足背動脈の触知と DVTの関係


DVT既往のある患者さん担当の看護師さんから、
『左は触れますが、右足背動脈が微弱です。SpO2は99%で、腫脹もありません。ホーマンズ徴候もありませんでした。』と言われた時

既往のDVTと関連付けてしまい、足背動脈の触知がDVTに有用なのかと思いましたが、
実際のところ足背動脈が触知できないことでASOが疑われるとしても、DVTの早期発見には繋がらない。

→まず、足背動脈の上位である後脛骨動脈や膝窩動脈の脈を左右で観察しつつ、痺れや冷感がないか問診する。
もしそこで両側共に触知可能であれば、中途での動脈閉塞を疑う。
→動脈エコーや血管造影を行う。

DVTを疑うのであれば、Dダイマー値の上昇・圧痛・下肢全体の腫れ・3cmを超える腓腹部(ふくらはぎ)周径の左右差・圧痕性浮腫・身体表面の側副静脈、などの有無を確認する

☆DVTとASOの違いに注意する

『Padua Score』 DVTのリスクスコア

・アクティブな癌(6か月以内のケモラジ含む) 3点
・DVTの既往 3点
・動けない状態 3点
・血栓疾患あり(プロテインS/C欠損、アンチトロンビン欠損、APS) 3点
・1か月以内のオペor外傷 2点
・70歳以上 1点
・心不全or呼吸不全 1点
・AMI or脳卒中 1点
・急性感染症orリウマチ性疾患 1点
・BMI>30 1点
・ホルモン療法治療中 1点
4点以上は高リスク(発症率11%):予防が必要

出血リスクのない患者には、薬物的予防として「未分画ヘパリン5000単位1日2回皮下注」を歩行可能になるまで行う。投与後、出血傾向の副作用があるため、血腫ができていないか確認する。
あとは、間欠的空気圧迫法(IPC)が重要。


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