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【レポート】第4回エフェ会(エフェクチュエーション勉強会)

第4回エフェ会(エフェクチュエーション勉強会)をオンラインで開催しました。今回の勉強会のテーマは「エフェの始まり」でした。

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勉強会の内容

概要

エフェクチュエーション理論とは、計画に捉われず、手元にある資源を最大限に活用しながら、許容できる範囲のリスクで事業を進めていく考え方です。講師は、ネスカフェ・アンバサダープログラム、マスキングテープ「MT」、スタディサプリ、アスクル、コマツの5つの事例を紹介し、それぞれの事例がエフェクチュエーション理論のどの原則に当てはまるかを解説しました。

エフェクチュエーション理論の概要説明

エフェクチュエーション理論の基本的な考え方を説明しました。計画にとらわれず、手元にある資源を活用しながら事業を進めること(集中の鳥の原則)、致命的なダメージを受けない範囲で行動すること(許容可能な損失の原則)、思いがけない出会いや現実を前向きに捉え直すこと(クレイジーキルト、レモネードの原則)、主体的に行動すること(パイロットの原則)が、この理論の中核をなすものです。

ネスカフェ・アンバサダープログラムの事例

ネスカフェは、家庭用コーヒーマシンの販売が好調だったため、職場向けの新規市場開拓を目指しましたが、最初は営業が難航しました。しかし、東日本大震災での被災地支援活動で、コーヒーマシンが人々の交流の場を生み出すことに気づき、職場でのコミュニケーション促進をアピールすることで、ネスカフェ・アンバサダープログラムが成功しました。この事例は、クレイジーキルトの原則に当てはまります。

マスキングテープ「mt」の事例

工業用マスキングテープメーカーのカモ井加工紙は、新規事業が必要と感じていました。ところが、マスキングテープの愛好家グループから工場見学の依頼があり、彼女たちの活用法を知ってマスキングテープの文房具としての可能性に気づきました。そこで、少量多品種生産への対応や販路開拓、ファン作りなどに注力し、マスキングテープ事業を立ち上げました。この事例は、クレイジーキルトの原則に当てはまります。

スタディサプリの事例

リクルートは、地方の高校生向けのオンライン予備校サービス「スタディサプリ」を立ち上げました。当初は受講料の支払い方式が合わず苦戦しましたが、サブスクリプション方式に変更したことで個人向け事業が軌道に乗りました。さらに、思わぬ学校からの問い合わせを受け、学校向けサービスへと事業を拡大しました。この事例は、ビジネスモデルの改善(レモネードの原則)と、思わぬ顧客との出会い(クレイジーキルトの原則)が見られます。

アスクルの事例

文具メーカーのプラスは、強力な競合相手に対抗するため、カタログ通販「アスクル」を立ち上げました。当初は自社商品のみの販売を想定していましたが、顧客から競合他社の商品も扱うよう要望があり、総合小売プラットフォームへと事業目的を変更しました。この事例は、事業目的の見直し(レモネードの原則)に当てはまります。

コマツの事例

建機メーカーのコマツは、自社製品が盗難に遭い悪用されるケースが多発する問題に直面していました。GPSシステムの共同開発を試みましたが、有料オプションとして販売するつもりでは顧客の反応が芳しくありませんでした。しかし、GPSシステムにIoTセンサーを組み合わせることで、機械の稼働状況の把握や効率的な運用が可能になると気づき、標準装備品とすることで問題を解決しました。この事例は、ビジネスモデルの見直し(レモネードの原則)に当てはまります。

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