ACS

○そもそもACS(急性冠症候群)とは
①STEMI
 貫壁性壊死あり=不可逆的な虚血
②N-STEMI
 貫壁性ではないが一部心筋壊死あり=トロポニンT上昇あり(4-8hで上昇)
③UAP(不安定狭心症)
 心筋マーカー上昇なし
④心臓突然死
⬆️この4つは死に得る胸痛。帰してはいけない。

⑤eAP(労作性狭心症)
⑥spasm(冠攣縮性狭心症) 朝方
⬆️この2つは、すぐには死に得ないが、循環器内科にコンサルしておくべき。

○ACSを疑う胸痛患者が来院した時
まず、人を集める。
来院から10分以内に心電図を撮影し、ST上昇があるかどうかを見る。

①ST変化あり STEMI

ST変化あれば、「○歳○性 ○時発症のSTEMIがいます」と簡潔に循環器内科にコール。
この際に、血ガスを必ず取り、かつDCを繋げておいてVTやVFなどの致死性不整脈にすぐに対応できるようにしておく。
血ガスを撮るのは、貧血がないかどうかを見るため。PCIでステントを入れてしまうと、1ヶ月は必ずDAPT内服となる。高齢者で転倒リスク高い場合など、脳出血などの出血イベントで死んでしまうリスクもあるため、ステント入れていいのかは考える必要あり!
ステント推奨しない場合は、バルーンで一時的に命を繋いでその後は薬物療法で生き延びるという手段も大いにあり。(薬物の進歩により、PCIと保存的薬物療法の予後がそこまで変わらなくなってきている)

②③ST変化なし NSTEMIかUAP

とにかく問診する。
coronary risk factor(HT,HL,DM,smoke,alcohol,FH...50歳未満の冠動脈疾患で+)、性状(冷や汗はあったか、繰り返しているか、歯や肩への放散痛あるか、どれくらい持続しているか、下痢などの消化器症状あるか、労作性→不安定狭心症への変化はあったか=今までは労作時のみだったのが今日は安静時にあった、労作による胸痛の閾値が上がってきている等)

②③であれば、待機的に(人がいる平日日中など)PCI施行とする。

その他の胸痛

・AAE
  心エコー当てて心嚢水貯留あればかなり疑わしい。
  まずはモルヒネやソセゴンで鎮痛、降圧薬で血圧も下げてあげてから、造影CT。

・緊張性気胸
・PE
・特発性食道破裂
  ⬆️造影CTを撮る。腎機能がどうか分からないから、と言って待っているのは避けて撮影。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?