世界進出とジャニーズ

近頃、J事務所のあらゆるグループが言うこと。


世界を目指す。


私は長らくずっとこの路線に戸惑っていた。

なぜ、日本国内を蔑ろにしてまで海外を見るのか。マーケット規模の問題なのか、日本のオタクは大したことないって舐められてるのか…?ってひねくれ思想を蔓延らせている私にとって、全編英語歌詞はマジ意味不明、サブスクサブスク言いますけど、そんなに大事かよ?とずっと思ってた。

海外アーティストに興味のかけらもなかったので特にその思想は強めだった。国内アーティストだって十分凄いのに、なんでわざわざ洋楽とかけーぽとかにハマるんだろう??洋楽にハマる人は日本を見下してるんだな!と思ってた。ものすごいひねくれてるから。最悪すぎる。


そんなことを思っていたのに、つい数ヶ月前知り合いに勧められたSEVENTEENにまんまとハマってしまうことになる。あれ?アンチ世界進出ことワタシ、どうした?

ハマる1番大きいきっかけは、私の場合楽曲だった。知り合いの車に乗せてもらった時に車内でかかっていたHOME;RUNが、一回聴いただけなのにすごく印象に残ってしまって、もう一回聴きたい!!!になったのがきっかけだった。

曲聞くだけで中身全然好きにならないアイドルもたくさんいる、自称アイドル楽曲オタクなのでまあ曲は好きになるけど、それ以上はね~…と思っていたのに、ビジュの良さとかダンスも良い〜となってまんまとけーぽどるにはまったわけだが、いろいろセブチについて知るうちにアーティストの世界進出について自分の中で考えが少しずつ変わっていくのを感じた。



世界進出を考えた時にやりがちなのが全編英語歌詞、そしてファンを置き去りにしてませんか?ってほどの路線変更。

英語の歌詞が悪いとかは思わないし、曲のテイストによっては英語のほうがしっくりくることもあるのだろうけど、私が知っている限り、海外で成功するのに全編英語歌詞は必須要素ではない。セブチの曲だってちゃんと(?)韓国語を使っているし、韓国語の発音が曲にマッチしていて心地よい。知らない言語だからといって聞かない、みたいな選択をするような人はそもそも海外のアーティストなぞ興味がないわけでターゲットの中に入っていない。言語の壁は分厚いが、音楽やダンスという世界共通言語を商売道具にしている以上、言語を世界進出の大きい問題として捉えてはいけないのだと思っている。

路線変更に関しては、難しいところではある気がする。ただ、マーケットを変えるためだけに今ついてきてくれているファンに成長痛を強いるような路線変更は果たしてする必要があるのかどうか…という気がする。アイドルは成長するものではあるし、常に変化と進化を求められる職業ではあるけれど、あまりにも成長ポイントをはき違えると、既存のファンを疲れさせることにもなりかねない。そのバランスは世界云々を除いても難しいところではあるとは思うけれど、世界を視野に入れた時って、そのアンバランスが急加速したり思いがけない方向に舵が切られたりする気がしてならない。アイドルの魅力っていうのは、とってつけるものではなく、ベースとしてある魅力から派生して少しずつ開花させていくべきだろう。生身の人間がすることなんだから。

セブチの歴史にはまだまだ疎いから後者の方に関してはなかなかあーだこーだ言い切れないのが悔しい。けれどもデビュー直後のセブチと今のセブチでは全然雰囲気が違う(もちろん良い意味で)こととか、初期セブチが果たして万人受けを狙ったものなんだろうか?っていうのを考えると、世界の需要に迎合した路線変更は無意味とさえ思える。アレは彼らの強みや良さをまるっと表現したらそうなったというだけで、何かに迎合してあのキラキラ爽やか青春!みたいなコンセプトになったとは思いにくい。つまるところ、あるグループがもつポテンシャルとかまず持っているコンセプトをぶち壊してまで可能性を広げるのは生身の人間に要求するべきことではない、って言いたい。なんかもっと上手いこと言えそうだけど、語彙がない。

つまるところ、私が現時点でジャニーズの世界進出のやり方(?)に感じている違和感はただ一つ、良さを殺して世界のトレンドに乗っかることは世界進出とは言わないのに、明らかにそれをやろうとしている(ように感じる)こと。既存の良さが海外でウケるならそれでいけばいいし、既存の良さを残してアレンジするとかならまだ許せるけど、個性を殺して全く別のグループのようなことをするくらいなら別のグループを作ればいい。個性を殺すことは既存のファンへの裏切りにもつながる。

でも、海外を見据えることが絶対悪ではないし、グループカラーのマンネリ化を防いでいく!っていう意味ではする価値のあることではあるんだろうな、たぶん。


なんて考えながら、「恋降る月夜に君想ふ」を鬼リピするスノトラ担なのでした。







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