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【偏愛が集うシェア型書店】コミュニティの熱量を取り入れるマーケティング

「自分は全く興味はないのだけれど、熱く語られてついつい興味を持ってしまった。」そんな経験はありませんか?今はたくさんの情報が溢れていますが、意外と「熱量が高い」というのは、他の情報との強烈な差別化になり得ます。今日はそんな「熱量」を生かしたマーケティングの事例です。

【引用記事】本への「偏愛」シェアしたい、私は小さな書店主 棚借り交流のきっかけに
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO77863820V21C21A1HF0A00/

【記事要約】
・個人が小さな棚を借りて本を販売するシェア型本屋が人気を集めている。棚を借りる棚主はテーマを決めて好きな本を並べ、価格も自由に設定する。目的は稼ぐというよりも、「自分の好きな本を知ってもらいたい」。本の並びには棚主の思いがあふれている。
・東京・渋谷の複合ビル「渋谷ヒカリエ」8階の一角に10月、「渋谷○○書店」がオープンした。約100平方メートルのスペースには37センチ四方の本棚が130ほど並び、棚主と呼ぶオーナーたちが自分の好きな本を置いて販売している。
・「渋谷○○書店」は「偏愛」をテーマに掲げ、公序良俗に反しなければ、どんな本を置いてもいい。使用料は月額4950円で、売れた本1冊あたり100円の手数料がかかる。企画したアンドコー(東京・渋谷)の横石崇代表は「自分語りできる場所をつくりたかった。本屋というよりコミュニティー」と話す。本を買うだけならネットで完結する時代に、本を媒介とした自分語りとコミュニケーションの場としてオープンした。
・店番は棚主が交代で担い、来店者と語り合う。誰でも自由に書き込めるノートは、「私の本棚とほぼ同じでうれしかった」など棚主へのメッセージで埋め尽くされている。棚主同士がリアルの場で語り合う交流会も定期的に開催している。「本は知ってもらいたいが、手元から離れてしまうのは嫌だ」という理由で、あえて定価より高い値段が付けられた本もある。
・SNSでは自分の好きなものを簡単に発信できるが、リアルの場で個々人の「偏愛」を披露できる場所はまだ少ない。顔が見える売り手の「好き」という熱量が充満したシェア型書店は、人を呼び込む店作りのヒントになりそうだ。

【ポイント解説】
・SNSなどのネット上のプラットフォームは、ユーザー同士のフォローではなく、AIによってユーザー一人一人に見せるコンテンツを最適化する方向に進化している。ということは、今まで自分がみたこともないものとの出会いというのは、だんだん少なくなる可能性が高い。
・目新しい発見が少なくなると、逆にリアルのもつセレンディピティ(偶然の発見)により魅力を感じるようになる。なかでも、何か自分の好きなものに対して熱心に語る人に、私たちは惹かれつつある気がする。
・そんな高い熱量を持った人々を集めてコミュニティにすることで、場所の持つ引力を強めているのが今回の記事のシェア型書店。一人一人の思いの丈が詰まった棚は、それを見るだけで人柄が感じられるだろうし、そこから本を買うという体験は、Amazonでポチッとするのとは違う意味を持つ。
・クラウドファンディングやファンマーケティングも、ある種その中心人物の熱量をうまくコミュニティ化する取り組みだが、熱量の高い人だけでコミュニティを作るのも、新しい手法として発展しそうな予感がする。

【マーケティング力を高めるヒント】
・あなたの商品やサービスに関する熱量の高い人(たとえばあなたがヨガ教室をやっているなら、ヨガが大好きな人)はどんな人たちですか?
・その人たちが自分一人ではできないけど、本当はやってみたいことを、あなたが実現してあげるとしたら、どんなことができますか?
・熱量の高い人が集まること自体が、熱量の高いコンテンツになり得ます。あなたが主催者になることで多くの人を集客できる可能性はありませんか?


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