)
09. ordinary day(2018年Sg)
10. 回転盤(2017年miniAL『新しい森』)

en 01)  ねじろ(新曲 / 2020年4月5日配信開始!)
en 02) HERO[1st Stage](2007年miniAL『Human Orchestra』)
en 02) アースコード[2nd Stage](2008年『黄色いカラスe.p.』)

会場のことなど

ついに開催。当初は2020年4月5日の15周年記念日に公演するつもりだったものが、一度は2020年8月に延期、このご時世で再度延期&払い戻し。年が明けて2021年4月、15周年中のギリギリで開催と相成ったこともあり、前日からすでに緊張していた。

グッズの先行販売が12時からということだったので、余裕を持って11時過ぎに会場着。すぐにグッズ待機列が作られた。春というよりは初夏といった気持ちのいい快晴で日差しが暑く、ちょっと汗ばむほどだった。1時間弱並んでいたがとにかく楽しみな気持ちでいっぱいだったので、こういう待ち時間ですら苦ではなかった。いつものグッズ販売はマネージャー・なるやん一馬力だけれど、流石にこの規模なので会計は三ヶ所用意されていた。買うものはあらかじめ決めていたものの、TシャツのSサイズの実物を見たら思いの小さかったので急遽Mに変更。ずっと欲しかったピック2種も無事ゲットできてよかった(CD購入特典)。会場限定のTシャツは早々に売り切れていたようなので、早めに到着できてよかった。慎重な性格が幸いした。

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1st Stageまで数時間あったけど、ランチを食べたり(ハンバーグカレーが美味しかった)、本屋でぶらぶらしたり、近くの公園でまったりしているとあっという間だった。早く観たい気持ちと、始まれば終わってしまうさびしさもあって、とにかく感情が複雑だった。そしてこの日、音楽を一曲も聴いておらず、なんとなく聴く気にもならず、真っさらな気持ちでライブに臨みたいという思いがあった。珍しくツアーTシャツを着ちゃったりして、準備は万端を通り越して完璧だった。

15時15分開場。FC鹿の仔限定のラジオがあることを思い出し、指定席だったけど早々に入場した。普段ライブハウスで整理番号順なので指定席は不思議な感覚。トイレに行ったり15分ほどのラジオを聴いているとあっという間に開演時間になった。少し忙しないほどだった。

感想など

1stと2ndともに座席がめちゃくちゃ良くて、こんな場所で記念公演を観られて幸せの極みだった。ステージ上には象牙の塔の大きなタペストリーが掲げられていた。白の線で描かれていることがポイントで、当てられる照明によってその色が自在に変化して、それだけで十分演出になっていた。

本ライブのトレーラーで流れていたBGMとともにメンバーが入場。全員、黒の襟付きシャツ・黒パンツで正装といった感じ。Space Folkのときもシャツを着ていたけど、さりげないドレスコードが良い。足元は、猪狩さんはいつもの白コンバース、小西さんはレザーのブーツ。中畑さんに加えてギター野村さんが加わり、久しぶりの4人体制。2019年のTOMOE以来か。ギターが増える分、音にも厚みが増して3ピースとの違いがとても楽しい。

一曲目は『烏兎』。10周年記念ソング的な立ち位置の曲から始まった。終わってから冷静になって考えるとすごい選曲。LOCUS tour以来の演奏か。周年ライブならでは。セットリストは10周年以降の5〜6年間の楽曲が中心。これ以外にないというセットリストで、納得以外になかった。その中でも『命の更新』が入っていたのは、先の人気投票で上位だったということに加えて、10周年から15周年、そしてこの先も更新していくという意志の表れではないだろうか。(あとやはり、としくんのこともあるんだろうか……)

『aranami』は要注意ソングだ。泣いてしまう。イントロが大好きってこととと、希望満ちあふれる照明と、歌い出しの〈生きていくなら〜〉で泣く。生演奏だと、その切実さの迫力が違う。終始目が潤んでいた。感情がぐちゃぐちゃだった。最後のフレーズ、〈ここで生きていく証だ〉でとどめを刺された。

そして『象牙の塔』を満を持して聴けた。MCでも「今日まで頑なに演らなかった曲」と言っていた通り、15周年のための楽曲。ようやく聴けた喜びと、一音も聴き逃したくない気持ちで、曲中ずっと緊張していた。照明の演出もまた素晴らしく、真上からのスポットライトが4人それぞれに当てられ、それがまるで4つの塔のように見えた。

アンコールは、新曲かDANか人鳥哀歌あたりを予想していて、結果、新曲とHERO/アースコードだった。Twitterで見かけてなるほど!と思ったのが、HEROは10周年記念公演『烏兎』の1曲目で、アースコードはアンコールラスト曲だったとのことで、そこはかとなく意図を感じて、ジーンとした。

新曲「ねじろ」は弾き語りでずっと歌っていた曲。アレンジによってめちゃくちゃ印象が変わるのが面白く、とても贅沢な体験。バンドバージョンは後半にいくに連れて豪華になっていく感じで、後半のサビメロは一部アレンジが変わっていてそれもまた楽しかった。

アンコールにDANを期待したけど、今日はそういう日ではなかった。それにしても、いつになく黒のグレッチの出番が多かった気がする。アースコードはいつもなら白いギターだったような気がするのだけど。

ちょうど一年前は『aranami』を先行配信した時期で、そこを皮切りに丸一年間駆け抜けて、それの締めくくりだった本公演。2020年は世界が大変な一年だったけれど(そして今もなお、落ち着いてはいないけれど)、それでもできる限りの活動をしてくれてとても心強かった。何より、心の支えだった。最後のMCで、「また会えたらなと、無責任にも僕は思っています」というまっすぐで真摯な猪狩さんの言葉に胸を打たれた。16年目に突入するtacica。ますます目と耳が離せない。

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