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【棚ぼたヒットを見逃すな】思った以上に売れたときの追い討ちマーケティング


PC周辺機器のバッファロー社が発売した、CD楽曲をスマホに取り込む商品がシニア層にヒットしています。記事を読むと、バッファロー側がシニア層を狙って開発したような印象を受けますが、実際の製品サイトを見ると、どうやら今回は「棚ぼたヒット」の様子。想定外の顧客層に売れたとき、このチャンスを無駄にしないために考えるべきことは何でしょうか?


【引用記事】

CD楽曲、スマホに取り込む「ラクレコ」 作業簡単、曲名・歌詞も自動取得

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79590390X20C22A1H93A00/


【引用記事】

・一見つかみどころがないように見えるシニア消費のカギは、その人にとっての価値の「納得感」である。高額でも価値を納得すれば買うが、低額でも安っぽいだけのものは買わない。最近の良い例がパソコン周辺機器メーカー、バッファローの「ラクレコ」だ。この商品はCDの楽曲を、パソコンを経由せずに簡単にスマホに取り込んで再生できる。21年6月の発売後、じわじわと人気を博し、22年1月時点で販売前想定の4倍程度の引き合いがあるとのことだ。

・CDからスマホへの楽曲取り込みは、パソコンでデータを取り込んだ後、パソコンとスマホのデータを同期させる必要があった。パソコンを日常的に使う人には大した作業ではないが、パソコンを持っていない、あるいは操作が苦手の人にはハードルの高い作業だった。

・デジタルに疎い一部の主婦や退職者は、手持ちのCDかレンタルCDをスマホに取り込む方が安上がりだと思っているようだ。一方、これらの人はCDからスマホへの楽曲取り込みを子供に頼むことが多いが、子供が忙しい時は面倒臭がられる。こうした背景から「CD楽曲を自分で簡単に取り込めたら……」という潜在ニーズがあったのだ。

・ラクレコのような「ありそうでなかった」商品が出現すると想定外の需要が生まれる。例えば「カラオケの練習用に使っている」との声がシニア層から上がっている。コロナ下でカラオケに行けない時の代替手段だ。実店舗のCDショップから「CDと一緒に売りたい」との声もある。


【ポイント解説】

・世の中は、やれ「DXだ」「サブスクだ」と騒いでいるし、「Z世代を攻略しよう」と言っている。一方で、置いてけぼりを食らっているシニアを横目に「SDGsが大切だ」と言うが、SDGsの理念は「誰1人取り残さない」だ。シニアのデジタル適応は、今後非常に有望な市場と言える。

・デジタルに慣れている世代には、シニアがデジタルを使えるようになるために、何が足りないのかよくわからない。顧客の困り事や苦しみの細かい機微を理解してこそ、顧客が喜ぶ商品が作れる。

・とはいえ今回のケースは、「ラクレコ」のWebサイトを見ると、どうやらまぐれ当たりだったのかもしれない。サイトを見る限り、あまりシニア向けのデザインでもない。「CD限定楽曲をスマホで聴きたい」「音楽を高音質で楽しみたいが、サブスクで高音質楽曲を聴くとデータ量を使いすぎる」というニーズを満たそうとした様子。

・記事の後半では、シニア層がこの商品の使い方を自分達なりに生み出している様子が伺えるし、予想外の販路も見つかった様子。いってみれば「棚ぼたヒット」なわけで、これを今後どのように販促に活かすかがバッファロー社の腕の見せ所といえる。


【関連リンク】

・バッファロー社 https://www.buffalo.jp

・「ラクレコ」製品サイト https://www.buffalo.jp/contents/topics/special/rakureco/


【自社のマーケティングに活かすには?】

・まず、「予想外に売れている」という状況は、以下の状況のどれかになるだろう。

1)市場規模:自社の予想以上に、ターゲットとなる顧客が多く存在していた

2)想定ニーズへの対応:自社の予想以上に、ターゲットとなる顧客の購買確率が高かった

3)想定外ニーズへの対応:自社の予想以上に、幅広いニーズに対応できる商品だった

今回のケースでは、おそらく1と3が想定外だった。つまり、顧客ターゲットとしてシニアは想定していなかったし、ニーズとして「子供に迷惑をかけずにCDをスマホに取り入れたい」ということも想定していなかった。実際に「棚ぼたヒット」が起きたときには、1〜3のどれに合致するか考えてみよう。

・どのパターンに合致するかによって、次に打つべき手が変わる。1と2は、とにかく広告出稿ボリュームなどを増やせばその分売れる。広告費の投下と在庫の確保が重要になる。しかし3の場合は、まだマーケティング戦略が最適化されていないため、最適化してから広告を増やした方がいいだろう。最適化の方法としては大まかに「商品の最適化」「メッセージの最適化」「メディアの最適化」の3通りがある。

・「思ったより売れてしまって、もっと売るにはどうしよう」といううれしい悲鳴をあげている方はぜひご相談ください。


【ご案内】

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