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【JR東日本の事例】新幹線がオフィスになる?商品・サービスの使い方を増やして集客UP

オンラインミーティングの普及で、どこでも会議に参加できるようになると、今度は今までなら「その時間は会議に参加できません」という断り文句が使えなくなります。とはいえ、周囲の雑音が入ったり、隣の人から画面が見えてしまうようでは、会議に参加するのに相応しい環境とはいえません。そこでJR東日本が考えたのが、「新幹線をオフィスにする」サービスです。この事例から、お客様のニーズに合わせて、商品やサービスの新しい使い方を提案するためのポイントを学びます。

【今日の引用記事】


JR東、新幹線をオフィスに 専用車両を来月22日から 通勤など移動時間を有効利用
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO76767420Z11C21A0H53A00/

【記事要約】


・JR東日本は新幹線の車内で通話やオンライン会議などができる「新幹線オフィス」のサービスを本格展開する。11月22日から東北・北陸・上越の各新幹線に専用車両を設ける。通勤や出張などビジネス利用に加え、旅行などで移動時間の有効活用を提案する。新幹線の新しい利用ニーズを掘り起こしたい考えだ。
・同社は今年2月から新幹線オフィスの実証実験を実施。東北・北海道新幹線に車内で通話などができる専用車両を設け、移動中も仕事ができるようにした。ビジネスのほか、仕事と余暇を組み合わせた「ワーケーション」での利用もみられ好評だったとして、サービスの本格展開を決めた。
・東北・北海道・北陸・上越新幹線の全方面で8号車を新幹線オフィス車両として設定する。土休日や年末年始などの繁忙期を除いて運用し、追加料金なしで使える。
・従来は新幹線の車内で仕事をする場合、話し声やパソコンの画面が他の人に見えてしまったりして仕事内容が周囲に漏れる可能性があった。そのため、実証実験では画面ののぞき見や、会話の音漏れなどに配慮した機器を設けたり、目の前にパソコン画面を表示する眼鏡型の「スマートグラス」を用意したりした。骨伝導方式で小さい声でも会議中に発言などができるヘッドセットも貸し出していた。11月以降の本格運用時には一部列車で有料で無線通信網「Wi―Fi(ワイファイ)」ルーターを貸し出す予定だ。その他の機器については導入の有無や、有料か無料かなどを検討している。
・また、新幹線利用の前後もスムーズに仕事ができるようにする。新幹線オフィス利用者を対象として駅構内などにある仕事用個室ブースを使える定額制サービスも期間限定で提供する方針だ。

【ポイント】


・新幹線車内という共有空間を、個室オフィスのように使ってもらうというのは、発想として面白いが、ここまで漕ぎ着けるのには苦労があっただろう。それを後押ししているのは、オンラインミーティングの普及により、出張や訪問の必要性が減り、新幹線需要が落ち込んでいることの危機感に他ならない。
・ユーザーは今や、カフェでも屋外でもミーティングができる。しかし、新幹線のように「隣の人との距離が近い」「大きな声が出しにくい」空間では、ミーティングに参加しにくい。つまり、「会議に参加できる環境であってほしい」という潜在的なニーズはあっても、それを叶えられていない状態だった。
・今回JR東日本は、専用機器の貸し出しなど、既存のサービスとはかなり異なる方法で、ユーザーニーズを叶えている。もはや、新幹線が売っているのは「高速移動」だけではなくなった。これにさらに磨きをかけるにはどうしたらいいかを考えるのも面白い。

【この事例の学びを自社に生かすための設問】


・あなたの商品やサービスを、あなたが考えるのとは全く違う方法で使いたい/使っている人はいませんか?
・その予想外の使い方を新しい商品・サービスとして売り出すとしたら、どんな名前で売り出しますか?
・その商品の顧客満足度をあげるために、従来ならやらなかったことを積極的に取り入れるとしたら、どんなことをしますか?

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