【今から自分の首を絞めます】


マーケター・コピーライターという肩書きで独立し、
色々な方と色々な話をさせていただく中で、
なんとか最近は「コンサルタント」という肩書きにも
違和感がなくなってきた僕ですが。

コンサルタントというのは何を売っているのか、
明確に答えるのはやっぱり難しい。
だって、ものすごく荒い言い方をするなら
お話ししているだけですからね。

僕は実務系コンサルタントなので
「こうしたらいいと思いますよ〜」ではなく
「こんなふうにやるんですよ!」と
実際にやってみせてしまうので、
口だけではなく手も動かしているとはいえ、
結局のところクライアントの事業は
クライアントがやるというのが原則であり、
労働力の提供は本来の仕事ではありません。

じゃあ、僕がクライアントとお話しすることで
何を提供しているのかというと、
少なくとも「クライアントが知りたいこと」では
ないと思っています。

最近はChatGPTさんのおかげで
「知りたいことはAIに聞けばいい」
みたいな論調がバンバン出てきています。

まぁ実際は自分が知りたいことを聞くための
技術や基礎知識みたいなものが必要とはいえ、
「知りたいことを教える」ってのは
早晩人間の仕事ではなくなるのは
決定事項かなと思います。

そうなると、コンサルタントの仕事として
「知りたいことを教える」の価値はなくなり、
残るのはそうではない部分、つまり
「クライアントが知りたいと思っていない、
その必要性すら理解していないことを
必要性を含めて先回りしてお伝えすること」
になってきます。

これは、あらゆる業種や職種にいえることなので
「コンサル業の話だよね」と切り捨ててほしくなくて、
とにかくこれからは
「教えてください」
「これやってください」
と言われたことに答えている人は
負けだと思っています。

相手の課題認識の後に仕事があるのでははなく、
適切な課題認識を作ることが仕事になる。
本来なら高度な知的労働であるはずの
医療ですらAIに取って代わられるといわれるのは。
知的労働の難易度の問題ではなく、
「調子が悪いんですけど、風邪ですかね?」
と患者が自分の課題を認識してから
相談に来るという構図になっている時点で
AIの得意な土俵で戦ってしまっている。

僕は自分のポジションがそれなりに
これからの時代で生き残れるものだと思っていて、
それはなぜかというと、
課題が明確化されていないご相談を受けることが
できているからです。

ChatGPTに聞こうとしても、
なんて聞けばいいかわからないような相談が
多いというのは僕にとってかなりの安心材料で、
少なくとも向こう5年くらいは
自分1人食べていける程度の仕事には
事欠かないことは確信しています。
#その先は全然分かりません

最近は営業職であっても、
「営業はお客様の課題解決だ!」
なんて言われているわけですが、
自分のビジネスが課題認識の前と後の
どっちが主戦場になっているかを考えてみて、
もし「後」だというのであれば、
早かれ遅かれAI勢と戦うことになります。

自分のビジネスのどの部分が
どんなタイミングでAIとぶつかるかというのは
結構真剣に考えておいた方がいいことだと思います。

僕の基本戦略はとにかく
「課題認識の前に居続けること」。
それができなければ、
いずれ価値を感じてもらえなくなる。
それに対しても策は打っていますけど、
どこまで通用するのかは未知数です。

AIの発展・進化によって、このタイミングで
自分の仕事のコアな価値についてとか
それをどう実現するかを考えられているのは
すごく幸運なことだと思っています。

「もうAIに聞くからいいです」
と言われないためにも、
「どう聞いたらいいかわからないこと」
への回答の精度は上げていきたいと思います。

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