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【孫の力でシニアもデジタルに】声が届かない人に間接的にアプローチするマーケティング

日本ではシニア層のデジタル化の遅れが行政のデジタル化の足かせになることが懸念されていますが、一方でアジア件ではデジタルに慣れたシニア層が増えているとか。多世代同居によって、孫経由でシニア層にデジタルが浸透しているとみられています。この事例から、「見込み客に直接的にマーケティングメッセージが届かない場合、どうすればいいのか?」という課題解決のヒントを考えます。


【引用記事】

アジアで「デジタルシニア」拡大 英調査会社「22年消費者トレンド」 孫世代から影響、消費をけん引

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO79382460Q2A120C2H96A00/


【記事要約】

・英調査会社ユーロモニターが発表した「2022年世界の消費者トレンドTOP10」によると、オンラインゲームやSNS(交流サイト)を使いこなす「デジタルシニア」が拡大している。特に存在感を増しているのがアジアだ。国連の推計によると、欧州や北米では一人暮らしや配偶者と二人暮らしの高齢者が多い傾向があるのに比べ、アジアやアフリカ、南米などでは多世代で同居することが多い。

・コロナ禍の巣ごもり生活で家族との時間が増加。生まれたときからインターネットに親しむデジタルネーティブの孫世代の影響でSNSを使いこなすデジタルシニアも増えている。ユーロモニターのリサーチコンサルタント、ナターシャ・カザン氏は「自分のコミュニティーをつくったり動画を投稿したりできるユーチューブやインスタグラム、TikTok(ティックトック)といったSNSは、今後アジアのデジタルシニアの人気を獲得しそうだ」と指摘する。

・孫の手を借りて、インフルエンサーとして活躍する高齢者も現れている。台湾でクリーニング店を営む80歳代の夫婦、萬吉さんと秀娥さんのインスタグラムのフォロワーは約66万人。何年も店に放置されたスーツを身につけ、「クリーニングの受け取りを忘れないで」と呼びかけた写真には「かわいすぎる」「スタイリッシュでクール」とコメントが押し寄せた。

・アジアで高齢者人口は拡大が続く。ユーロモニターの推計によると、40年にはアジア太平洋地域の65歳以上人口は21年の2倍弱にあたる約7億6700万人に達する見込みだ。企業も膨らむ高齢者市場に照準を合わせる。中国アリババグループのネット通販「淘宝(タオバオ)」は21年10月、大きな文字や音声検索などを特徴とする「シニアモード」を公開。香港のネット通販大手、香港電視網絡(HKTV)もオンラインショッピングの経験が少ない高齢者向けに設計したアプリを提供している。「簡単に使えるアプリは高齢者のネット通販利用を加速させることが予想される」(カザン氏)

・コロナ禍を機に、高齢者はネットサービスの利用に自信をつけている。購買力が高く、時間にも比較的余裕があるシニア層の取り込みは、企業にとって成長のカギとなる。


【ポイント解説】見込み客は「誰の言うことなら聞くのか?」

・日本でも、シニア層のデジタル化の遅れが今後大きな問題になる。行政のデジタル化を進めたくても、人口ボリュームの多いシニア層がそれを拒んだら、デジタル化が進められないからだ。そんな中、アジア諸国ではシニア層のデジタル化が進んでいる。理由は「孫」経由だから。孫とのコミュニケーションの中で自然とデジタルにふれあい、慣れていき、徐々に色々なデジタルサービスやコンテンツに慣れていっている。

・日本だと、事業者や行政が「スマホの使い方教室」みたいなことをやって教えようとするが、それでは日常の中になかなか溶け込まない。また、途中で面倒くさくなって辞めてしまっても、元の生活に戻るだけなので、なんの機会損失もない。それでは、シニア層が新しいことを習得するまで気持ちを繋ぎ止めるのは難しそう。しかし、孫との会話を楽しむために、あるいは会話を楽しみながらデジタルサービスに慣れていくのであれば、話は全然違うだろう。

・マーケティングの心構えとして、見込み客は自分たちのメッセージを「理解しない・信じない・行動しないものと思え」とよく言われる。しかし、自分たちのことは信じてくれなくても、身近な誰かの言うことは信じてくれるかもしれない。このケースでは、その「身近な誰か」が孫だった。

・加えて「シニアモード」の話が出ていた。ただ単に「シニア層もデジタルサービスを利用してください」ではなく、シニア層に使いやすいように仕様を変えるなどの対応も重要だと思う。


【関連リンク】


・2022年世界の消費者トレンドTOP10 https://go.euromonitor.com/white-paper-EC-2022-Top-10-Global-Consumer-Trends-JP.html


【自社のマーケティングに活かすには?】

・見込み客にダイレクトに情報やメッセージを届けるのが難しい場合、「誰か別の人を介して伝えることはできないか?」と考えてみましょう。

・見込み客が信頼を寄せている人や、「好かれたい・仲良くしたい」と思っている人は誰でしょうか?その人たちから見込み客に自社の商品やサービスを勧めたり広めてもらうことはできないか考えてみましょう。例えば今回なら、孫がおじいちゃんおばあちゃんと一緒に楽しみたくなるようなコンテンツを作ってみる、などが考えられます。


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