リヴァプール:スローイン分析(中編②) - Spielverlagerung
ディフェンシブサード
強くプレッシャーをかける絶好の機会となるため、ほとんどのチームが更なる漸進を妨害するためにアグレッシブなプレッシャーを行います。ここでは、オフェンスのチームは、たいていボールを失った時のために狭くなります。そしてディフェンスのチームは、ほとんどのチームがプレッシャーから抜け出すためにロングボールを投げてくるので、深さを無くしてセカンドボールを拾うためにも、よりゾーンで守ります。
この状況を積極的に使えば、スペースを奪いに行きながら、ロングスロー後に更に深い位置でのスローインを獲得しながら新しい状況を作るという良い戦略にもなり得ます。リヴァプールは、ニアサイドに重点的に人数を割くため、彼らはプレッシャーに対してより前方に長いスローを投げます。そこにはいくつかの理由があります。ニアサイドに人数を割いていることでセカンドボールを拾う可能性が高いこと。よってボールを失ったとしても、カウンタープレスをかけて、相手の陣形の狭さを利用する絶好の機会となります。
セカンドボールを勝ち取る場面からは、ただちにボールから遠いサイドバック(FB)にサイドチェンジするか、相手の最終ラインに対して長いボールを蹴ることができます。2つ目に関しては、ボール付近のウィンガー(W)がFBを引き寄せ、センターバック(CB)がセカンドボールのために前に出てきているかもしれないので、裏にスペースが生まれ、カバーしにくくなっており、相手が全体的に広がっているからです。
ここでの主な狙いは、ワンツーをし、相手のカバーを減らすためにボールから遠いFBへとサイドチェンジすることです。加えてファーサイドの相手の狭さを利用する目的もあります。深い位置でのスローインのため、ほとんどの場合、ワンツーをするためにより多くスローワーに向かっていく動きが行われます。自陣での高さやスペースの欠如、横への動きが可能ではない、または適切ではないからです。
動画1:スペースを作り、ディフェンスに人数をかけさせる動きです。そして、ラインを高くして、ただちに組織化し相手にプレスをかけることで、とてもスムーズな回復の局面に移ります。
動画2:相手のマークを上手く扱うために、カギとなる原則やルールを維持しながら動きや適応性のあるダイナミックさを継続させます。
動画3:プレッシャー下でのスイッチの可能なパターン: ディフェンシブミッドフィルダー(DM)が離れ、 & 2人のセントラルミッドフィルダー(CM)が下ります。そして2人のCMが離れ、DMが下りる。2つのDMとCMによる反対の動きによってフリーな味方を作ります。
動画4:ボール付近のCMが普段通りにブロックし、その周辺でセカンドボールをコントロールし、サイドチェンジします。
動画5:ボールから遠いWや左ウィンガー(LW)を近づけさせ、ボール付近に数を増やすことでセカンドボールを拾うための全ての方向がカバーされます。加えて最終ラインを広げることもできます。もしディフェンダーがラインより高く出てくれば、ボールに近いWのサラーは、すぐ最終ラインにアタックする良い状況になるでしょう。
ミドルサード
ここでは、攻撃と守備の両チームともリスクを冒しすぎることなく彼らのアプローチを混ぜる機会があるため、最も変化が起きる場所です。よって、守備側のチームはボール付近ではゾーンかマンマークを使い、最終ラインはボールに寄るか下りる選手についていく、またはボールから遠いサイドバック(FB)へのサイドチェンジを妨げるために遠い位置のWがより狭まり、ボール付近や幅のある位置でのカバーをします。
攻撃のチームは、大抵ターゲットとなる選手が誰になるかによって、ボールから遠いFBやWが幅を取るか狭まるかを混ぜ合わせます。一般的には、攻撃のチームが遠いサイドでは若干幅を取り、通路を確保するために守備に修正させてより幅を取らせるようにします。
ここでカギとなるのは、どのようにボールから遠いWが守る時に位置するかです。もし幅を取ってサイドチェンジを妨げようとするのであれば、ボール付近の選択肢によりスペースを与えます。もしその選手が内側に入り、横のコンパクトさやボール付近の人数のコントロールを与えるのであれば、相手のマークを上手く扱うために、よりスイッチや下りる動き、反対の動きなどが必要となります。
動画6:ボール付近に人数を割く効果: カバーの数を減らすことによって、スローワーに相手が付かず、ボールがアクティブになると共にボール付近での数的有利がすぐさま作られます。
動画7:ゾーンに対しては、スローワーが忍耐強さを維持することがカギとなり、加えてここではフィルミーノの下りる動きが見ておくべきポイントとなります。
動画8:ゾーンを上手く扱うための動きのダイナミックさ
動画9:判断を基にした戦略: もしボール付近での動きが相手のセカンドラインを縦や横に引っ張りすぎた場合、斜めのスローインを使って遠いスペースを利用するか、ライン間のスペースを利用します。これは、相手のカバーへの認知が求められるので、判断が基になります。ほとんどLWのマネによって行われ、彼がフリーなスペースを見つけてはそこに下りて、利用することが多いです。
動画10:基本的なルール: もし相手のCBが最終ラインから出て動きについてきた場合 -› 裏へのランニングを行い、空いたスペースを利用します。
動画11:前方への長いスローインの戦略: 常に深い位置から協力的な動きを行い、落としのパスをする選択肢を与えます。
動画12:サイドチェンジをするためにセカンドボールを拾い、裏へのスペースにアタックします。
アタッキングサード
このゾーンでは、守備のチームはペナルティエリアをカバーするためにも基本的には幅を取ります。そのため、高い位置ほどの狭さは達成されません。これはボール付近のカバーを減らし、攻撃のチームに少ない人数に対する異なったダイナミックさや戦略を使うことを強制させます。
ここで見るべきカギとなる側面は、どのように守備のチームがフリーなスペースを作らないために、最終ラインをボール側に寄せるのかです。一般的には、FB-CB間のギャップがアタックするエリアになります。ペナルティエリアへの危険度が増し、ボール付近のCBがそこまで幅に対して寄り過ぎないため、利用するためのスペースを残す可能性があります。
動画13:アタッキングサードにて – FB-CBのギャップと広がった最終ラインを利用するためにサラーはターゲットの選手になる。
動画14:ミドルサードでも同じルールが適応: もしセンターフォワード(CF)のフィルミーノが下りていくのにCBが付いてきた場合 -› 空いたスペースにアタックします。
動画15:ルートの交差の効果 – 相手のカバーやスイッチを混乱させ、間にいる味方をフリーにさせます。
動画16:守備のリアクションを上手く扱ったダイナミックさでライン間のスペースを空けます。ここでの基本的なルール: 相手の最終ラインを広げるために、ゴールラインに対して動きます。
動画17:ゴールラインに向かって走り、相手を引き離します。
動画18:対マンチェスター・シティでのゴールが生まれる前に多くのこれまでのコンセプトが入っています: フィルミーノが下り、ディフェンダーに受け渡しの問題を起こし、ボール付近では数的有利を作ってクロスのためのフリーなスペースを作ります。
*次回は比較、考察、まとめと短めに最終回を迎えます。
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