33歳派遣社員の私が好きになってしまった相手の男性

仕事のある朝はギリギリまで寝ている私。
それが5時に目が覚めた。

そう。
昨日一目惚れをした男性がいる場所(会社)に行くから、気持ちがルンルン(死語)なのだろう。
遠足を楽しみにしている小学生みたいだ。

朝ご飯は毎度の食パンに牛乳。
バターをパンの上に乗せ、トースターで焼く。
6枚切り食パンを2枚食べる。
食べながら日本テレビのZIPを見る。

見ながら
「東北さん(片思い中の相手の呼び名)は今は何をしているかなぁ?」と考える。
一人暮らし?
家族と?
既婚者、、、ではないはず。
左手薬指に指輪はなかった。
いや、たまたましない男性なのかも。
年齢は?
どこの生まれ?
転勤だから派遣社員じゃないよね。
正社員だよね。
などと、朝からずっと考えていた。

宮城県のお土産をいただいたから(部署内全員に)多分仙台支社から来たのだろう。
サンドイッチマンは好きだろうか?
私は好きだけど、お笑いは興味がない気がする。

東北さんは
見た目は30歳くらい。
背は高め。
体重は普通。
顔は、、、、誰かな。
高橋一生をもっとハッキリした感じ?
いや、どんな顔だよってツッコミが入りそう。

さて。
今日は何を着ていこう。
正直ファッションセンスがゼロ。
でもなんとなく今日だけは、、、目立ちたい(笑)
って事で今日着る服は
黒いパンツに薄いオレンジの薄いセーターだ。
なんとなくいい感じ。
目立ちすぎず、でも暗すぎず。

会社の最寄り駅で下車して向かう。

いつもより若干姿勢を良くして歩く私に後ろから「気合入っているね!」と聞こえる。
振り向くと同じ派遣社員の男性「出雲」が居た。
彼とは同じ年齢で同じ派遣社員だ。
しかも同じ大学でその時からの付き合いがある。
かれこれ15年来の付き合いだ。
出雲生まれだからとりあえず出雲と名付けた。
お互い地方出身者で、派遣社員って、、、と軽く目眩がする。
そんな出雲に「気合入っている」と言われ、いささか恥ずかしくなった。
まさか私の一足早い春の気持ちがばれた?と思いつつ
「気合いって何?」と無表情で言い返した。

出雲は
「巨人!!優勝決まる?今日試合見に行くの?」と言われて卒倒しそうになった。

しまった。。。

オレンジ&黒って読売巨人軍カラー(笑)
巨人じゃん。

ちなみに私は大の巨人ファンだ。
そろそろ優勝が決まるかもしれない。
でもそれに合わせてオレンジを着るほどマヌケじゃないし、若くない。

「ちっっっちがうよ。洗濯してなくてこれしかなかったんだよ!!!」と言い訳しているうちに出雲は笑いながらコンビニに入っていった。

どうしよう。
巨人カラーの私を東北さんはどう感じるだろう。
東北さんが宮城生まれだったら、楽天イーグルスファンか。。。
とか、どーでもよい事を考えていた。

社内に入り気取って歩く自分が居た。
誰も見ていないのはわかっているが、これが「恋愛」の怖さか。

自分のデスクに座ろうとすると、なんと!!!
私の斜め前に東北さんが座っているではないか。
普段は私の向かい側に座る出雲の頭がチラチラ見えるせいで「パーテーションが低い!!」と不満があったくせに、今はこのパーテーションが邪魔で仕方がない。
蹴り上げたい気分だ。

まさか45歳の男性社員の代わりに東北さんが同じチームに来るなんて。。

ドキドキしながら
「おはようございます。」と発した瞬間、東北さんは立ち上がり「おはようございます。仙台から移動して来た△△○○です。よろしくお願いします」と頭を下げてきたではないか!!!
派遣社員の私にわざわざご丁寧に挨拶??と思いつつ、
「私は○○○○です。よろしくお願いします」と笑顔で返した。
きっと顔は茹でタコのように赤かったはずだ。

どうしよう。
斜め前に一目惚れをした男性が居る。
朝から晩まで職場に居たい。
どうしよう。

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