心電図~頻脈~

<narrow QRS tachycardia>


narrow = QRS<3マス分
・RR間隔 整→AF
・RR間隔 不整→①洞性頻脈 ②AVRT ③AVNRT ④AT(AFL)

そもそも洞調律の定義:
Ⅰ、Ⅱ、aVfでP波が陽性

まず①と②~④の判別法
①洞性頻脈
 誘因あり(発熱、労作など)
 徐々に始まり徐々に終わるため、HRのベースが波型
★洞性頻脈の限界HR= 220-年齢(bpm)

②~④は、誘因無し、かつ発症が突然で急激

②AVRT
左房と左室の間に、accessory pathway(ケント束)があり、
本来ケント束は頭側から尾側に伝わることが多いが、それが逆向きに信号が入り、回転してしまう。
逆向きの信号が入るときに、P波が入る。
ECG:QRS波の後に逆行性P波が来て、間隔がshort R-P

③AVNRT
房室結節の中にfast pathwayとslow pathwayがあり、
本来fast pathwayを信号が通った後はしばらく不応期となるが、
変に発生したPVCがslow pathwayを通ってしまい、かつこの時にfast pathwayの不応期が解除されてしまって、グルグルと行き来する。
ECG:QRS波の後に逆行性P波が来て、間隔がvery short R-P

④AT(AFL: flutter)
・異常自動能によるもの
・リエントリー形成によるもの
の2種類に分かれる。
PとQRSが1:1とは限らないことが特徴であり、
中でもAFLは2:1。

DCかけることで、②③④いずれも不整脈は止まるが、
④AT(AFL)は、心臓が震えている状態であり、心源性脳梗塞のリスクもあるため、行わない方が良い。

自然消滅するとき

②AVRT
回路は、房室結節でP波、副伝導路でQRS波を作るため、
P or QRS波で停止する。

③AVNRT
slow pathwayで止まることが多いが、
P or QRS波で停止する。

④AT(AFL)
QRS波で停止する。

すなわち、P波で自然停止した場合は、AT(AFL)は否定的。

ATP(アデホス)5~20mgをivしたとき

ATPは房室ブロックを一時的に作る作用があるため、

②AVRT
P波で停止する。

③AVNRT
P or QRS波で停止する。

④AT(AFL)
止まらない。
(QRSが作用持続しているときだけ止まって、P波は出続ける)

※アデホスは、体内での代謝が極めて速いため、iv後に必ず生食10ml以上でフラッシュしないと、心臓まで到達しない。

<wide QRS tachycardia>

①VF ←RR不整
②VT
③上室性頻拍の変行性伝導

①まずRR不整のVFを見たら、心マしながら人を集めてAED or DCを持ってきてもらって、同期など考えなくて良いので、Maxの250Jや270JでDCする。それでも再開しなければ、アミオダロン300mg。
※PEAの時のアドレナリンと注意。VFではアドレナリンも入れるが、抗不整脈薬のアミオダロンが重要。

②と③の判別は難しいが、これがあったらVTという特徴3つを覚えておく。

これがあったらVT 3つ

⑴AV desociation(房室解離)
wide QRSの間に定期的にP波があるけど、PとQRSの位置はバラバラの波形。
※③であれば、PとQRSは1:1

⑵fusion beatとcapture beat
ずっとあるVTの中に形の違うQRSが紛れ込んでしまう波形。
・fusion beat: sinusとVTが一致してしまったとき
・capture beat:

⑶concordant pattern
異常信号の発生源が端にあるために、V1-V6の極性が全て+またはー


<参考> 電解質異常での心電図変化

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