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NPO発ビジネスの強さに迫る!ソーシャルビジネスマーケティングの胎動を見逃すな。

一時期、とっても色鮮やかなスーツやウェアを見に待とうアフリカの男性たち「サプール」に注目が集まった時期があります。アフリカの独特な色彩感覚は、他文化から魅力を感じてもらいやすいのかもしれません。伝統的なアフリカの生地などにも注目が集まる中、そうした生地を使用したアパレルブランドが事業を拡大しています。

引用記事

「アフリカアパレル」多店舗化

来年末までに3店、食器も販売 「CLOUDY」渋谷以外に

「アフリカアパレル」多店舗化

記事要約

アフリカ産の布地などを使った衣料品の販売などを手掛けるDOYA(東京・渋谷)はアパレルブランド「CLOUDY(クラウディ)」の実店舗を拡大する。(中略)ブランドの売り上げの一部は同社の銅冶(どうや)勇人社長が代表を務めるNPO法人の活動資金に充てられる。店舗の拡大によって売り上げを伸ばし、支援の幅を広げたい考えだ。

クラウディは15年に設立。自然などをモチーフとした柄と大胆な色使いが特徴的なアフリカ産の布地を使った衣料品やバッグなどを販売しており、特に30~40代の女性から人気を集めている。徐々に認知度が高まってきていることを受け、24年末までに国内に新たに3店舗を設けることを決めた。場所は現在選定中という。

店舗だけでなく、販売する商品の幅も広げる。これまではアフリカの現地企業と契約を結び、衣料品の元となる生地を仕入れていたが、これらは綿製のものが多く、汎用性が低かった。そこで23年から現地のデザイナーを雇用し、クラウディのオリジナルの柄のデザインを始めた。

クラウディはブランドと同じ名前のNPO法人「CLOUDY」と連携しており、売り上げの一部がNPO法人の活動資金に充てられる仕組み。銅冶社長は企業とNPO法人の両方を運営している。

10年に設立したNPO法人はガーナやケニアに学校を造るプロジェクトを推進。そうしたなかで学校での教育の提供にとどめず、その先の雇用確保までを手掛けていく必然性を銅冶社長は痛感し、クラウディのブランドを立ち上げた。

現在NPO法人はガーナとケニアで計5つの学校のほか、ガーナで5つの縫製工場を運営する。7月はデザイナーやカメラマンといったクリエーターを育てるための職業訓練校をガーナに設立予定だ。同校では今後5年間で100人以上の生徒を受け入れる計画だという。また23年中にも理容師を目指すための専門学校を同国に設立する計画だ。

ポイント解説:営利と非営利のシナジー

「パーパス経営」とか「ミッション・ビジョン・バリュー」という、企業姿勢を表すものを重視する風潮が強い。SDGsにいたっては、中途半端にそれをあたることを「SDGsウォッシュ」として批判される始末である。そんな「ビジネスの動機」が重要な時代において、NPOが起点のビジネスは俄然強さを発揮する。

そもそもが、利益目的でない活動が原点であって、それを持続的にするためにビジネスを展開するというのだから、ミッションもビジョンもパーパスも通常の企業より明確で強くなりやすい。こうした企業はテストマーケティングのフェーズにおいてはクラウドファンディングに強みを持つし、通常の商品やサービスよりストーリー性に飛んでいるので拡散力が強い。

マーケターはぜひ、ソーシャルセクターがビジネスセクターに参入することを支援するべきだと思う。社会貢献の文脈からだけでなく、そうしたビジネスが今後十分に収益性を持ってくる可能性があるからだ。

関連リンク

認定NPO CLOUDY

https://cloudynpo.org/

CLOUDY 公式通販サイト

https://cloudy-tokyo.com/

自社のマーケティングに活かすには?

マーケティングのためにNPOを立ち上げる必要はないし、それをするのは本末転倒だが、ソーシャルセクター(ビジネスでも行政でもない、いわゆるNPOや公益財団法人など、公益性を重視した活動をしている団体)の感覚を自分の中に少しでも宿しておくことは、エシカル消費というトレンドやパーパスを重視するマーケティングの流れにおいて有益だと思います。

むしろこれからは、「世の中に良いことをいかにビジネスの力で加速するか」という視点が重要になります。ソーシャルな文脈を読み解く力を身につけていきたいものです。

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