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【エフェクチュエーション事例④:アスクル】

9月4日(水)は第3回エフェ会。
以下の5つの事例を紹介します。

・ネスカフェ アンバサダープログラム
・マスキングテープ「mt」
・スタディサプリ
・アスクル
・KOMTRAX(コマツ)

実はアスクルがもともとは
プラス株式会社という文房具・事務用品の
メーカーによるものだと知っていましたか?

もともとは、プラスの自社商品の
通販サービスだったのですが、
あることがきっかけで他社商品も扱う
今のアスクルに変化していきます。

自社商品の通販で他社商品を売るという
方向転換の裏にあったエフェクチュエーションとは?

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・アスクルとは?
アスクルは、日本の文具メーカーであるプラス株式会社が立ち上げた企業向けカタログ通販サービスです。主にオフィス用品を取り扱い、翌日配送を特徴とするサービスとして、多くの企業に利用されています。現在では、文具以外にも日用品や食品など幅広い商品を取り扱う総合通販サービスに発展しています。

・事業開始のきっかけは?
アスクルは、プラスが競争の激しい文具市場で新たな収益源を確保するために立ち上げた事業です。自社製品を小規模事業所向けに直接販売し、迅速に届けることで、競合他社との差別化を図ることが狙いでした。特に、翌日配送を実現することで、顧客の利便性を高めることを目指しました。

・事業成功に繋がる重要なターニングポイントは?
アスクルの事業成功における重要なターニングポイントは、他社の商品も取り扱う決断をしたことです。当初、アスクルはプラス社の自社商品だけを販売する予定でしたが、顧客から「他社の商品も一緒に買いたい」という要望が多く寄せられました。このニーズに応えるべきかどうか社内で葛藤がありましたが、最終的に他社製品の取り扱いを開始することで、アスクルは一気に顧客基盤を拡大し、文具通販業界での確固たる地位を築きました。

・その時の担当者の気づきは?
担当者は、顧客が求めているのは単に文具を購入することではなく、オフィスで必要なあらゆる商品を一括で、かつ迅速に購入できる利便性であることに気づきました。自社製品の販売に固執せず、顧客のニーズに応えるために他社製品の取り扱いを決断したことで、アスクルはより多くの顧客にとって不可欠なサービスとなりました。

・その後のスケールの流れは?
他社製品の取り扱い開始後、アスクルはさらに取り扱う商品の幅を広げ、文具以外にもオフィス用品、日用品、食品などを取り揃えるようになりました。これにより、企業はアスクルを通じてオフィスで必要なあらゆる商品を一括購入できるようになり、利便性がさらに向上しました。また、ITインフラの強化と物流ネットワークの拡充により、翌日配送サービスを全国規模で安定的に提供できるようになり、個人向け通販「LOHACO」も展開して、さらなる市場拡大を実現しました。

・なぜこの事例がエフェクチュエーション?
この事例がエフェクチュエーションといえるのは、当初の計画に固執せず、顧客のニーズに応じて柔軟に事業の目的を変えたからです。アスクルは、自社製品の販売にこだわらず、他社商品も取り扱うことで顧客の利便性を高め、新たな市場を切り開きました。このように、状況に応じて戦略を適応させ、顧客の声に基づいて行動を変えていくことで、不確実な状況の中で成功を掴んだことが、エフェクチュエーションの「行動を通じて学び、機会を創出する」アプローチを具体的に示しています。

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アスクルが今のように巨大なビジネスに
なると見通しが立っているなら、
他社商品の販売という意思決定も
しやすかったでしょう。

しかし実際はそのような見通しが立てづらい中で
アスクルはプラス製品の販売チャネルから
オフィス用品の総合通販プラットフォームへと
変化することを決定します。

自社商品販売が目的の初期のアスクルにとって
「他社商品も扱って欲しい」というユーザーの声は
ある意味では「レモン」です。

しかしそれを、「文房具のオンライン販売の
プラットフォームのニーズが高いなら
やってみたらきっと売れるだろう」と前向きに捉え
事業の目的を書き換えるだけでなく、
プラスから独立させました。

これがアスクルの大躍進のきっかけになったことが、
事業の目的すらも柔軟に変化させる
エフェクチュエーション的な思考の重要性を
物語っているのではないでしょうか?

第3回以降のエフェ会では、
エフェクチュエーション的な流れで
新規事業を立ち上げた事例や
実際の事業の中での活かし方をまとめた
書籍『エフェクチュアル・シフト』の内容を中心に
勉強会を行います。

今回は
「エフェの始まり -Beginning of Effectuation -」
と題して、
様々な事例の「スタート地点」にフォーカスをして
意見交換も行いたいと思います。

「初めて参加するから不安」という方には
過去の勉強会のアーカイブ動画を公開するので、
そちらを予習していただいてもいいですし、
予習がなくてもある程度わかるように
序盤で基本的な内容の振り返りもしますので
安心してください。

ご興味のある方、
ぜひご参加ください。

第3回エフェ会
https://snowflake-consulting.net/event/efe-kai-03

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