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日頃の後輩や同僚の取り組みを一緒に学会発表してみる(前編)

作業療法士の古桧山です。

今回の記事は、僕が職場で後輩や同僚の日頃の取り組みを一緒に学会発表してみる際に気をつけていることをまとめたものです。

目次
1.なぜこの記事を書こうと思ったのか?
2.学会発表にアップデートするうえで気をつけていること  
①働いている病院・施設の特性を考慮したうえで取り組みをまとめる 
②自分たちの「狙ったこと」と「やったこと」が一致したアウトカムを  選んでいるか 
③この発表はつぎのトライに繋がるか
3.締め 

1.なぜこの記事を書こうと思ったのか?

先日、他の病院の管理職の方達と職場教育について議論する機会がありました。

そこでは「若いスタッフにどうやって学会発表を経験してもらったらいいのか?」、「そもそも自分だってそんなにやってないのにどう教えたらいいのか?」といったことが話し合われていました。

個人的に学会発表は、PT・OT・STとしての成長を促進するうえで、有効活用したらいいと思いますが、業務としての緊急度は低いので、「したほうがいいんだろうなぁ」と思いながらも、いつの間にか「発表しない人」になっている人も多いのではと思います。

で、ある方から「古桧山くんはどうやって教えてるの?」と聞かれたのが、今回の記事を書こうと思ったきっかけです。

僕はこの5年ぐらいで22〜24演題ぐらいの学会発表をしています。さすが博士です(笑)(これは僕とOTスタッフ分だけに限ります)

ただ、学会発表だけでは学術的業績にはなりませんし、数そのものに意味はありません。大学教員の先生の中には、1年でこれ以上の数いく方もいらっしゃいます。

で、22〜24題の内訳は、半分が自分ので、半分が後輩スタッフ・同僚(だいたい、1年目〜5年目、なかには10年近くたってはじめての学会発表を僕と一緒に取り組んでくれたスタッフもいます)と共に発表したものです。

発表は、彼ら、彼女らの日頃の取り組みから症例報告に繋がったものが多いのですが、職場の業務改善などの活動報告もあります。

特筆すべきは、毎年、決まった人が発表するのではないということです。毎年違った人が、各々の取り組みを発表します。

僕自身、指導するうえで、気をつけていることは年々変化していっているのですが、現時点では3つのことを気をつけています。

学会発表を指導する側の人やこれからチャレンジしようとする人にとって参考になる部分があるかもなので、最後まで読んで頂けたら光栄です。

2.日頃の取り組みを学会発表にアップデートするうえで気をつけていること

①働いている病院・施設の特性を考慮したうえで取り組みをまとめる

まず、僕が意識しているのは、「働いている病院・施設の特性を考慮したうえで取り組みをまとめる」ということです。

例えば、OTで「自動車運転支援」のチームを立ち上げて、今まで、自動車運転支援を受けられなかったであろうクライエントに介入をする。

このような事例を報告するうえで、それがどのような意義(その地域のひとにどれくらい役立つのか?を持つのか、ということは、公共交通機関の発達した都会と車がないと生活が根幹から激変する田舎では違ってきます。

また、同じ10万人都市であっても、その市内に回復期リハビリテーション病院がいくつぐらいあるかによっても、その意義は違ってくると考えます。

また、もう一つ例をあげると、「これまで、なかなか調理練習ができなかった施設」で調理練習が出来るように環境を整え、クライエントとともに調理練習をした事例を報告しようとします。

これに関しては、比較的調理練習が行われている場所が多い「回復期リハビリテーション病棟」と、リハビリテーションのスタッフ数が少なく、いろいろな制約が生じやすい「介護老人保健施設」や「特別養護老人ホーム」では、その意義は異なってくると思います。

なぜならば、調理練習を実現するまでのプロセスが全然違ってくるでしょうから。

自分たちの職場の特性というのは、案外忘れがちです。

自分たちの働いている職場の特性を考慮することは、聞く人にとって聞きやすく、共感が得られやすい発表になるだけでなく、自分たちの取り組みをリフレクションし、次の何かに発展させるうえでも重要になると考えています。

ちょっと長くなりました。とりあえず、ここまでが前編です。

続きは後編になります。

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